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★元市民課職員の危ない話★
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誰も教えてくれない戸籍の話
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    婚 姻 3の3
(こんいん)

 またまた、婚姻とは少し話がずれますが、『親子2代までしか1つの戸籍には入れない』というのがあります。これはどういうことかというと、たとえば、前述と同じように、筆頭者A、配偶者B、子供C(女)の計3人の戸籍があったとして、その子供Cが結婚しないで出産した場合、生まれた赤ちゃんDは、筆頭者や配偶者からみると孫(3代)にあたります。この場合は、出生届を出すと子供Cは、A、Bの戸籍から抜けて、赤ちゃんDと2人で新しい戸籍を作る(Cが新戸籍を作り、そこにDが入籍)ということになります。その戸籍の筆頭者は子供Cです。赤ちゃんDの父親の欄は空欄となります。

 新しい戸籍を作る場合(上記の場合や、もちろん婚姻、そして転籍など)は、日本全国好きなところ(地番が存在するところ)を選べます。極端な話、「皇居」「国会議事堂」のように、普通の人はどう考えても住む可能性がない場所であっても、ごく普通に受理されます。いや、そこに建物が建ってなくても、他人の土地でも、まったく行ったことがない知らない所でもかまわないのです。
 どこを本籍にするかは、ものすごく意味がありそうな気がしますが、戸籍上はもちろん、あらゆる面で何の意味もありません。しいて言えば、住所のある市町村内に本籍があれば、戸籍謄本や戸籍抄本が必要な場合にすぐ取りやすいということがいえるでしょう。これは、それぞれ事情があったり、こだわりがある人は、その人なりに好きなところを選べば良いのです。親の本籍と同じところにしなければならないとか、住所と同じところにしなければならないというような決まりは、一切ありません。

 実際には、夫の今までの本籍地と同じところに新戸籍を作る場合が多いようです。新戸籍は日本全国好きなところを選べますので、当然、親の戸籍と同じところでいいわけです。ただここで注意しなければならないのは、こうなると親夫婦とその息子夫婦は、本籍はまったく同じ地番になりますが、戸籍は別々だということです。
 本籍を変えていないから今までの戸籍(親の戸籍)の中に入っていると錯覚している方が大勢いらっしゃいます。1つの戸籍には1つの夫婦しか入れませんので、この場合でも、夫になる人は、親の戸籍から抜けて夫婦だけで新しい戸籍を作ることになり、たまたま?その本籍地が親の本籍地と同じということだけで、戸籍自体は完全に別な違う戸籍になっています。

 本籍の地番が同じでも戸籍が別々というのは、たくさんあります。たとえば、アパートやマンションに住んでいる人がその住所を本籍にした場合、同じ地番にたくさんの違う戸籍が存在するという例はたくさんあります。そういう場合、本籍だけではどの戸籍か特定できないので、筆頭者が重要なインデックスになります。
 親夫婦と子供夫婦が同じ本籍地だった場合も、その筆頭者でどちらの戸籍か判断できます。子供夫婦が自分の戸籍謄本を取る時に、その申請書の筆頭者の欄に親の氏名を書いてしまったら、親の戸籍謄本が出てきてしまいますので注意しましょう。

 

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 さて、夫になる人、妻になる人の両方が、それぞれ今までの親の戸籍から抜けて「2人だけで新しい戸籍をつくる」のが婚姻です。といいましたが、そうじゃない場合もあるのです。
 たとえば、夫になる人がすでに筆頭者になっていて、その夫の氏を選んで婚姻するような場合は、戸籍が動くのは妻になる人だけで、夫になる人はそのままなんです。妻になる人だけが今までの戸籍から抜けて夫になる人の戸籍に入っていく形です。この場合、妻になる人がすでに筆頭者になっているか、なっていないかは関係なく、その戸籍から抜けるわけです。

 すでに筆頭者になっているということは、一番多くあるのは、過去にその人の氏を選んで婚姻したことがあるというケース、あるいは、離婚により婚姻中の戸籍から抜けたときに、本人が筆頭者になって新しい戸籍を作るというケース、そして、親の戸籍から分籍しているというケース。

 「婚姻」といっても、
【2人共に初婚の場合】、【1人が初婚で、もう1人が再婚の場合】、【2人とも再婚の場合】といろいろあります。
 そして、【2人とも再婚の場合】だけを取り上げても、『すでに2人とも筆頭者になっている場合』、『1人は筆頭者で1人は筆頭者ではなく、筆頭者になっている人の氏を選んで婚姻する場合』、『同じく筆頭者ではない人の氏を選んで婚姻する場合』、『2人とも筆頭者にはなっていない場合』で、少しずつ戸籍の動き方が変わります。

 ひとことでいうと、氏を選んだ方の人が筆頭者になっていなければ、それぞれがそれまでの戸籍から抜けて「2人で新しい戸籍をつくる」ということになります。
 氏を選んだ方の人がすでに筆頭者になっていれば、もう1人のほうだけが、今までの戸籍から抜けて、その筆頭者になっている人の戸籍に入るということになります。
 

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 さて、婚姻を例に、戸籍の基本的な仕組みを少しお話してきましたけど、戸籍とはまったく関係のないところで、次のような現実もあります。

 結婚したのはいいけれど、「嫁」は家族の一員とはほど遠い扱いで、一言でいえばその家族の奴隷みたいな役回り、家事のことはすべてやらなければならないのは当たり前、食事するのも一番後、お風呂の順番も一番後、親戚が集まった時はそのもてなしの準備から後かたづけまでで食事も喉を通らないほど。朝から晩まで家族にこき使われている。
 ようするにその「家」にとって、まだ「よそ者」状態。もっとも、その「嫁」が、おばあちゃんぐらいの年になったら、立派なその「家」の一員となっているのでしょう。

 という「家」が現実にあります。地域性もあるでしょうから、日本のあちらこちらいたるところにこういう「家」(地域)があると思います。その家にとってはこれが当たり前のことで、それが男として女としてのごく普通の生き方ですので、女性差別をしているという意識はその家(その地域)の人はないでしょう。

 現在でもこういう家(地方)がたくさんあるというこの現実を「戸籍」で救おうとしても無理な部分が多いと思うのです。いや、その地方の人達は、救って欲しいと思っていないのですから余計なお世話ですね。いい悪いは別にして、これは習慣です。文化です。戸籍制度を完全になくしてしまっても、しばらくはそれと関係なく続くでしょう。

 

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