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★元市民課職員の危ない話★
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■■■■■ 除籍と戸籍の話 ■■■■■
 

お客「主人が亡くなったので、年金の届出に必要な除籍謄本を下さい」

職員「亡くたったのは、あなたのご主人様ですね」

お客「はい、そうです。」

職員「それですと、除籍謄本ではなくて、戸籍謄本になります。戸籍謄本を取れば、ご主人様がお亡くなりになって除籍されているのが記載されておりますので」

お客「いや、戸籍謄本じゃなくて、除籍謄本を役所で取って来いと言われたのよ。2度手間になるのいやだから、除籍謄本をちょうだい。戸籍謄本なんて言ってなかったもの」

職員「はい。それでは今、確認してお作りいたしますので、お掛けになってお待ち下さい」


 その戸籍の中にいる人全員が、その戸籍から除かれる(死亡や、婚姻、他の市町村への転籍などで)と、その戸籍は除籍となります。それを写して発行するのが除籍謄本です。その戸籍に1人でも残っている人がいれば、その戸籍は除籍にはなりません。除籍になっていなければ、除籍謄本は取れません。除籍謄本と戸籍謄本は手数料も違います。

 戸籍謄本になるか除籍謄本になるかは、実際に確認してからじゃないと、はっきりとはわかりません。妻は以前に亡くなっていて、最近、夫が亡くたったという場合でも、まだ結婚していない子供が、その戸籍に在籍している可能性もあるのです。その人は駆け落ち同然にだいぶ前に家を飛び出して、今どこにいるかわからないという場合でも、戸籍がそこにあれば、除籍にはなりません。

 さて、上の会話の場合、夫婦のうち、亡くなったのは夫だけなので、妻はその戸籍にいるはずです。ということは確実にその戸籍は除籍にはなっていないはず。こういうお客様は、実際に戸籍謄本をお見せして説明しないと納得してもらえないことがあります。

 それでは、年金係では、なぜ、除籍謄本を取って来いと言ったのでしょうか。私達でも確認してからじゃないと戸籍謄本になるか除籍謄本になるかはわからないのですから、年金係がわかるはずがありません。一番良いのは、年金係で、前述のような戸籍と除籍の説明をしてくれれば、市役所は楽なのですが、年金係とすれば、戸籍関係の詳しい内容は、市役所に行って聞いてくれということでしょうから。これは、ある程度いたしかたないことだと思っています。亡くなったのだから除籍謄本という言葉になってしまうのでしょう。
 そこで私は、苦し紛れにお客様にこう説明した時もあります。「
除籍謄本を取って来いというのは、ご主人が除籍になっている戸籍謄本を取って来いという意味だと思うのです。」と。

 それともう1つ、筆頭者が亡くなっても、筆頭者は変わりません。
 よく「主人は、ずっと前に亡くなっているから、筆頭者は私になっています」と言う方がいらっしゃったのですが、そんなことはないのです。夫が亡くなると妻が自動的に筆頭者になると思っている方が大勢いますが、筆頭者は亡くなっても変わることはありません。

 
 『筆頭者が死亡したら、死亡した人が筆頭者の戸籍に遺族がいることになるから戸籍ってなんか変』という意見を聞いたことがあります。

 全然、変じゃありませんよ。

「筆頭者の戸籍に遺族がいる」って、別に筆頭者の戸籍に遺族がいるわけではないです。そもそも「筆頭者」ってそういう意味じゃないんです。

 「筆頭者」は主にその戸籍のインデックスの役割をはたしています。ただ同姓同名の方は以外と多くいますので、より正確な検索をするために「本籍地」も同じようにインデックスの役割をはたしています。これまた同じ所を本籍地にしている人は同姓同名よりさらに多いので、「本籍と筆頭者」の両方で正確な検索ができるのです。本籍と筆頭者の両方がまったく同じ戸籍が2つ以上存在するというのは、そうあるものではありません。「本籍と筆頭者」これで1つのインデックスになるのです。
 電話は「電話番号」によってその電話が特定できるのと同じように、戸籍は「本籍と筆頭者」でその戸籍が特定できます。
 その電話を使っている家族でだれかが死亡しても遺族はその電話の「電話番号」を使い続けるように、その戸籍にいる人(それが筆頭者でも)が死亡しても遺族の戸籍「本籍と筆頭者」は変わらないのです。この「本籍と筆頭者」が電話番号と同じように「番号」ならこういう誤解は生まれないのかもしれません。筆頭者が死亡しても残った遺族の戸籍は変わらないのですから。

 その昔、家制度があった頃の戸籍は「戸主」という人がいました。昔すぎて私は知らないのですが、戸主が死亡したら、その家で誰かが戸主になったのでしょうか。だとしたら、そういう昔の古い戸籍制度を引きずりすぎです。考えが古すぎます。
 

 

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