|
●ホームへあ |
* ホントにホントのはじめの一歩 |
そもそも、なんで「印鑑登録」なんてしなきゃならないのでしょうか。それは、何かの手続をする時に、「印鑑登録証明書」(略して「印鑑証明書」)が必要な手続があるからです。「印鑑証明書」がなければ手続できない、そういう場合、住所地の役所で「印鑑証明書」を交付してもらって、その手続に「印鑑証明書」を使うわけです。「印鑑証明書」を必要とする手続がなくなれば印鑑登録なんてする人もいなくなるでしょう。
(知っている方には、ものすごく当たり前のことですみません)
だれでもすぐに「印鑑証明書」を交付してもらえるかというと、交付してもらうには「印鑑登録」を住所地の役所でしなければなりません。印鑑登録をしてから印鑑証明書を交付してもらうという順番です。
印鑑登録した印鑑のことを実印といいます。どんなに立派な印鑑でも、その印鑑で印鑑登録していなければ、それは実印とはいいません。実印とは反対に「認め印」という印鑑があります。すべての印鑑を大きく2つに分類するならば、「実印」と「実印」以外の印鑑に分類することができます。この「実印以外の印鑑」を「認め印」だと、ここでは定義してしまいましょう。(ダメかなぁ?)
「認め印」だけ考えれば、認め印の中にも本当にあまり重要でない印鑑や、銀行の預金通帳の届出印や、訂正印などないろいろあります。
私が市民課職員だった頃、こんなお客様がいました。
「実印を買ってきたから、この印鑑で印鑑登録してください!」
実印を売っているところなどありません。実印はお金では買えないのです。実印ではない印鑑(実印として登録できる印鑑)を印鑑登録することによって、それが実印となるのです。
でも、新聞の広告などで次のような通信販売をたまに見かけます。
「3本セット(実印、銀行印、認印)男性・女性とも奉仕価格」
「印鑑のお求めは今がチャンス!幸運鑑定彫り印です。実印・銀行印・認印の3本とも牛皮ケース付きです。」
「尚、通常、実印は姓名、銀行員・認印は姓を彫ります。」これじゃやっぱり買った人は、「実印を買った」と言うのも仕方ありませんね。「実印として使用するのに適している印鑑、銀行印として使用するのにピッタリな印鑑、認印として気軽に使えてしかも品のある印鑑」とでもすれば正確ですが、まぁ、これはこれでいいです。とくに問題はありません。ただし・・・実印として売られているような姓だけじゃなく名前まで入っている印鑑じゃないと登録できないと勘違いしてしまう人はいるでしょうね。
また「印鑑登録は責任のある大人として20歳になったらするべき。」という話もごくまれに聞きますが、印鑑登録は、「大人になった証拠」ではありません。私の市では、15歳以上なら印鑑登録することができます。(15歳ってことは中学3年生で印鑑登録できるってこと)
* 次の一歩、印鑑証明書が必要な手続 |
それでは、印鑑証明書が必要な手続とはいったいどんな手続なんでしょうか。簡単に紹介します。その個々の内容で、必ずしも印鑑証明書が必要とは限りませんよ。●土地などの不動産を売ったり買ったりするとき
●自動車を買ったり、売ったり、譲ったりするとき
●マンションなどの、重大な賃貸借契約をするとき
●保険金を受け取るときにその届出印がないとき
●ゴルフ会員権を譲り渡す契約をするとき
●公正証書を作成するとき
●相続で遺産分割協議書を作成するとき
●その他、いろいろ
と、ざっとこんな感じだと思います。ここの部分はそれぞれの手続の専門家ではないので、なんでこれらの手続に「印鑑証明書」が必要なんだと聞かれても困るのですが、こうしてみると、重要な手続、そうは限らないけど多額の金銭がからむ手続で、間違いなく本人であるという証明、間違いなく本人の意思によるものという証明ということになろうかと思います。
* ホントにホントの次の三歩進んで一歩下がる |
さて、上記のような手続で、印鑑証明書が必要というのはわかりました。私の市でも、印鑑証明書を交付してもらう時には、実印は必要ありません。ところが上記の手続の時には、印鑑証明書だけでは何の意味もないのです。そうです。実印がないとダメなんです。印鑑証明書を交付してもらうという手続には実印は必要ないというのは、なんか面白いですね。(いや、面白がっていてもしょうがない)上記のような手続の契約書などに使う印鑑は実印でなければなりません。そして、「そこに押された印鑑は実印だよ」という証明が印鑑証明なのです。実印を押した本人はこれが実印だとわかっていても、他人にはまったくわからないから、証明書をつける必要があるわけです。
さてさて、それでは、実印が押されていて印鑑証明書がついていれば、どうしてそれが本人という証明になるのでしょうか。