ホスピタル・ホスピタリティ・ハウスの必要性

小児ガン、心臓病などの難病の治療は近年急速に進歩しています。が、 その高度先進医療を提供できる病院はまだまだ数少なく、難病児とその家族は 遠隔地から入通院せざるをえませんし、入院が2年にも及ぶこともあります。
そのため、難病児とその家族には宿泊施設が必要となります。
これまでは病院の床に寝泊まりしたり、付き添いが認められない場合には (このような専門病院のほとんどが基準看護体制を採用しているため、 原則として家族の付き添いは認められません)病院の近くのホテルを転々としたり 安い家賃の物件を探して奔走する、というのが現状でした。
しかし、それには問題点がたくさんあります。

@経済的問題

医療費だけでも高額なのに、そのうえ宿泊代、家具等の生活必需品の費用、 病院までの交通費がかかる。子どもと一緒に来るために仕事を辞めてくる親もいる。

A精神的問題

家族が病気であるつらさ、病気に対する不安、病院に対する不安。知り合いが 一人もいない土地で病気と闘わなければならない孤独感、寂しさ。

B食事の問題

子どもは病院食を好まない。親にしても病院食が口に合うとは限らない。 しかし、食事を作れる場所はない。結果、病院の売店等でインスタント食品を 買って食べざるをえないと言う現状がある。

C親の居場所の問題

ホテルは午前中でチェックアウトしなければならない。付き添いが認められない病院では その時間から面会時間まで親には居場所がない。付き添いが認められていても、看病疲れを いやす場所、一人きりになってホッとできる場所は確保されない。

D難病児のきょうだいの問題

病室にも入れず、行くところもなく、親にかまってもらえないストレスもたまる。 ストレスから周りの子どもに対して暴力的になる子どももいる。転校しなければ、 教育を受ける権利も保障されない。これを子どもが育つ環境と呼べるのか。

このように、確かに日本は高度な医療技術を提供していますが、医療の周辺にある社会的な問題を 見落としていると思います。この状況を少しでも改善しようと、日本でもボランティアの協力を得て、 ホスピタル・ホスピタリティ・ハウスを作る動きがあります。(1999年掲載)


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