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誰も教えてくれない戸籍の話
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    養 子 縁 組(その1)
(ようしえんぐみ)

 約30種類ある戸籍の届出の中で、届出件数からすると養子縁組届はそんなに珍しい届出ではありません。しばしばある届出なんです。
 ただ、「実際に自分は養子縁組をしていなくて、そして過去にもそういうつもりさえもなくて、さらに身近に養子縁組をした、あるいはしようとしている人もいなくて、ようするにこれまでの人生で養子縁組に関してまったく関わり合いのない生活を送ってきた」という人にとっては、この養子縁組という制度はちょっと不思議な香りのする制度かもしれませんね。実は何を隠そう私がどちらかというとそういう人だったのです。
今でも?
 

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 その昔、日本にまだ「家制度」なるものがあった頃、婚姻というと、妻になる人がそれまでの戸籍から抜けて夫になる人の戸籍(夫の父、母、祖父、祖母、兄弟など一家の人がすべて一緒の戸籍です)に入っていくというものでした。いわゆる○○家の戸籍に入るということで、その○○家の人間になるというようなものでした。妻の姓も夫の姓(夫の姓というよりも夫の家の姓)になります。
 そして、婿養子縁組という制度もありました(現在はありません)。これは、養子縁組と同時に婚姻も成立するというもので、養子になる人は男性に限られていて、妻になる人の父又は母がその男性を養子にするのと同時に、自分の子(女性)と婚姻させるものです。これによって、妻になる人がその家(その戸籍)から抜けることなく婚姻することができ、逆に夫になる人は、今までの戸籍から抜けて妻の家に入る(妻の家の戸籍に入る)のです。
 このような制度は「家制度」を維持するためには必要なものだったのでしょう。

 上記の話は、昔の話ですので、現在は「家制度」などありませんから、家を継ぐための婿養子縁組という制度もありません。そもそも、現在はこのような「家」という概念が戸籍には存在しないのです。

 現在では、養子縁組制度は「子の福祉のためのもの」になっています。(制度上はこうですが、実際には具体的に様々な理由で養子縁組をするのはいうまでもありません。)
  

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「養子縁組」とはズバリ何か

 ズバリ「養親と養子との間に嫡出子親子関係を成立させるもの」とでもいいましょうか。もっと簡単にいえば、こういうと正確ではなくなりますが「親子関係を成立させる」のが養子縁組です。

 養子縁組によって成立した「親子」の「親を養親(ようしん)」、「子を養子(ようし)」といいます。(この「養親」と「養子」だけは憶えてください。これ以降何回も登場します。)そして、ただの親子関係ではなくて「嫡出子(ちゃくしゅつし)親子関係」なんですが、この「嫡出子」とは、簡単にいうと、婚姻中の母親から生まれた子を「嫡出子」、そうではない子を「非嫡出子」といいます。
 自分の実の子でもその子が嫡出子でなければ養子にすることができる場合もあります。嫡出子なら自分の実の子を養子にすることはできません。
 一口に養子縁組といっても様々なケースがあり、とても一口で説明できるものではありません。親子関係ではない2人(あるいは3人)が、実の親子関係と同じ親子関係になる、法定血族関係とでもいいましょうか、養親が死亡すれば、実子と同じように養子にも相続権が発生するわけです。

 婚姻を例にすればわかりやすいでしょう。

  ●法的に夫婦関係を成立させるのが、「婚姻届」

  ●法的な親子関係を成立させるのが、「養子縁組届」

 男女一緒に暮らしていてだれが見ても夫婦に見えるカップルも、婚姻届を届け出ていなければ、法律上は夫婦とはいえないし、もう別れるつもりでずっと別々に生活している夫婦でも離婚届を出さないうちは法律上はまだ夫婦です。
 夫婦と子供が1人の3人家族で、誰が見てもその子供は夫婦の子供のように見えても、その子供は妻の前夫との子供で、現在の夫とは再婚の場合で、養子縁組をしていなければ、夫と子供とは法的な親子関係はありません。夫からみると子供は「妻の子」でしかないのです。

 さて、養子縁組すると養親と養子の親子関係が成立するのはわかりましたね。それでは、その養子と養子の実の親との関係はどうなってしまうのでしょうか。
 感覚的には、養親が親になるのだから、実の親との親子関係は消滅するのでは?と感じる人も多いことでしょう。たしかに、養子が未成年者なら親権は実の親から養親に移るというのはありますが、実の親との親子関係は消滅しません。実の親との相続権や扶養の権利義務は養子縁組をするしないに関係なくそのままです。
 実親も「親」で、養親も「親」。子からすれば、養子縁組は親が変わることではなく、親が増えることなのです。
 もちろん、養親から見れば、養子縁組は子が増えることになります。養子を迎え入れたら、それまでいた実の子との親子関係がなくなるわけではありません。
  

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