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★元市民課職員の危ない話★
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■■■■■ 入籍届の話 ■■■■■ 
 

美女「あのー、すみません、入籍届には何が必要でしょうか?」

職員「はい。通常の入籍届ですと、家庭裁判所の許可が必要になります。許可はもうとりましたか?」

美女「・・・・!?」

職員「まだでしたら、お母さんの戸籍謄本と、お子さんの戸籍謄本を用意して家庭裁判所に許可申請をして下さい。そして許可がおりましたら、その審判書の謄本を持ってこちらに入籍届をするのですが、本籍はどちらですか?」

美女「・・・・? あの・・・、私はココですけど・・・」

職員「お子さまは?」

美女「・・・・? いません・・・。これから結婚の届をしようと・・・」

職員「(ってことは、入籍届ではなく、婚姻届?


 戸籍の届出って何種類あると思いますか? 出生届、死亡届、婚姻届、離婚届をはじめ、全部で約30種類です。そして、同じ離婚届でも協議離婚届と裁判離婚届に分けられますので、細かく分ければ50種類以上ということになります。これは、あくまで戸籍の届出なので、転入届、転出届、世帯主変更届などの住所関係の届出は含みません。住所と戸籍はまったく別なものです。

 さて、その中の1つに「入籍届」というのがあります。これは、「婚姻届」とはまったく違う届出になりますから、「入籍届」に何が必要かと聞かれれば、上記のようになってしまいまう場合もあります。

 世間一般(特にテレビのワイドショー)では「婚姻」したことを「入籍」したと言う場合が多いので、このように、「婚姻届」を「入籍届」と間違ってしまうのでしょう。婚姻を入籍というのは、誤りではないのですが、入籍という言葉はある意味専門用語で、しかも意味が広いのです。出生も入籍になりますし、養子縁組でも入籍、そして入籍届も入籍で、婚姻届も入籍することになります。さまざまな入籍があるのです。だから、「電撃入籍!」では、どんな入籍なのか、具体的にはわからないのです。テレビや週刊誌で「入籍」という言葉に出合うたびに、使い方が違うと思わざるを得ません。「電撃婚姻!」で良いではありませんか。「入籍」という言葉は使って欲しくないです。

 古い話ですが、青江三奈も「死去前に入籍」と報道されました。「婚姻届を出していた」「婚姻していた」「死去前に婚姻」と言えばわかりやすいのに、どうしてわざわざわかりにくい言葉で報道するのでしょうか。

 婚姻を入籍と言うのは誤りではないといいましたが、「にしきのあきら」の場合は誤りだと思います。これまた古い話ですが、どの新聞を見ても「にしきのあきら、すでに入籍していた」という内容で報道されていました。にしきのあきらが初婚の時、夫の氏を選んで婚姻していたと仮定すると、そして今回も夫の氏で再婚したとすると、にしきのあきらが入籍したのは、ずーっと、ずーっと前の初婚の時だけです。今回の再婚でにしきのあきらの戸籍は何も変わらないのです。入籍などまったくしていないのです。婚姻によりにしきのあきらの籍に入るのは、新しく妻になる人だけです。
 上記の仮定どおりだとすると、にしきのあきらは今回、
婚姻していたけれど入籍していないのにも係わらず、新聞、テレビ、すべて「にしきのあきら入籍」と報道しているんです。誤りというよりも明らかに「ウソ」です。大嘘です。

 小室哲哉も再婚です。にしきのあきらと同じだとすると小室哲哉1日にも入籍」「小室入籍会見“パパの喜び”報告」「小室が入籍報告 早速胎教音楽作り」など各新聞の見出しは完全に誤り

 記事を書いた人は、「婚姻届を出して正式に戸籍上も夫婦になった」という意味で「入籍」と書いたのでしょうし、世間一般でも「入籍」とはそういう意味だと思っている人が多いので、しかたがないことかもしれません。でもやっぱり「入籍」という言葉は使って欲しくないです。

 「入籍」と反対の意味の言葉は「除籍」です。「離婚」ではありません。なのに離婚の時は「正式に離婚していた」とか報道されて、「○○と○○は除籍していた」なんて報道は聞いたことがありません。離婚届を出すと筆頭者でない人はその戸籍から除籍されます。婚姻を「入籍」というのなら、離婚はなぜ「除籍」といわないのでしょうか。

 だれかが死亡した時に「昨夜○○除籍!」というのも聞いたことがありません。離婚や死亡も除籍には違いないのです。でも、わかりにくいでしょ。なんとなく変でしょ。「除籍!」では。「入籍」もそれとたまったく同じようにわかりにくい言葉なんです。変なのです。場合によっては完全に誤りなのです。
 「入籍」という言葉は、なんとなく重みがあって正式に結婚したことをきちんと報道するにはピッタリの言葉だと思っているのでしょうか。

 「入籍」は、婚姻届を出したことによって夫婦が同じ戸籍になることを表現する言葉として世間一般的に認知されているのは確かです。「入籍」=「結婚」と信じている人も多いでしょう。ちまたで、使うのは自由でも、「除籍」同様、報道で使うには適していません。
 戸籍の届出には「婚姻届」とは別に「入籍届」という届出が存在するのですから。

 あるスポーツ新聞には次のように記載されていました。

「小室が入籍報告 早速胎教音楽作り
 人気プロデューサー小室哲哉(42)が1日、東京・新宿のルミネtheよしもとで会見し、ボーカリストASAMI(アサミ)こと吉田麻美(26)との結婚を報告した。会見後、代理人が都内の区役所に入籍届を提出した。」

 入籍届? 入籍届を提出した? ホントかぁ? もう最悪。

 

 報道関係者に告ぐ、

 『これほどまでに報道に適さない用語を使い続けるあんたらは大バカだ。あんたらが大バカなだけならそれまでで、とやかくいうことはないが、あんたらの影響で世の中が間違った認識をしている。「入籍」という言葉を使って報道した人はどう責任を取るのだ。いますぐ、意味もわからず「入籍」という言葉を使うことをやめろ!
 また、ウソの報道はいけないことだ。「入籍」していないのに「入籍した」と報道するのはいったいどういうつもりなのか。ウソをつくな。
 「入籍届を提出」なんてのは、人権侵害で訴えられるぞ!!』

  

※ 上記に報道後、小室哲哉はすでに離婚してしまいました・・・。そしてまた結婚しました・・・。

 
 「入籍」という言葉から、婚姻したことを「籍を入れる」と言う場合もあります。これまたこの言葉を使う人で、意味がわかっていて使っている人はいないでしょう。

 「籍を入れる」=「入籍」ですもの。戸籍事務担当者は、婚姻することを「籍を入れる」とは言わないのです。はい。

 こちらも、プロですから、「入籍したいのですが・・・」と聞かれれば、「婚姻かな」と予想できる(若い男女2人ならば、まず間違いない)のですが、女性1人で、しかもはっきりと「入籍」といわれると、こちらは、離婚後の子供の入籍(この場合は「入籍届」が必要です)と察して、子供は自分の母親にあずけてきたんだろうなぁとか、そこまで察してしまうのです)「おーっ、それじゃ、丁寧にわかりやすく説明してあげよう」と逆に、プロ意識がそちらへ向いてしまい、このようなことになってしまう場合があります。いつもではありません。察しすぎてしまったこちらの悪い例でもあります。

 とにかく、「婚姻届」「入籍届」は、違う種類の届出なのです。婚姻する時に届けるのは「婚姻届」です。「入籍届」ではありません。
  

 

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