★元市民課職員の危ない話★
●ホームへ

1人でも仙人流「市民課職員の接遇」
----- その2 -----


●応対偏〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 窓口の仕事は、まず、お客様の話を聞くことから始まります。いや、こちらから、声をかけることもあります。カウンター、記載台の近くで不安な顔をしている人には、

「こんにちは、どういった内容ですか?」

 カウンターに近くに立っている人で、その人が申請を出していて今処理中なのか、これから申請を出そうとしているのかわからない時は

「お受けしてますか?」

と、声をかけます。その時は

「はい。今、やってもらってます」

 という答えが返って来ることのほうが断然多いのですが、もし、これからなにかの手続きをしようといているんだけど、どうしたらいいのかわからなくて困っているという場合もありますから。

 このように、こちらから声をかける時は、そのタイミングが難しいのです。カウンターの近くに来た人すべてに声をかける(捕まえた獲物は逃がさへんでぇ〜)わけにはいきませんし、実際に声をかけられると困ってしまうという人も中にはいます。ただ、なんでもいいから声をかけるのがサービスだと思ったら大間違い。そんなに単純なものではありません。声をかけたほうがよいかどうかみきわめてからでも遅くはないと思います。役所の場合は、声をかけなかったら他の役所にお客を取られてしまうという心配はいりません。

□□□
□□□
□□□

というように、お客様に声をかけるのも、このぐらいの配慮が必要です。その上で、なるべくこちらから声をかけてあげましょう。
 現在、お店(電気店や洋服店など)でも、店員からは声をかけず、お客様が自分で自由に商品を見て回れるという店もあるぐらいです。どちらにしても、お客様の方から声をかけやすい体制にしておくことは必要です。

 お客様が、窓口で「すみませーん」と声をかけているのに、なかなか応対に出て行こうとしない、返事もしない、ということではいけません。今、手が放せなくても返事ぐらいはできるはずです。「申し訳ございません。少々お待ち下さい」ぐらい言ったらどうなんだと思うことあるんです。えっ?そう思うんだったら、その時私が返事しろって?
 「はーい!」

  
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

   
 さて、そして、お客様の話を伺うことになります。その話が簡単(ココで言う簡単とはお客様のお話の内容が良く解るという意味です。必ずしも答えが簡単という意味ではありません)なものなら問題はありませんが、あいまいなものは注意が必要です。
 一般のお客様は、戸籍や住民票に関して、その仕組みがどうなっているのかという知識がほとんどありません。ですから実際問題として、何をどう質問していいのかもわからない方がいらっしゃいます。この場合は、一通りお話を聞いてから、こちらで予想される内容をいくつか用意して、お客様に確認しなければなりません。
 難しいのは、お客様は、戸籍や住民票に関する知識をどのぐらい知っているかということです。そのみきわめを誤ると、お客様がすでに知っていることを初めから説明してしまい、お客様が本当に知りたい情報になかなかたどり着かないという状況に陥ってしまいます。

 


  

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
 

 活字にすると同じセリフでも、違う人が言うと、まったく違う雰囲気になることもあります。セリフ以前に、その人の持つ雰囲気、身だしなみ、態度、表情が影響し、そして、さらにそのセリフの言い方で、完全に違ってきます。
 同じセリフ(言葉)なのに、その人が言うと無礼な感じに聞こえるとか、恐い感じに聞こえるとかです。セリフ自体に誤りはないので、その人本人は、無礼な話し方をしているとか、恐い言い方をしているとかという自覚は、まったくないかもしれません。が、しかし、お客様につっこまれる前に改善したいものです。

 私の今のテーマは、いかに笑顔で仕事をするかということです。なかなか難しいです。意識できている時は、まだいいのですが、仕事をしていると、どうしてもその意識は遠くなります。
 あっ、これは、お客様と面と向かって応対しているときだけのことじゃないんです。コピーを取っているときや、そこからカウンターまで歩いているときや、端末の前でキーボードを打っているときも、とにかくお客様の目に触れているようなときはすべてです。理想は、意識していない時でも、自然な楽しそうな表情、生き生きとした表情ができることなのです。

 さて、お客さまと応対するときに、忘れてはならないことをここで1つ。

 あまり、事務的になってはいけないということです。どういうことかというと、何年も窓口係をやっていると慣れてきます。悪い意味ではなくて、いい意味で慣れてきて余裕も出てきます。早い話、応対が上手になってきます。それが、新しく入ってくる職員のお手本になるような、新しく入って来た職員の目標にふさわしいほど上手な応対だとします。

 そのような「応対が上手なベテラン職員」と、「ただ一生懸命な新人職員」とを比べた場合、お客様の印象は、必ずしも「応対が上手なベテラン職員」が良いとは限らないのです。応対が上手だということは、職員の側からの目であって、お客様の側からすると、「ベテラン職員は明るく丁寧で仕事も迅速なんだけど、なにか冷たい感じがする」のに対して、「新人職員はお客様をもてなそうという心が良く伝わってくる」と感じてしまう場合があります。
 そのベテラン職員も新人だった頃、精一杯お客様をもてなそうという気持ちでいっぱいだったはずです。だからこそ、みんなのお手本になるぐらい応対が上手になったのだと思います。上手になりすぎて?しまったために心が通じなくなってしまったのかもしれませんし、また、初心をほんのわずか忘れていたのかもしれません。

 とにかく、あまり事務的になりすぎてはいけません。初心忘るべからずです。「こういう応対なら心が通じるはずだ」というようにテクニックが先行してはいけないのです。
 

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
 

 市民課の場合、お客様の都合に合わせて融通をきかせるという内容は、ほとんどありません。印鑑登録にしても、即日登録できない場合は、お客様にどんな理由があろうとできないものはできないのです。いくら市長の友達でも、総理大臣の知り合いでも同じです。「市長を出せ!」と言われても、総理大臣を連れて来てもです。
 というように、お客様のご要望をお断りすることは、日常茶飯事です。その断り方が問題なのです。こちらからすれば「そんなこと、無理に決まってんだろ」と思うかもしれません。そう思ったら負けです。お客様は、そう思っていません。考え方が違っていては、対話は成立しません。まずお客様の話を真剣に聞いて、なんとかできる方向で考えるのです。何か違う方法でできる可能性はないかどうか。お客様の立場に立って一緒に考えるのです。その結果、どうしてもだめなら、「これこれこういうわけで、・・・」とお断りするのです。「個人的には、手続してあげたいんですけど、できなくて申し訳ございません」という気持ちが大切です。私なんかホント、心が苦しくなる時もあります。いっそのこと手続しちゃったほうが、お客様も私も楽なのに・・・
 このようにお客様の立場に立って対話していけば、心が通じることもあります。

 それと、断るときの言葉の問題として、なるべく「否定形」は使わないほうが、お客様にとっては感じがよいと思います。

「できません」「やれません」

 ではなくて、「申し訳ございません。これこれこういう場合のみ、お受けしております」とか・・・
 ただ、このときに注意しなければならないのは、表現が回りくどくなってしまって、できるのかできないのかが、伝わりにくくなってしまい、結局、相手が「?」にならないようにするということです。

 それでも、無理勝手なことを言うお客様がいます。私の力が足りなかったのか、お客様が○○なのか、完全に怒鳴りだしてしまった時は、とにかく聞くしかありません。相手が怒鳴っているところをさえぎって、反論してはいけません。相手がいくら大声を上げて怒鳴っても、できないものはできないのです。こちらは、なるべく冷静に聞くのです。相手の言っていることが、正しい部分は、相づちをなるべく真剣に打ちます。その言い分に同意するように。そして、間違っている部分に相手が同意を求めた時、例えば、「なぁ、そうだろぅ?」ときたら、そうではないということを説明すれば良いのです。
 と、偉そうなことを書いていますが、なかなか、私もうまくできません。

 

●ホームへ      ●次のページへ