(LOOKING FOR RACHEL WALLACE)       November 9, 2005
   

ストーリー
 脅迫を受けている女性作家、レイチェル・ウォレスのボディガードを出版者から依頼される。レズビアンでフェミニスト(男女同権主義者)のレイチェルは彼のマッチョ的な行動が気に入らず、スペンサーをくびにする。その後、レイチェルは誘拐される。


初登場する、シリーズ中の重要人物
 レイチェル・ウォレス(Rachel Wallace)・・・作家『残酷な土地(第8作)』『キャッツキルの鷲(第12作)』『突然の災禍(第25作)』にも登場する。
 キャラハン(Callahan)・・・リッツ・ホテルの警備担当アシスタント・マネージャー『告別(第11作)』『晩秋(第18作)』にも登場する。
 ウェイン・コズグロウブ(Wayne Cosgrove)・・・ボストン・グローブ紙の記者『拡がる環(第10作)』『ペーパー・ドール(第20作)』にも登場する。


レイチェル・ウォレスを捜せ・メモ

 シリーズ6作目、ホークは会話の中にしか登場しない。

 Spenser's the name, cooking's the game.「名前はスペンサー、料理が俺の専門」

 「俺は歯の妖精(tooth fairy)だよ。歯をゆるゆるにするんだ。」
   "Who are you?" he said.
   "I'm the tooth fairy," I said.
   "The what?"
   "The tooth fairy," I said. "I loosen teeth."
お前は誰だと聞かれて、スペンサーはこう答えている。tooth fairy というのは、子供が寝ている間に、抜けた乳歯の代わりにお金を枕の下に置いていくという妖精のこと。

 身分証明書の写真を見せながら、
「そっちからの写りは良くないんだ。」
「正面から写ってるよ。」
「そう。」
   "Nice picture," he said.
   "Well, that's my bad side," I said.
   "It's full face," he said.
   "Yeah," I said.

 元軍人のスペンサーは朝鮮戦争に参加している。『儀式(第9作)』によれば、期間はほぼ2年間。

 元ボクサーのスペンサーは、ボクサーとしては good じゃなかったからやめたのかと聞かれ、good だったが、great じゃなかったんだと答えている。
この good と great の違いは、22作目の『虚空(Chapter 1)』においても言及されている。ヘンリー・スィモリがウィリー・ペップとの試合で2度ともノックアウトされていることについて、
   It was a lesson in the difference between good and great.

 4作目『約束の地』までの依頼料は1日100ドル+経費だったのに、5作目『ユダの山羊』で高額の報酬をもらったせいか、6作目の『レイチェル・ウォレスを捜せ』では1日200ドル+経費になった。

 ボディーガードを引き受けるにあたって、スペンサーが言う。「相手が彼女を傷つけようとするのをより困難なものにはできるし、その相手に与えるダメージを大きくすることはできるが、100%の安全は保証できない。」

 レイチェルから、危険があったらどっちを先に助けるのと聞かれ、スペンサーの答えは、「スーザンが先。」

 『ユダの山羊(Chapter 6)』に出てきた、
You can't plan on the enemy's intentions. You have to plan on what he can do, not what he might.
は、ペンタゴン(国防総省)で話に出てくるらしい。
"But like they say at the Pentagon, you have to plan for the enemy's capacity, nor his intentions."(Chapter 6)

 ボディーガードとしてレイチェルがして欲しかったことをせずに、自分がボディーガードとして取るべきと考えた行動を取り、それが原因で解雇され、その時点で契約は終了したこととなる。その後、誘拐されたレイチェルを捜し、救出することには、依頼者はいない。つまり、報酬はなし。依頼されたことをしなかったり、依頼されてないことをしたりという、スペンサーの行動基準はここでも発揮される。

 スペンサーはレイチェルを救出し、2人で泣いた。この時、レイチェルに歩み寄ってスペンサーが言ったセリフが、
"Okay, Jane Eyre, I got you."
C・ブロンテの書いた小説の主人公、ジェイン・エアも"お仕置き"として2階の"赤い部屋"にかぎを掛けて閉じ込められた(第1章)。

 スペンサーの考えるボストンのタフガイ、ベストスリー:クワーク、ホーク、スペンサー
特にクワークについては、
   "So I hear. I hear he's as tough as there is in this town."
   "Top three," I said.
   "Who else?"
   "Guy named Hawk," I said. "He ever shows up in your hotel, don't try to take him with a roll of dimes."
   "Who's the third?"
   I smiled at him and ducked my head.(Chapter 10)
笑う未亡人(第29作)』でも、
   Quirk was a big strong healthy-looking guy, one of the two or three toughest people I'd ever met. He was also one of the most orderly.(Chapter 2)

  ベルスン(現在の地位はSergeant )は1973年に Lieutenant に昇進するための最初の試験を受けた。

 スペンサーの乗ってる車は『ゴッドウルフの行方』以来ずっと、1968年製の赤のシボレー・コンバーチブル、スーザンはノバからMGに変えた。『初秋(第7作)』によると、えび茶色( maroon )のMGB、スペンサーが『ユダの山羊(前作)』の報酬で買ってあげた。スペンサーいわく、スーザンはシボレータイプじゃなく、スポーツカー、らしい。

 ワイン、シャンペインは飲むがビール好きのスペンサー、アルコールの強い酒は好まない。今回家で飲むのビールはカナダの Molson Ale だし、途中で購入したのがドイツの Beck's、どちらもボトル。

 Molson のボトルを掲げながら、バスルームにいるスーザンに向かって、"Here's looking at you, kid."