京大病院小児科に「楽しい時間」をプレゼントしていらっしゃるボランティアグループ
にこにこトマトさんのニュースレターに04年10月からへなちょこなコラムを書かせていただいています。
代表の神田さんに許可をいただいたので、こちらのページにも掲載することにしました。
コラムのタイトルは「もう一人の主役」。神田さんがつけてくださいました(嬉)。


大きなSと小さなs


先日の全体ミーティングではすばらしい機会をいただき、本当にありがとうございました。私のつたない話を真剣なまなざしで聞いてくださったみなさまのお気持ちは宝物です。人前でお話するのはとても苦手で、時には悲しくなることを言われたり、面白半分に人の気持ちを分析するような方にあたることもあり「私がたまたま当事者だから、きょうだいのために、つらい目にあってでも矢面に立ってこんなことを続けないといけないのだろうか」と(今あらためて文字にすると大変えらそうで誤解されそうですが…)悩んだこともありました。でもにこトマさんの会ではみなさまが私や「きょうだい」たちを温かく迎えてくださる気持ちに触れることができました。たくさんの方が自分の気持ちや生活にひきつけてきょうだいのことを考えてくださったこと、質問タイムにも終了後にもたくさんの方が話しかけてくださり、気持ちや体験を共有させてくださったこと、本当に嬉しく、ありがたいことでした。
きょうだいはいろんな場所にいます。一人でも多くの方がこうしてきょうだいがおかれている状況を知り、きょうだいの気持ちに寄り添ってくださること、それが一番のきょうだい支援なのではと思っています。

昨年「シブショップ(特別なニーズのある子どもの兄弟姉妹のためのワークショップ)」の創始者であるドナルドマイヤーさんの2度目の講演会に参加することができました。シブショップを行う中で、子ども達が気持ちを話し合うプログラムに抵抗があり、悩んでいることを相談しました。突然連れてこられたきょうだいたちに、しかもその日初めて会う人に、悩んでいることを話させるということを私達はすることができません。緊張している子どもたちにとってそれがどんなに負担だろうか、たった数時間でどれだけのフォローができるだろうかと考えるからです(子ども達が気持ちを話したいと思った時、それを受け止める準備はできていますし、子どもたちにメッセージを伝えることはしていますが)。支援を専門にされている方や、親御さんの中には、子ども達が気持ちを吐き出す時間を作らなければシブショップを行う意味がないのではないかとおっしゃる方もいらっしゃいます。私達は子ども達が敢えて気持ちを吐き出さなくてもシブショップに来て何かを感じ取り笑顔になってくれていることを肌で感じていますが(むしろただただ主役になってあそびきるだけでも十分なのではとすら思っていますが)本当にこれでよいのだろうかといつも悩んできました。
マイヤーさんの答えはこうでした。「Support(大文字S。正式なサポート)とsupport(小文字s。非公式な小さなサポート)がある。正式な話し合いプログラムでSupportすることがすべてなのではなくて、クラフトや料理の途中できょうだいがふと話をしてくれることを受け止めるような小さな「s」upportがうまくいっているなら無理に「S」にこだわらなくてもだいじょうぶ。必要以上に子ども達を暗い世界に引きずり込むことはないよ。」
とても心に響く言葉でした。正式なプログラムももちろん必要なのですが、まずはこの小さなsupportがシブショップを飛び出して、病院に、学校に、地域に、たくさんたくさん増えていくこと、それが今私達が一番願っていることなのだと再確認しました。

(文責:清田悠代)






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