世界のホスピタリティハウス

ロナルド・マクドナルド・ハウス

マクドナルド・ハウスの歴史は1974年、アメリカのフィラデルフィアの アメリカン・フットボールチームの選手フレッド・ヒル氏の娘キムちゃん(当時3歳)が 白血病になったことから始まります。ヒル氏の家族は専門病院に通院する際 に宿泊施設がなく、ホテルでは膨大な費用がかかるという問題に直面し、 フィラデルフィア児童専門病院の小児腫瘍科医長オードリー・エバンズ女史に相談をもちかけました。 エバンズ女史が「大きな児童病院はみな、宿泊に困った人たちのホームを必要としている」と語ったのをきっかけに 少女の父親が所属していたフットボールチームの総支配人や仲間の選手達が エバンズ女史らと宿泊施設建設の運動を展開しました。それに対し、 地域のロナルド・マクドナルド(あの、ハンバーガーで有名なマクドナルドです)のオーナーらが基金募集運動に全面協力して マクドナルドハウス第1号が建設されました。
現在、マクドナルドハウスはアメリカを中心にカナダやヨーロッパなどの 計13カ国に約180カ所あり、「つらいときこそベストな環境を」という 共通した精神のもとで運営されています。
 利用料は1家族1泊5〜15ドルで、払えない人は自己申告すれば免除されます。 運営費と利用料との差額はダンスパーティーやゴルフ大会など、 主として地域のイベントを通じた寄付によってまかなわれています。 最低1人のハウス・マネージャーが有給で常駐し、個室の清掃の確認(清掃は宿泊した家族の義務)や、 受付などには200人を越える登録ボランティアが4時間ごとにシフトをくんで働いています。 他には共有部分の清掃をするパートタイマーのスタッフがいます。 設立方法はマニュアル化されており、 前提条件は@宿泊施設が必要な病院の医療スタッフがアドバイザーとなる A病気の子どもの親を含むボランティア組織の協力がある B地域のマクドナルド社が協力する、の3点です。
ちなみに、ロナルド・マクドナルドというのは、あのマクドナルドのピエロのキャラクターの名前で、 彼はアメリカではサンタクロースくらい有名で人気者なんだそうです(^^)。
ちょうど、エバンズ女史がいた病院の新しい建物の1階にマクドナルドの店舗ができたという縁もあり、 フットボールチームのマネージャーをしていたジム・マリー氏が広告代理店の友達とともに、交渉。 施設名を「ロナルド・マクドナルド・ハウス」にすることを条件に、そのうえ、 新発売のミルクセーキの売り上げの全額を寄付してもらう話までまとめたとか。

ホスピタル・ホスピタリティ・ハウス

ファミリーハウスやマクドナルドハウスのように、病院の近くにある非営利の宿泊施設をまとめて「ホスピタル・ホスピタリティ・(ゲスト・)ハウス」と呼びます(略称ホスピタリティ・ハウス)。 マクドナルド・ハウスは「病気の子どもの家族」が対象ですが、他にも「病気の大人の家族」も対象のところ(アメリカでいうファミリーハウスがそうです)、癌の患者対象のところ、誰でも利用できるところ、といろいろあります。
1986年、インディアナ州にNAHHH(National Assosiation of Hospital Hospitality Houses.Inc.)というホスピタリティハウスネットワークができました。 会員ハウスの代表が交代で理事を務め、全米どこからでも電話をかければ(通話代無料)、患者さんや家族の方が泊まれるハウスを紹介しています。 また、新しいハウス設立のお手伝い、情報交換、年1回の勉強会なども行っています。
NAHHHの資料によると、ホスピタリティ・ハウスの第一号は最初のマクドナルド・ハウスよりも2年早い72年に設立されているそうです。設立者は小児ガンで子どもを亡くした両親で、 他の家族の苦労を思いやり、子どもと家族が泊まれる6室のハウスを提供したそうです。
NHAAAのリストに載っているハウスは個人住宅の1室を一時的に提供しているところ、 ホテルの部屋をディスカウント料金で貸しているところ、病院施設の一部を提供しているところなど、さまざまです。


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