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誰も教えてくれない戸籍の話
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戸籍の届出人 その2
(こせきのとどけでにん)

 届出人は、それをする人、それをした人、その本人が届出人になるというお話をしてきましたが、そうではない届出もあるのです。
 そう、「出生届」と「死亡届」です。生まれたばかりの赤ちゃんは、字もかけませんし、それよりも何よりも意志能力がありませんから「わたし、生まれました!」と自分で届出人になるのは無理な話です。
 死亡届もそうですね。自分の死亡届を自分で届け出られるはずがありません。死亡した人の霊の力がものすごく強くて、本人の霊が死亡届に本人の署名をしたなんて話はまだ聞いたことがないです。そもそも、霊が字を書いたり絵を描いたりした話も私はまだ聞いたことがありません。もし霊が署名しても霊は霊であって、本人の署名にはならない?!

  

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 さぁ、それではまず、出生届は誰が届出人になるのかといいますと、

『嫡出子出生の届出は、父又は母がこれをし、子の出生前に父母が離婚をした場合には、母がこれをしなければならない。嫡出でない子の出生の届出は、母がこれをしなければならない。』

 と、戸籍法には書いてあります。ひとくちに出生といってもいろいろなケースがあるんですね。難しい言葉もありますが、だれが届出人になるのかだけを見ますと、父と母の字しか見あたりません。父か母が届出人になるのは間違いなさそうです。ところが、次にもこんなことが書かれています。

『届出をすべき者(父又は母)が届出をすることができない場合には、下の者は、その順序に従つて、届出をしなければならない。
第1 同居者
第2 出産に立ち会つた医師、助産師又はその他の者』

『父または母が届出をすべき者が届出をすることができない場合には、その者以外の法定代理人も、届出をすることができる。』

『病院、監獄その他の公設所で出生があつた場合に、父母がともに届出をすることができないときは、公設所の長又は管理人が、届出をしなければならない。』

 他の届出に較べると、ずいぶんいろんな人が届出人になれるのですねぇ。実はこれにはいろいろわけがあるのですよ。

 いよいよ1週間後の大安吉日に2人そろって婚姻届を役所に提出しようという、すでに婚約している2人が、不運にも交通事故で2人とも(あるいはどちらか1人が)、死亡してしまったら、その婚姻届は残念ながらもう届け出ることができなくなります。亡くなった人の父親が届出人として亡くなった息子の婚姻届を届け出るということもできません。本人が死亡しているのですから無理です。2人(あるいはどちらか1人)は夫婦となることなく人生の幕を閉じざるを得ません。婚姻届は婚姻しようとする人しか届け出ることはできません。本人以外は届出人になれないというのは当然の原理ですね。

 出生届けは、赤ちゃんが産まれたあと、父も母も届け出ることができないということも充分考えられます。極端な話、死亡したとか・・・(赤ちゃんがではなく届出人が)。でも、赤ちゃんが産まれたのは事実ですから、だれかが父母に代わって届出人となって届け出る必要があるわけです。婚姻届のように、届出人がいないから届け出ることができないとしたら、産まれた赤ちゃんがあまりにもかわいそうですもん。
 通常は少ないケースだとは思いますけど、そんなときは同居者が届出人になります。ところが、届出人となる同居者もいない、同居者も届出することができないというときは、出産に立ち会った医師が届出人として届け出なくてはならないのです。そして、立ち会った医師はいない、または立ち会ったけれど届け出ることはできないというときは、立ち会った助産師が届出なればならないと定められています。そしてまた助産師も届け出ることができない、医師も助産師も立ち会っていない(自宅で急に生まれたとか)場合は、その他の立会者が届出しなければいけないとなっているのです。

 このように、届出人となる順番が決められています。父か母が届け出ることができるのに、同居者やお医者さんが届出人になれるということではありません。いろんなケースを想定してだれが届出人になるか決められていても、届出人は基本的には、まず、父か母です。

 出生届もその届出用紙の左側一番下に届出人の欄があります。「署名」という欄は届出人(上記のとおり通常は父か母)が署名しなくてはなりません。ところが、その署名の欄に、産まれた赤ちゃんのおじいちゃんかおばあちゃんの名前が書いてあるときが多いのです。
 もし、赤ちゃんが産まれたときに、おじいちゃんが母と同居していたのなら、おじいちゃんは「同居者」として届出資格があります。ただし、順番なので、同居者が届出人になるのは、父か母が届け出ることができない場合と決まっています。そして、同居していなかったとしたら、届出人になることはできません。おっと、出産に立ち会っていれば立会者という資格で届出人になれる場合も考えられますね。
 そして、同居者、立会者として届出人となったとしたら、戸籍には「届出人 同居者○○○○」「立会者○○○○届出」という感じで記載されます。

  

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 次に、死亡届にうつりましょう。

『次の人は、その順序に従つて、死亡の届出をしなければならない。但し、順序にかかわらず届出をすることができる。
第1同居の親族
第2その他の同居者
第3家主、地主又は家屋若しくは土地の管理人

2 死亡の届出は、同居の親族以外の親族も、これをすることができる。』

 初めに「その順序に従つて」となっていてすぐ「順序にかかわらず」となっていますね。順序に従うべきなのか、順序は気にしなくていいのか、いったいどっちなのでしょう。まぁ、出生届には「その順序に従つて」と書いてあるだけで、「順序にかかわらず届出することができる」とは書いてないところをみると、死亡届は少なくても出生届よりは順序にかかわらず届出人となれると考えてよさそうです。

 実際には、同居の親族、同居していない親族が届け出るケースがほとんどです。身よりもなく一人暮らしの場合などは、家主、地主、家屋管理人、土地管理人が届け出ることになります。

 また、病院、監獄その他の公設所でなくなった場合は、届出人が届出をすることができないときは、公設所の長又は管理人が、届出をしなければならない。となっています。

 さて、そう、ズバリ、死亡届は上に出てきた人以外の人は届出人になることはできません。親族よりもだれよりも生前親しくしていた友人だとしても届出人の資格のない人は、届け出ることができないのです。だれでも届け出ることができるというわけではありません。

  

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