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誰も教えてくれない戸籍の話
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    養 子 縁 組(その2)
(ようしえんぐみ)

 養子縁組については、民法や通達等でいろいろなことが定められています。いろいろなパターンがあり、そのパターンごとに決まりがありますから、役所側からしますと、まだ初心者の窓口職員(役所は人事異動が頻繁なので初心者だらけ?)にとってはこの養子縁組届をお客様の前で直接お受けする(審査する)のは1つの難関ですね。そして、「養子縁組をしたい、養子縁組をしたらどうなるのか、したほうがいいのか、できるのか」と届出をしようとしている人にとってはこれはもう・・・、はい、それでは紹介したいと思います。

  

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「未成年者は養親にはなれない」

 養親になるには20歳以上でなければならないということです。ただし、20歳未満でもすでに結婚している人は成年者とみなされるので、養親になることができます。
 女性は16歳にならないと婚姻することはできません。ところが、15歳でも、14歳でも、それ以下の年齢でも、子を出産することは可能です。絶対不可能ということではありません。私のまわり、知っている人で、そういう例はありませんが、全国には実際にこのような人もいることでしょう。
 15歳で子供を産んだら、生まれた赤ちゃんは実の子ですし、赤ちゃんからみれば、15歳の女性は実の母です。このように、親になるには年齢の制限はないのですが、養子縁組によって親になるには成年に達していなければならないのです。
 それと、養親になるには、結婚していなければならないという決まりはありません。1度も結婚したことがなく、まだ親の戸籍に入っている人でも20歳以上なら養親になることは可能です。

  

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「年長者を養子とすることはできない」

 養親と養子の年齢が、養親が年上で、養子が年下でなければならないということです。これは、納得できますよね。親より子のほうが年上なんて、普通じゃない?!
 養親のほうが年上ならよいということなので、1歳違い、たとえば、養親になる人が21歳で、養子になる人が20歳でもOKなんです。さらに、同じ年齢でも養親のほうが1日でも早く生まれていれば年長者として養親になることができます。
 また、兄弟姉妹でも養子縁組することはできます。当然、兄、姉が養親で、弟、妹が養子ですよ。兄と妹との2人は、ご存じのように近親婚には制限がありますから【夫婦】になることは不可能でも、養子縁組によって【親子】になることは可能なんですよ。そして、実際によくあるのは、おじいちゃん、おばあちゃんと孫の養子縁組ですね。

  

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「配偶者のある者が、未成年者を養子とするには配偶者とともにしなければならない」

 夫婦が養子(未成年者)を迎えるには夫婦そろってその子の養親にならなけばならないということで、夫だけ、あるいは妻だけが養子縁組することはできません。養子縁組制度が「子の福祉のためのもの」になっているがわかります。養子は「夫婦の子」という形になります。
 養子が成年していれば、これにあてはまりませんし、配偶者の子供(嫡出子)を養子とする場合もあてはまりません。「ただし、配偶者の嫡出子である子を養子とする場合は、この限りではない」となっています。
 法律の条文はこの「ただし」というのがあるので注意が必要です。ズバッと書いてあるからそうなのかと思いきや、「ただし、○○の場合はこの限りではない」と書いてあって、実際にはその「ただし○○の場合」のケースのほうが断然多かったりするわけで・・・・。

  

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「養子となる者が15歳未満であるときは、その法定代理人が、これに代わって、縁組の承諾をすることができる」

 法定代理人とは、法で定められている代理人で、未成年者の法定代理人は親権者(あるいは後見人)です。
 親権者ってだれ? という方はこちらもご覧下さい。→ 親 権 

  

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「配偶者のあるものが縁組みするには、その配偶者の同意を得なければならない」

 夫婦そろって養親になるとか、夫婦そろって養子になるという場合は2人とも当事者ですからこれにはあてはまりません。夫婦のうち1人だけが養子になるとか、養親になるという縁組の場合です。

  

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「未成年者を養子とするには、家庭裁判所の許可を得なければならない」

 このページの初めにお話ししたとおり、養親が未成年ということは100パーセントないです。そして、養子になる人も20歳以上(成年)という場合なら、家庭裁判所の許可はいりません。お互いの合意で届け出ることができます。
 養子になる人が未成年者の場合は、家庭裁判所の許可が必要になるということです。養子縁組は「子の福祉のため」のものですから、養子になることがその子のためになるのかどうかを、家庭裁判所が第三者の立場で公平に判断するわけです。養子自身が成人していれば許可がいらないのですね。養子といっても本人はもう大人なのですから。
 じつは、この決まりには続きがあって、「ただし、自己または配偶者の直系卑属を養子とする場合は、この限りではない」です。また出ました「ただし・・・」
 「自己または配偶者の直系卑属を養子とする場合は許可不要」というのは、いわゆる、妻が子連れで再婚をするとき、妻の子と夫が養子縁組をするというケースです。『配偶者の直系卑属』というのは、このケースなら『妻の実の子』という意味です。「妻の子を養子とする場合は許可不要」ということなのです。婚姻届と養子縁組届を同時に届け出ることができます。
 このケースの縁組みは、福祉に反するとはまず考えられないからです。

 

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「後見人が被後見人を養子とするには、家庭裁判所の許可を得なければならない」

ということです。はい。

  

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「当事者間に縁組みをする意思の合致があること」

 これは基本中の基本です。最初に書くべきだったですね。当事者の合致という点では、婚姻届と同じです。養親になる人と養子になる人がお互いに養子縁組して親子になるという合意がなければなりません。片方だけの希望では縁組することはできないのです。

  

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「自分の嫡出子(ちゃくしゅつし)または養子を養子とすることはできない」

 自分の実の子でも、その子が非嫡出子(ひちゃくしゅつし)なら養子にできる場合もあります。養子縁組は嫡出子親子関係をつくるものなので、自分の実の子が非嫡出子なら養子縁組をすることによってその子は嫡出子の身分を取得できるわけです。でも嫡出子なら自分の実子との養子縁組はできません。また、「養子を養子とすることはできない」というのは、「自分の養子を養子とすることはできない」ということで、すでに養子縁組をしていて養親と養子の関係になっている2人が、重ねて養子縁組することはできないという意味です。すでに養子縁組しているのに。
 だれかの養子になっている人をその養親とは別な人が養子として迎え入れることはできますよ。

  

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