おわりに

   今回の卒論では、アメリカのホスピタル・ホスピタリティ・ハウスの例を挙げ、日本のハウスの現状を分析しつつ、日本におけるハウスの、さらなる可能性について考察した。まだ研究され始めたばかりの分野であるため、資料も少なく、6つのハウスにヒアリングに出向くことでカバーしようと試みた。ヒアリングを行うたびに、ハウスマネージャーの方の温かい気持ちにふれ、日本のハウスはハウスマネージャーの善意とホスピタリティに支えられていることを実感した。  今後の課題としては、「病児とその家族」から「患者とその家族」にまで範囲を広げ、ハウスを求める声を、より大きくしていくことが挙げられると思う。対象者が増え、ニーズがより切実なものであることがわかれば、公的な支援にも結びつきやすくなるだろう。  また、病院をどこまで巻き込めるか、ということも大きな課題である。医療ソーシャルワーカーだけでなく、病院全体の理解を得ることが大切になる。病院に、病児とその家族の生活を支援することも医療の一環であるという姿勢、病児が「子ども」として成長することをサポートする環境を作らなければならない。また、デス・エデュケーションやグリーフケアなどは日本ではまだ未発達であるが、定着させる必要性は高い。これらの点についても、病院側がその必要性を認め、取り入れていくようハウスが導いていければ、と思う。  ハウスには大きな可能性がある。病児や家族にニーズがあるのに、今まで病院や医療ソーシャルワーカーにはこたえられなかったことを行える場として、日本にはまだ定着していない新しい分野に先駆的に取り組む場として大きな役割が期待されるところではないだろうか。


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