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誰も教えてくれない戸籍の話
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離 婚
(りこん)

 離婚というのは、あくまでも夫婦の問題であって、その子供の戸籍に変動はありません。夫婦でも変動があるのは、筆頭者ではないほうだけです。たとえば、夫が筆頭者の場合、離婚届によって戸籍が動くのが妻1人だけです。妻はその戸籍から抜けて1人で新しい戸籍をつくるか、結婚する前の戸籍(自分の両親の戸籍)の戻るか、好きな方を選べます。そして、旧姓に戻ります。
 夫と子供は同じ戸籍(同じ氏)で妻だけが違う戸籍(氏が別)です。現実には妻は子供を連れて出ていくというのが多い(あるいは夫だけ出ていく)みたいで、そうすると、妻と子供は同じ住所で、名字が違う。夫だけ別な住所だけど、子供とは一緒の戸籍となります。

 夫婦に20歳未満の子供がいた場合、離婚する時は父か母のどちらかが、その子供の親権者にならなければなりません。離婚届の用紙にそれを記入する欄がありますが、それによって子供の戸籍が変動するということはありません。夫が筆頭者の場合、離婚届によって戸籍が動くのは、前にも言ったとおり、妻だけです。妻が親権者でも子供とは別な戸籍になってしまうのです。父親の戸籍にいる子供を母親の戸籍に移したいという場合は、「入籍届」という届出が必要です。内容的には、「母の氏を称する入籍」です。このパターンの入籍届をする場合は、家庭裁判所の許可が必要になります。「婚姻届」は家庭裁判所の許可は必要ありません。

 さて、最近では(昔からかな?)、熟年夫婦の離婚も珍しいことではありません。子供が20歳をすぎて手がかからなくなってからの離婚です。親権者は未成年に対してなので、子供が20歳をすぎていれば、離婚する時に父と母のどちらが親権者になるかということも決める必要がありませんし、子供がすでに婚姻していれば、その戸籍から抜けていますので戸籍に縛られることなく離婚できます(縛られているわけではありませんが)

 たとえば夫(子供からみれば父)が筆頭者だった場合、離婚届をすると、やっぱりその戸籍から抜けるのは妻(子供からみれば母)だけです。まだ結婚していない子供がその戸籍から母の戸籍に入籍する手続も、入籍する本人(子供)が15歳以上のときは本人(子供)自らがが届出人になるだけで、他は同じです。

 入籍する本人(子供)が15歳以上のときは本人(子供)自らがが届出人になります。20歳以上でも同じです。

 ここで、根本的なことをひとつ。「同じ戸籍の中にいる人は、名字は同じ」です。離婚届によって、妻が自分の両親の戸籍に戻った場合、旧姓に戻るということになります。そして、両親の戸籍に戻らずに1人で新しい戸籍を作ったとしても旧姓に戻ってしまいます。
 離婚しても結婚していた時の名字のままでいたいという場合は、離婚届と同時に、「戸籍法77条の2」(婚姻していた時の氏を名のたい)という届出をすれば旧姓に戻りません。この77条の2の届出は、離婚して旧姓に戻ってしまった場合でも、離婚後3ヶ月以内なら届け出ることができます。


 

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 離婚するとそのことは当然戸籍に記載されます。と、その前に、戸籍を見ればその人が現在婚姻中か独身かは一目でわかるようになっています。独身といってもいろいろいますね。40歳50歳を過ぎても一度も結婚していない人もいれば、結婚して離婚した人、2回3回4回と結婚したけれどやっぱり離婚して独身の人、配偶者とは死別して独身になってしまった人、それに子供も独身ですね。

 さて、離婚して独身になってしまった人は、いつ誰と離婚したのかが戸籍に記載されています。離婚すると筆頭者ではないほうの人が夫婦の戸籍から抜けるわけですが、その夫婦の戸籍の夫の欄にも妻の欄にもいつ誰と離婚したのかが記載され、さらにその戸籍から抜ける人(夫が筆頭者なら妻)はどこへ入籍したのかが記載されます。入籍した戸籍にもいつ誰と離婚してどの戸籍からその戸籍にはいってきたのかが記載されます。
  

 「離婚したことを隠したい。戸籍に記載されている離婚歴を消したい。」

 離婚してその戸籍から抜ける人(夫が筆頭者なら妻)は、婚姻前の戸籍に戻るか、1人で新しい戸籍を作るかのどちらかになります。どちらにしても、離婚後に転籍(本籍を移すこと)すると、そこに作られる戸籍には離婚したことは一切記載されません。でも、それは、本籍を今ある本籍地から他の市区町村に移した場合です。同じ市区町村内で本籍を移しても、本籍の欄だけが訂正されるだけで、その他は、まったく変わらないので離婚の記載は消えませんよ。
 転籍しても、転籍前の戸籍は除籍となって保存され、その除籍謄本を取れば、離婚したというう記載はそのままになっています。あくまでも転籍後の新戸籍(現在の戸籍)は、消えているということです。

 夫が筆頭者だった場合、離婚後の夫の戸籍も他の市区町村に転籍すればそこに作られる戸籍には離婚したことは記載されません。さらに、それまで×印がついて離婚により除籍された妻の欄も新戸籍には一切記載されません。名前にバツ印がついている人は、すでに除籍になっている人なので、前の妻の名前は記載されません。消えてしまいます。転籍後の新戸籍はその戸籍にいる人しか記載されないのです。

 これらは、あくまでも現在の戸籍には離婚したことが記載されていないだけで、転籍前のことは除籍というかたちで保存されていますから、戸籍をさかのぼってみれば、その人が何回だれといつ婚姻して何回だれといつ離婚したのかという記録は残っています。過去の事実は変えれらないということです。もっとも他人が簡単に除籍謄本をとることはできませんから、戸籍上も「離婚は過去のもの」という形にはできるわけです。
  

 転籍を何回もすれば、離婚歴が消える?

 離婚後1回転籍すれば、離婚歴はその新戸籍には記載されないので消えることになりますが、その後何回転籍しても離婚歴が記載されている除籍が消えてしまうということはありません。何回転籍しても、離婚が記載されている戸籍は除籍という形で80年保存されます。その除籍にはいつどこへ本籍を移したかというのが記載されています。そして、新本籍地の戸籍には、いつどこから転籍してきたのかが記載されています。何回転籍しても戸籍はつながっていますから、さかのぼっていくことができます。転籍の回数が多いとさかのぼるの回数が多くなるというだけで、すでに記載されている離婚歴が消えてしまうということはありません。

 離婚歴を消したいという気持ちは人間皆同じでしょう。

 とくに、氏(姓)が変わった人は、戸籍や住民票から前の氏(姓)を消してしまいたいと思うでしょう。ところが、「氏(姓)が○○から△△に変わったことの証明」を必要とする手続がいろいろとあるものです(ない人もいますけど・・・)。そんなときに戸籍抄本1通だけ(人によっては住民票)で証明できる場合もあれば、何回も転籍している人は、除籍謄抄本を取らないとつながりを証明できない場合もあります。それぞれ役所での手続も面倒(郵送で請求するという手もありますが)ですし、除籍謄抄本はおおむね1通750円です。1通ならまだいいですけど、まぁ、何万円とまではいかないとしても何通にも及ぶと・・・・。
 まれに、「手続は面倒ではない、余計に料金がかかってもよい」という役所にとっては非常にありがたい神様のような人もいらっしゃいます。そういう人ならそれでいいのですが、実際には役所の窓口で戸籍抄本を見て「戸籍って今までのことが載っていないんですかぁ?」とクレームをいう人も多いのです。

  

 

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