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| 自分の戸籍には何が書かれているのか、まだ1度も見たことがないという人はたくさんいます。また、婚姻やパスポート申請などで戸籍謄本は取ったことはあるけれど、中身はほとんど見ずにそのまま提出してしまった人も多いと思います。 戸籍にはどんなことがどのように書かれているのかについて、ここではお話したいと思います。 |
戸籍は、すでに電算化が済んでいる市区町村と、まだ、電算化になっていない市区町村とでは、その様式に違いがあります。
電算化をしていない市区町村の戸籍は縦書きで、昔は手書きでした。あっ、今も手書きのところがあるかもしれません。現在はタイプで打っているところが多いでしょう。タイプも1字1字手作業で打ち込むものと、新しい戸籍の場合は、自動で機械が打ち込むものとあります。原本はまぎれもなく紙に記載(タイプ)されたものなので、電算化していない縦書きの戸籍のことを俗に「紙戸籍」と言ったりもします。
そして、電算化が済んでいる市区町村では「戸籍謄本」のことを「戸籍全部事項証明」といい、書式は横書きです。コンピュータのデータをプリントアウトしたものですから横書きなわけです。パソコンで縦書きを使うのは、ワープロソフトのときなど、あるにはありますが、やっぱり通常は横書きでしょう。
戸籍は、何をどう記載するのかはキッチリ決められていて、その記載内容も、紙戸籍の縦書きのものと、電算化された横書きのものでは若干の違いがあります。
紙戸籍の縦書きは、その人の身分事項欄(たとえば、いつどこで生まれてだれがいつ届けたのかという内容)が、文章に近い表現・・・・、いや、1つの文章で記載されます。
それが、電算化による証明ですと、
【出生日】いついつ
【出生地】どこどこ
【届出日】いついつ
【届出人】だれだれ
というように完全に箇条書きになっています。まぁ、書式は違っているといっても、記載されている内容は縦書きも横書きも同じと考えていいでしょう。そして、戸籍に記載される内容、というか記載の仕方は、どちらもたいへん合理的になっていて無駄がないという感じです。
前置きが長くなってしまいました。
戸籍には、まずはじめに「本籍」と「筆頭者の氏名」が書かれています。(横書きの場合は、さらに一番右上に、戸籍謄本なら「全部事項証明」、戸籍抄本なら「個人事項証明」と書かれています。)
実際には『本籍どこどこ、氏名だれだれ』となっていて、筆頭者という言葉は記載されていませんが、そこに記載されている氏名は筆頭者の氏名です。そう、戸籍を見ても「筆頭者」という言葉はどこにも見あたりません。なので、戸籍を端から端までじっくり見ても、「さて、筆頭者はいったいだれなんだろう?」という方がいても不思議ではありませんね。
専門用語で、本籍が書かれているところを「本籍欄」、筆頭者の氏名が書かれているところを「筆頭者氏名欄」と呼んでいます。「筆頭者氏名欄」だったら、ただの「氏名」ではなく、「筆頭者氏名」と見出しがあればもう少しわかりやすいのかもしれません。
つぎに、その戸籍がいつどういう理由で編製され(作られ)たのかが書かれています。また、本籍を移した場合は、いつどこから本籍を移したのかが記載されています。その他、氏を変更(婚姻離婚などじゃなくて)したときなども記載されます。
この欄は、戸籍全体に関する情報が記載されるので、「戸籍事項欄」と呼ばれています。
さて、その次からいよいよ、その戸籍に入っている1人1人について書いてある欄になります。
横書きの場合は、左側に『戸籍に記載されている者』とタイトルがついていて、
【名】
【生年月日】 【配偶者区分】
【父】
【母】
【続柄】がそれぞれ書かれています。
【名】は、もちろんその人の「名」です。氏(姓です)は記載されません。同じ戸籍に入っている人は氏は同じなので、筆頭者氏名欄に氏はすでに記載されていますから、筆頭者であっても個人の欄は名だけしか書かれません。
【生年月日】は、生年月日です。
【配偶者区分】は、夫婦のうち夫なら「夫」、妻なら「妻」と書かれています。結婚していなければこの欄はありません。
【父】【母】は、その人の実の父と母の氏名が記載されています。父母が死亡していても記載されます。たとえ現在90歳のおじいちゃんでも、そのおじいちゃんの父と母はだれなのかというのが戸籍では重要な記載事項の1つなのです。
【続柄】は、実の父母からみた続柄が書かれています。戸籍は、必ず父母からみた続柄が記載されるので、「孫」「妹」「兄」「甥」などという続柄は一切使うことはないのです。
突然ですが、戸籍には「性別」が記載されている欄がありません。じつは、続柄の欄が性別も兼ねているのです。「長女、二女、三女、長男、二男、」という続柄で、男なのか女なのかは判断できます。これらの事項は縦書きの戸籍でも同じように記載されます。
| ここまでは、どうですか、当たり前というか、だれでも「記載されているだろう」と予想がつきそうな基本的な事柄が多かったのではないでしょうか。 さて、いよいよ、「身分事項欄」について話を進めてまいります。その人の身分に関する事項が記載されているところです。 「身分」といっても、封建社会の制度的階級序列や、西洋中世の貴族・僧侶・市民・農奴や、そして、日本江戸時代の士・農・工・商の類を頭に浮かべてはいけませんよ。 婚姻・離婚・養子縁組・離縁など、身分の取得・変動を生ずる法律行為を身分行為といいますので、それらの事項が記載されているところです。 |
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縦書きの戸籍ですと、「父母欄」「名欄」「生年月日欄」の真上の欄(一番スペースが広いところ)が「身分事項欄」です。
この欄は、その人その人によってさまざまですから、何が書かれているのかをどうお話していけばいいのか難しいところです。いろいろなケースがありますから、必ずこうだ!と言い切れない部分もありますし、具体的に1つ1つ紹介するのは無理です。1冊の本(いやそれ以上)になってしまうのです。
出生 ★★★★★★★★★★★★
とりあえず、まず、その人の出生事項が書かれています。この世に生まれてきたから戸籍に記載されたのです。その出生事項です。
電算化済みの戸籍ですと、左側の欄に「出生」というタイトルがあってその右側に、すでにお話ししたとおり箇条書きで書かれます。【出生日】いついつ
【出生地】どこどこ
【届出日】いついつ
【届出人】だれだれたとえば、昭和53年1月23日に東京都千代田市で生まれて、昭和53年1月31日に父が本籍地の役所に出生届を届け出た場合は、
【出生日】昭和53年1月23日
【出生地】東京都千代田市
【届出日】昭和53年1月31日
【届出人】父になります。そのままです。届出人が「父」としかありませんが、父の氏名はその人の父母欄にしっかり書かれていますから、「父」だけで十分なのです。
これが、まだ電算化されていない紙戸籍ですと、縦書きで次のように書かれます。昭和五拾参年壱月弐拾参日東京都千代田市で出生同月参拾壱日父届出入籍
です・・・・。 うひょー! 見にくいですねー!
この例は出生届を本籍地の役所に届け出た場合です。ところが、出生届は本籍地だけではなく、届出人の住所地、あるいは生まれたところの役所でも届け出ることができます。
このように本籍地の役所以外の役所に届け出た場合は少し内容が違ってきます。【出生日】昭和53年1月23日
【出生地】東京都千代田市
【届出日】昭和53年1月31日
【届出人】父
【送付を受けた日】昭和53年2月3日
【受理者】東京都葛飾市長上の例は、昭和53年月23日に東京都千代田市で生まれて、昭和53年1月31日に父が本籍地ではない役所(東京都葛飾市)に出生届を届け出た場合です。
東京都葛飾市に届け出たのですから受理者は「東京都葛飾市長」です。受理した葛飾市長は、本籍地の役所に届書を送付しなければなりません。本籍地の役所でその送付を受けた日が「昭和53年2月3日」なのです。受理日は1月31日です。縦書きの場合は、
昭和五拾参年壱月弐拾参日東京都千代田市で出生同月参拾壱日父届出同年弐月参日葛飾市長から送付入籍
です・・・・。
さてさて、以上の例の人は、昭和53年生まれなので現在立派な大人ですが、まだ婚姻も離婚もしていないとします。さらに、だれかに認知されたとか、認知したとか、だれかの養子になったとか、養子をもらったとか、父母が離婚したとか、名前を変更したとか、そういった身分変動がなにもなければ、この人の戸籍はこれがすべてです。
縦書きの戸籍だったら、身分事項欄にたった1行、出生事項が書かれているだけの、このようないたってシンプルな場合もたくさんあります。初めて見たのが戸籍謄本ではなく、戸籍抄本だったら「これしか書いてないの?」と思わずつぶやいてしまうかも。「450円もするのに・・・」
さてさてさて、離婚や認知や養子縁組をすると戸籍にどう書かれるのかが知りたいと思っていたあなた。今日はここまでです。しばらくお待ち下さいませ。
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