京大病院小児科に「楽しい時間」をプレゼントしていらっしゃるボランティアグループ
にこにこトマトさんのニュースレターに04年10月からへなちょこなコラムを書かせていただいています。
代表の神田さんに許可をいただいたので、こちらのページにも掲載することにしました。
コラムのタイトルは「もう一人の主役」。神田さんがつけてくださいました(嬉)。





病気の子どもの「きょうだい」のサポートをすると決めて5年が過ぎました。何度か人の集まる場所でお話しさせていただく機会もいただきました。人前でお話しすることは本当に苦手で、何ヶ月も前から「読む予定だった原稿を間違えて持ってきてしまった!」の夢を見たり、緊張で何も手がつかなくなって動物園のライオンのように部屋の中をぐるぐる歩いたり無駄にドキドキして過ごすのですが、加えてもう1つ不安の種があります。

それは、私の話を聞いた親御さんがご自身を責めてしまわないだろうかということ。私は自分の母親が大好きなので、「お母さん」を泣かせてしまうことはとてもつらいのです。ましてやお子さんが病気になって不安でいっぱいの親御さん、病気の子どももきょうだいもどちらも心配で板ばさみになってしまっている親御さん、そんな状況の親御さんを責めることだけはしたくないと思っています。病気は誰のせいでもありません。病気のお子さんに付き添っている親御さんがぷちっと2つに分裂して家に帰ることも不可能です(本当にそれができたらどんなによいことか…!)。頑張っている親御さんを責めるつもりはないということ、きょうだいが笑顔になることで、親御さん、病気の子どもも気持ちが軽くなると信じて活動していること、「ちゃんと伝えなければ」「ちゃんと伝わるだろうか…」と、いつも不安でいっぱいになります。

不安が大きくなりすぎて何も話せなくなりそうになる時、あるお母さんのお話を思い出します。そのお母さんは「病気の子どもと一緒に頑張るうちにきょうだいはいつの間にか大きくなっていて、今になって、この子(きょうだい)が成長する過程を何も見ることができなかったと気づいてとても後悔している。もっと早く話を聞いていればもっときょうだいの方を見ることができたのに。」ということを泣きながら話してくださいました。私も聞きながら悲しくなって涙が出ました。後悔するお母さんを増やさないために、少しでも自分にできることがあるなら頑張ろうと思いました。

きょうだいが溜め込んだ感情は大人になってから爆発することがあります。子どものきょうだいのケースと比べ、ずっとおさえてきた分複雑な感情なので消化することがより難しく、きょうだいもご家族も苦しむことが多くなります。そうなってはじめて親御さんがきょうだいの感情に気づき、後悔するのはどんなにつらいことだろうと思います。そうなる前に少しでも早く親御さんがきょうだいの感情に気づけるように、また、きょうだい自身も子どものうちから、溜め込む前にマイナスの感情と付き合って生きていく方法をみつけられるように、そのお手伝いをしたいと願っています。

(文責:清田悠代)






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