Music Graffiti ―― Herstory & History
ミュージック・グラフィティ●極私的推薦音楽投稿コーナー
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音楽作品や音楽体験(CD/レコード/DVD/VIDEO/映画/LIVE/書籍など)についてのレビュー、紹介・推薦文、エッセイ、思い出話などなどなんでも投稿してください。音楽ジャンルも文章のスタイルも問いません。好きな音楽、感動した音楽、お薦めの音楽に関わることをなんでも自由に語る落書きコーナーです。 原稿はトップページ最下部記載の「管理人宛メール」まで送ってください(通常のメール本文で大丈夫です)。 もしかすると管理人から問い合わせることがあるかもしれませんので、返信可能なメールアドレスからの投稿をお願いします。 ●必須項目=作品名(タイトル)/アーティスト名/本文(文字量自由)/投稿者名(ペンネームorハンドルネーム可) ●文章のタイトルも自由につけてください(なければこちらで適当につけます)。 ●複数の作品をひとつの文章で取り上げるのもOKです。 気軽に書いてどしどしお寄せください。お待ちしています! ■目次 (タイトルをクリックするとジャンプします) |
| No.001 二ューオーリンズ・ベネフィット・アルバム3枚 No.002 Life / 綾戸智絵 No.003 ナッシュビル・スカイライン / ボブ・ディラン No.004 ガッタ・サーヴ・サムバディ / V.A. No.005 ペット・サウンズ / ビーチ・ボーイズ No.006 淡野保昌ゴスペル推薦盤 Vol.1 No.007 今年の夏バテ予防ミュージック! |
| ■EDITOR'S PICKS (back number) 過去の「気になるニューリリース!」 |
| Do You Know What It Means to Miss New Orleans? ![]() 《洋書》 ハリケーン被災者たちの生々しい証言集。ネーギン市長のラジオ・インタビューから、ライターやアーティストなどたくさんの人々の語り――悲しみと怒りと希望が詰まった1冊。被災直後のMikiさんもインタビューに答えている。 ●ハードカバー・156ページ ●Chin Music Press刊 ●2006年4月発行 http://www.chinmusicpress.com/books/doyouknow/ |
ウィ・シャル・オーヴァーカム :ザ・シーガー・セッションズ (DVD付) ブルース・スプリングスティーン ![]() 《CD》 ピート・シーガーに関連したフォークの伝統的な歌をくつろいだ雰囲気で歌う。ほぼ一発録り、ヘッドアレンジのセッション風景をボーナスDVDに収録。表題曲のほか「O Mary Don't You Weep」「Jacob's Ladder」「Eyes On The Prize」などスピリチュアル由来の歌も。歌詞と歌い継がれてきた歴史背景の奥の深さと、「ロックし、スイングし、ロールする」ルーツ・ミュージックのサウンドの楽しさが魅力。 ●2006年5月25日発売 http://www.brucespringsteen.net/site.html |
ALL HANDS TOGETHER 中島美嘉 ![]() 《CD Maxi Single》 がんばれ!ニューオーリンズ!!――ニューオーリンズへの熱いメッセージが込められたチャリティー・ソング(売上げの一部をニューオーリンズ復興支援のために寄付)。アラン・トゥーサン、シリル・ネヴィル、メンフィス・ホーンズ、メンフィス・グレーター・イマニ教会のゴスペル・クワイアなど錚々たる面子が参加したゴージャスなサウンド。インナースリーブには被災地に立つ中島美嘉の写真、直筆メッセージも収められている。 ●2006年6月7日発売 http://www.mikanakashima.com/ |
| ザ・リヴァー・イン・リヴァース (初回生産限定盤)(DVD付) エルヴィス・コステロ アラン・トゥーサン 《CD》 トゥーサンの代表曲、2人の新曲、共作に取り組んだ入魂のコラボレーション。コステロの熱さとトゥーサンの温かさが絶妙に混じり合う。初回限定盤封入のDVDにはドキュメント映像を収録(日本語字幕付)。レコーディング風景やニューオーリンズへの旅、ふたりのインタビューに目は釘付けの30分。アルバムの意図や背景が明確にわかる。必見! ●2006年5月27日初回限定盤/6月2日通常盤発売 解説と試聴→ユニバーサルミュージック |
ナショナルジオグラフィック日本版 2006年8月号 ![]() 《雑誌》 特集:まだ癒えぬハリケーンの傷跡/ハリケーンの最新科学 など ●日経BP出版センター ●980円 ●7/29発売 http://nng.nikkeibp.co.jp/nng/features.shtml |
What's Goin' On The Dirty Dozen Brass Band 《CD》 これは強力! ニューオーリンズのブラス・バンドを代表するダーティー・ダズン・ブラス・バンドが、マーヴィン・ゲイの超名作アルバム「What's Going On」を1枚丸ごとカバーした。ゲスト・ボーカルも豪華。amazonではこのファンキーでゴリゴリと迫ってくるサウンドを試聴できるのでぜひ! 売り上げの一部をニューオーリンズ救済団体Tipitina's Foundationに寄付するチャリティー盤。日本盤の解説は充実しているらしい…。 ●2006年8月29日発売(US)/10月14日日本盤発売 ●bounce.comの紹介文 |
| bounce book New Orleans― THE MUSIC&LIVING LARGE ![]() 《和書》 タワーレコードbounce book第4弾のニューオーリンズ音楽ガイドブック。インタビュー6本+コラム16本+ディスクレビュー100枚超! ニューオーリンズへの愛情がたっぷりで、絶対お薦めの1冊! ●四六判・192ページ ●価格1365円 (収益の一部を「カトリーナの基金」に寄付) ●発行:TOKYO FM出版 ●2006年8月25日発行 ●タワーレコードの本書紹介ページ |
New Orleans Christmas / V.A.![]() 《CD》 ニューオーリンズのクリスマスアルバム。リンク先のAmazonで試聴可能なのでぜひ! このアルバムの収益は、“The New Orleans Area Habitat for Humanity in Support of the Musicians' Village Project”に寄付され、避難生活を送るニューオーリンズのミュージシャンのための300戸の新築住宅とミュージック・センター建築に役立てられるそうです。 ●2006年10月3日発売 |
ソウル・クラシックを歌う アーロン・ネヴィル ![]() 《CD》 ニューオーリンズの至宝、アーロン・ネヴィルによるソウル・クラシックスのカバー・アルバム。オーティス・レディング、サム・クック、マーヴィン・ゲイ、アル・グリーン、ステイプル・シンガーズ、カーティス・メーフィールドらの名曲を取り上げている。カトリーナで家や友人を失ったアーロンにとって、こうした曲を歌うのは、深く特別な体験だったという。1曲目の「レイニー・ナイト・イン・ジョージア」からしてたまらない。深く心にしみる。原題は『Bring It on Home... The Soul Classic』。現時点では輸入盤より日本盤の方が安く、収録曲も2曲多い! ●2006年10月25日発売 |
| まだ夢の続き 小坂忠 ![]() 《和書》 「日本のゴスペル、R&Bの祖」として幅広い層からリスペクトを集める小坂忠師、初の自伝的エッセイ! エイプリルフールや日本初のロックミュージカル「ヘアー」など伝説的ロック時代から、クリスチャン、さらに牧師として世界を旅した道のり、25年ぶりのメジャーシーンへのミュージシャンとしての復帰などが綴られる。 ●内容:第1章:60-70年代/第2章:ゴスペルミュージック・イン・ジャパン/第3章:牧師の日常、世界での働き/第4章:再会、そして家族/特別対談:細野晴臣×小坂 忠 ●発行:河出書房新社 ●価格 \1,785 ●2006年12月1日発行 ●小坂忠公式HP(本書刊行にあたってのスペシャルメッセージあり) |
Sincerely yours Sound Of Joy ![]() 《CD》 副題は、「A Cappella Spirituals, Gospel and Love Songs 」。淡野保昌氏をリーダーとする8名のア・カペラ・コーラス・グループSound Of Joy待望の3rdアルバム。ニューオーリンズととくに関わりの深い曲としては「Yes We Can Can」と「What A Wonderful World」が収められている。●2006.11.19リリース ●\3,150(税込) ●Sound Of Joyの公式サイト |
Oh, My Nola Jr. Harry Connick 《CD》 NOLAっ子(といっても1967年生まれだから、もういい歳だが)、ハリー・コニック・ジュニアのニューアルバム。ハリーといえば、映画『メンフィス・ベル』での鮮烈なパフォーマンスを覚えている人も多いはず。この新作ではニューオーリンズの名曲をたっぷり取り上げた。リー・ドーシー、アラン・トゥーサン、クリス・ケナー、ルイ・アームストロング、ドクター・ジョン、W.C.ハンディ、マヘリア・ジャクソン…。「Yes We Can」も歌っている。NOLAへの愛が込められたオリジナル曲も収録。リンク先のアマゾンで試聴可。日本盤は3月21日発売。 ●2007年1月30日リリース |
| ロックを生んだアメリカ南部―ルーツ・ミュージックの文化的背景 ジェームス・M.バーダマン 村田 薫 NHKブックス1071 《和書》 「絶望的な環境を、愛に満ちた音楽創造のエネルギーに変え、今なお強烈な磁場をもつ南部音楽の原点に迫る異色の文化論。」と紹介されている。ブルース、ジャズ、ゴスペル、カントリーミュージックはどのように互いに影響し合いながら育っていったのか、圧倒的な事実をわかりやすく積み重ね、鋭い知見で鮮やかに解き明かされていくアメリカ音楽の最深部。どこから読んでもぐいぐい引き込まれてもう止まらない。強力におススメしたい1冊! ●発行:日本放送出版協会 ●価格:\1,176 ●2006年11月30日発行 |
音遊人 (みゅーじん) 2007年 06月号 ![]() 《雑誌》 特集 ニューオーリンズに愛を込めて 現地取材を含む23ページのニューオーリンズ特集。2007年春のニューオーリンズが鮮やかに描かれています。NRPも1ページ紹介いただきました。 ●発行:ヤマハ株式会社 ●発売:創英社 ●2007年4月27日発売 ●580円(税込) |
ネヴァー・ターン・バック メイヴィス・ステイプルズ ![]() 《CD》 メイヴィス・ステイプルズの新作。1950〜60年代の公民権運動で歌われ続けたトラディショナルナンバーを中心に新曲も収録。しかし懐古的ではなく、当時の歌に託した希望を今の時代に再び問いかける意欲的なアルバムだ。社会的でスピリチュアルでパワフル、ずっしり重いけれど、この訴えかける力はただものではない。Track 08では、ワシントン大行進とカトリーナで被災したニューオーリンズが歌われる(これは同じ問題なのだ)。プロデューサーはライ・クーダー。amazonの輸入盤ページでは試聴可。日本盤にはブックレット対訳および歌詞対訳あり。 ●2007年8月22日発売 |
| Goin' Home: A Tribute to Fats Domino Various Artists ![]() 《CD》 メイヴィス・ステイプルズの新作。1950〜60年代の公民権運動で歌われ続けたトラディショナルナンバーを中心に新曲も収録。しかし懐古的ではなく、当時の歌に託した希望を今の時代に再び問いかける意欲的なアルバムファッツ・ドミノといえば、泣く子も踊りだすニューオーリンズR&Bの重鎮にしてロックンロール・オリジネイターのひとり。この2枚組アルバムはそんなファッツ・ドミノに捧げるトリビュート・チャリティ・アルバムだ。全30曲の参加アーティストがまずは豪華きわまりない!(BBSで紹介しています) なお、このCDの収益はTipitiana’s Foundationに寄付される予定。同財団は、ニューオーリンズの音楽文化の保護やLower 9th Ward地区のカルチャーセンターの建設などを目的としている。 ●2007年9月25日発売 |
| No.001 ニューオーリンズ・ベネフィット・アルバム3枚――ニューオーリンズ音楽の豊かさを再認識 posted by Keita (2006/01/31) |
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まずはニューオーリンズ・ベネフィット・アルバム(収益金がハリケーン被害者救済のために寄付される)を3枚、ざっくりと取り急ぎ紹介しておきたい。 最初の1枚は、アラン・トゥーサン、ドクター・ジョンなどニューオーリンズゆかりのミュージシャンたちによるスタジオ録音盤。なぜかamazonでの表記は「アワ・ニュー・オリンズ」、実際の日本盤CDには「アワ・ニューオーリンズ」と記されている。あえてジャンルでいえばファンク、ジャズ、ブルース、ザイデコなど非常にバラエティ豊かな曲が収められているが、そこにはニューオーリンズのビートとでもいうようなものが一貫して流れているとしかいいようがない。この楽しさと悲しさが微妙に織りなす深い世界、トラディショナルナンバーの新鮮な解釈、ひとつひとつの音とその隙間に込められた参加ミュージシャンの思いの強さなど、全編に聴きどころ満載だ。Track 13はニューオーリンズで淡野組が『花』を教えた(?)チャーリー・ミラー(思わぬところでの再会だった)。ラストのランディ・ニューマン「ルイジアナ1927」は、悲しくも背筋が凍る美しい名曲(1927年のミシシッピ大洪水の惨事を歌った作品)。日本盤に歌詞の原詞・対訳が収められていないことが残念だが、解説の日本語訳は封入されている。この解説も一読の価値あり。 2枚目の「ハイヤー・グラウンド」は、昨年9月17日に行われたチャリティ・コンサートの一部を収録したライブ盤(コンサートは5時間以上に及び、総額200万ドル=約2億3000万円以上の義援金が集まったという)。コンサート呼びかけの中心となったのは、トランペッターのウィントン・マルサリスだ。このCDでは、冒頭からシャーリー・シーザー(あの「スウィーピング・スルー・ザ・シティ」の)がド迫力のゴスペルを聴かせてくれる。ほかにはアーロン&アート・ネヴィル、ノラ・ジョーンズ、カサンドラ・ウイルソン、テレンス・ブランチャード、ポール・サイモン、ジェームス・テイラーなどが参加。彼らのニューオーリンズに対する愛情、そしてニューオーリンズから広がっている音楽の豊かさが伝わってくる。 最後の1枚「Sippiana Hericane」はドクター・ジョン(アンド・ザ・ロウワー911)の6曲(+reprise)入りミニアルバム。彼のピアノとオルガンを中心としたハリケーン組曲4曲は、嵐の警告(Storm Warning)から災害直後(Aftermath)まで、不吉で不穏な響きが見え隠れするインストゥルメンタルナンバーだ。しかし、あの転がるようなピアノはやはりドクター・ジョン。Track 6の「Sweet Home New Orleans」のボーカルは泣ける。ドクター・ジョンを好きな人に勧めたい。 |
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※上の画像またはタイトルをクリックすると amazonの商品ページにジャンプします。 もちろんジャンプしただけでは購入となりませんので、 安心してクリックしてください。 いちばん下(4枚目)は輸入盤(US)です。 このジャンプ先ページでは、 収録曲のさわりが試聴できます。 |
| No.002 Life / 綾戸智絵――日本人離れした歌いっぷり。いろんな意味で勇気を与えてくれたアルバム posted by みほ (2006/02/08) |
「AMAZING GRACE」も「TENNESSE WALTZ」も「LET IT BE」もはたまたSMAPの「YOZORA NO MUKOU」でさえ、綾戸(ファンのひとりとしてあえてこう呼ばせてもらいます)にかかると「おや、これは綾戸のオリジナルかいな?」と思ってしまうくらいに彼女の歌になっている。 Track 5の「YOU'VE GOT A FRIEND」では自ら指導していたクワイアーが彼女のソロを盛り上げていく。もともとキャロル・キングの歌うこの曲が好きだった私は試聴しながら不覚にも涙を流しそうになった(笑)。 彼女の生き様がさまざまなメディアで取り上げられ、またその歌とトークとのギャップに違和感を持ち、そのあたりが好き嫌いの分かれるアーティストかもしれないが私はあの小さな身体から溢れるエネルギーにいつも元気をもらっている。 40歳にしてメジャーデビューを果たしたというのがこのアルバムを手にした8年前、私にいろんな意味で勇気を与えてくれた(既にその歳は過ぎてしまったのだけど…笑)。 |
| No.003 ナッシュビル・スカイライン / ボブ・ディラン――27分間の衝撃 posted by HIRO TANAKA (2006/02/18) |
1961年、ミネソタの小さな町からギター1本とハーモニカを持った19才の不出来学生が風に吹かれてワシントン・スクエアへ足を踏み入れた時からニューヨークのフォーク・シーンが変わる。 1962年の初アルバム『BOB DYLAN』に続いて1963年の『FREEWHEELIN' BOB DYLAN』(東京オリンピックが1964年)。トレードマークの嗄れ声が歌う「BLOWIN' IN THE WIND」は世界中の注目を浴び、「WE SHALL OVERCOME」と並んで反戦・公民権運動のアンセム的な歌となる。 その2年後、フォークに対する反逆とまでコキ下ろされたディランの変貌は確かに大きな驚きだったが、時代は変わるし彼も変わる。"新しい"ディランは魅力的だった。その後も彼(歌)は変わり続ける。転がり続ける石のように。 1968年はアメリカにとって激動の年だった。 泥沼状況のベトナム戦争、高まる国民の厭戦ムード、そしてマーチン・ルーサー・キング師とロバート・ケネディー司法長官の暗殺が相次ぐ。 その3年ほど前から沈黙していたディランが久々に新作『NASHVILLE SKYLINE』を引っ提げて戻って来た。思えばこの先生にはいつも驚かされっ放しだった。憶測や期待が引っくり返されるから慌て、失望し、裏切られたなどと思う。ミーハーなファン心理は身勝手なものだ。偶像イメージを勝手に作り上げて崇拝する。振り返ればぼくも救い難いそのひとり。 『NASHVILLE SKYLINE』から受けた衝撃のひとつ。聞き慣れたあの嗄れ声がない。別人かと一瞬思ったくらいのソフトでスムース、そして優しい声なのだ。「Tell Me That Isn't True」「Lay, Lady Lay」「Tonight I'll Be Staying with You」を何回も聴き返すから先の曲に進まない。メモを読むとバレンタイン・デー週間に録音していることがわかる。思い入れの女へのひたすらな感情が溢れている。ジャケット写真を見直す。いい顔をしている。今日まで50枚以上もあるアルバムのどのジャケットにもこんな柔和な微笑みは見られない。「ひとつ振り切ったのだな」などと勝手な解釈をする。
詩人ディラン(ディラン・トーマスにあらず)の40年にわたる足跡を辿ることに興味を持たれる読者へ薦めたい一冊が、『ボブ・ディラン全詩集 1962-2001』(訳詩:中川五郎)。 蛇足:当ウェブサイトAbout Usページの編集スタッフ・フォトを見て気付かれた読者はディラン通。管理人の写真と『NASHVILLE SKYLINE』のジャケット写真を見比べてみよう。 |
| No.004 ガッタ・サーヴ・サムバディ / V.A.――ディランつながりのゴスペル posted by Keita (2006/02/21) |
で、なぜ、ボブ・ディランがゴスペル・ソングなのかというと、1979年から81年にかけてディランはボーン・アゲイン・クリスチャンとしてキリスト教に入信し、俗に「キリスト教3部作」といわれる3枚のアルバムを発表しているのです。サウンド的にはゴスペルのフィーリングを取り入れたハードなロック色が強いもので、歌詞はもうコテコテのゴスペルでした。 このディランの行動は一大センセーションを巻き起こします。ライブツアー(「福音伝道ツアー」と呼ばれました)ではこの時期のアルバム以外の曲を取り上げず、ゴスペル・コーラスを起用し、ステージから説教まで始める始末。もちろんディラン本人は心底本気でしたが、多くのロック・ファンは大ブーイングを浴びせ(またしても!)、あのジョン・レノンも失望を込めたアンサー・ソングを作ったくらい(『JOHN LENNON ANTHOLOGY』に収録された「SERVE YOURSELF」)。当時、好意的な評価はほとんどありませんでした。 その後、ディランはユダヤ教に改宗したとする噂が流れ(真偽は不明)、表面的には信仰に直接根ざしたアルバム作りやライブパフォーマンスから離れていきます。ファンの大多数はほっと胸をなで下ろしました。 しかし、それから時を経て、2000年前後からでしょうか、「ゴスペル時代のディラン再評価」の気運が高まってきます(へなちょこディラン・マニアを自称する私も、実はこの時期のディランは辛いな〜と長年感じていたのですが、最近、悔い改めました)。2003年にリリースされたこのアルバムも、そんな時代を超えた再評価の上で生まれたものでしょう。これだけのゴスペル・アーティストたちから、こんな熱気あふれるパフォーマンスを引き出す――ディランのゴスペル・ソングの生命力にはまったく並はずれたものを感じます。
「TRAILER」をクリックすると、アルバムのレコーディングシーンなどが見られます。最後の方にシカゴ・マス・クワイアも映っています。冒頭でしゃべっているのは評論家のポール・ウイリアムズ。きっと何か鋭いことを言っているのでしょうが、私にはよくわからないのが残念です。 このDVDも日本盤が発売されるのかどうかは現時点で不明。しびれを切らして、つい先ほどamazonでUS盤をクリックしてしまいました。しかし、リージョン1なので通常の日本のDVDプレーヤーでは再生できません。さて、どうしたものかと思案中です。 付記:…なーんて考えていたところ、本日22日にamazonから到着。これがなんとリージョンフリーでした。つまり、日本の普通のDVDプレーヤーで再生可。もちろん、さっそく見ました。最初はちょっとキツイかなと思いましたが、結論としてはかなりオススメです。 基本的に本編は「ディランのゴスペル」にスポットをあてています。各ゴスペル・アーティストのレコーディング・パフォーマンスの映像に、さまざまなインタビューなどが挟み込まれています。登場アーティストもディランのゴスペル・ソングについて、それからゴスペルそのものについて、いろいろ語っています(たぶん、なんとなくそんな感じです。日本語字幕がないのはもちろんですが、英語字幕もありません)。 最初は、かなりインタビューが多く、レコーディングでのパフォーマンスも途中で分断されるので(ややドキュメンタリーっぽい構成)、これはちょっと辛いかなと思っていました。ところが、メニューから「with option」モードを選択すると、レコーディング部分を各曲フルで見られることに気付きました。さらに、ボーナストラックには各曲のレコーディング・パフォーマンスが独立してフル収録されているので、まったくインタビュー抜きで各曲を連続して見ることもできるのです。 これなら、安心してお薦めできます。最初の1回は普通に見ないと、シカゴ・マス・クワイアの練習風景やレコーディング前の円陣を組んでのお祈り風景などを見逃しますが、2回目(以降)はボーナス・トラックを通して見れば充分でしょう。というか、よほどのディラン・ファンでなければ、こちらをメインと考えるのが正解かと思います。そう、ディランのことをまったく抜きに、ゴスペルのスタジオ・レコーディングを収録したDVDとしても素晴らしい作品として成立している、と私は感じました。 とにかく、各アーティストのレコーディング・パフォーマンスがすごい。カメラもアーティストの細かな表情をよくとらえています。公式サイトの「TRAILER」の最後にもちょっと出てきますが、ランス・アレンのボーカルは圧巻。シカゴ・マス・クワイアも鳥肌モノです(あ、シカゴで会った!という顔がいくつかありました)。 |
| No.005 ペット・サウンズ / ビーチ・ボーイズ――あのポール・マッカートニーも絶賛のPET SOUNDS posted by ほり〜 (2006/02/21) |
そんな疑問を感じつつも、ある日CD屋さんでなんとなく買ってみたこのアルバム。第一印象は…「く、暗い」。1度聴いたあとは、そのまましばらくほったらかしでした。しかし、2度目、3度目と聴きこむうちに…「おおっ?」「おおおっ!」と惹かれてゆき、気がつけばビーチ・ボーイズの世界にどっぷりハマッておりました。 「ペット・サウンズ」というアルバムは、それまでの能天気路線とは正反対の、内向的な内容。いったい、どうしちゃったの!? という感じですが、実はグループの中心人物のブライアン・ウィルソンはもともと非常にシャイで、内向的な人だったのでした。なんと「ビーチ・ボーイズ」という能天気なグループ名も他人が勝手につけてしまったもの。60年代にサーフィンの歌を歌って大ヒットを飛ばしたものの、実際にサーフィンができるメンバーはたった1人だけ。ブライアン・ウィルソンはこのペット・サウンズを発表した後、精神状態が不安定になり、2年間自分のベッドから出ないという究極の引きこもり生活に入ってしまう始末。 しかし、ヒットを狙うために作られたグループのイメージや、薄っぺらな青春賛歌の歌詞のベール越しに、ビーチ・ボーイズの音楽の本質が見えてくるようになると、その完成度の高さ、ハーモニーのすばらしさには本当に驚かされるばかり。(いや、初期のアルバムには“やっつけ仕事”的な曲も多々ありますが…笑) なんといっても、ビーチ・ボーイズのオリジナルメンバーは、1人をのぞいて兄弟と従兄弟。声の質が似ているので、そのハーモニーはゾクゾクするほど美しいのです。どのくらいすばらしいかというと、日ごろ神様の存在に少なからず疑問を持ってしまう私が、ビーチ・ボーイズを聞くと「ああ、やっぱり神様っているわ」という気分になるくらいです。いやホントに。(笑) そういう意味では、私にとって、どんなゴスペルよりも説得力のある音楽です。 …ということで、私のお勧めアルバムはこの「ペット・サウンズ」。あのポール・マッカートニーをして「このアルバムを聴かないかぎり、人は音楽的に教育されたとは言えないんじゃないかな」と言わせた(!)という、その筋(どの筋?)の人が声をそろえて絶賛する名作です。
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| No.006 淡野保昌ゴスペル推薦盤 Vol.1――ゴスペルの魅力をたっぷり味わえる9枚! posted by AWANO (2006/05/23) |
A Gift of Love 〜 a cappella Christmas 〜Sound of Joy ヤマハミュージックメディア JAN 49-47817-184287 ISBN 4-636-39859-9 C0073
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A Gift of Love 〜 a cappella Christmas 〜 Sound of Joy かなり気が早いけれど、クリスマス・アルバムの自薦です(残念ながらamazonでは買えません)。Track 1 の"The Lord's Prayer"は季節限定なし。詳しくはYAMAHA MUSIC MEDIAのこのページへ。 Wow Gospel 1998 : The Year's 30 Top Gospel Artists And Songs V.A. レーベルを超えてその年のゴスペル・ヒット曲を収録した大人気のコンピレーション盤『WOW GOSPEL』シリーズ。軒並み全米ゴスペルチャート初登場No.1、プラチナディスクを記録しています。本作には、"Holy Is the Lamb"(Yolanda Adams)、"Total Praise"(Richard Smallwood)などを収録。 Live...This Is Your House Brooklyn Tabernacle Choir ニューヨークを本拠地とするブルックリン・タバナクル・クワイアのライブ・アルバム。1980年代の前半に15人ほどのメンバーでスタートしたクワイアが、今では世界中で公演してグラミー賞を受賞するまでになりました。"This Is Your House"を収録。 New Orleans Gospel Tent V.A. かつてニューオーリンズの草の根教会で歌われていたようなクワイアのゴスペルを集めたコンピレーション盤です。"We Shall Overcome"のほか、"Oh Happy Day""Sweeping Through The City""There Is A Fountain""Amazing Grace"なども収録。 Live in Nashville Chicago Mass Choir 2004年の10月にシカゴに行って、このシカゴ・マス・クワイアと交流しました。そのとき、彼らが練習していたのがこのアルバムのオープニング・ナンバー"I Cannot Tell It All"だったのです。 The Rebirth of Kirk Franklin Kirk Franklin コンテンポラリー・ゴスペルを代表するアーティスト、カーク・フランクリン、2002年の傑作アルバムです。シャーリー・シーザーらのゲスト陣もすごい。"Hosanna""Brighter Day""My Life, My Love, My All""Always"などを収録。 Alive in South Africa Israel & New Breed ジャンルの枠にとらわれない新世代のゴスペル・サウンドを展開するイスラエル&ニュー・ブリードが南アフリカ、ケープタウンで収録した2枚組のライブ・アルバムです。"Friend of God"を収録。 Awesome Wonder The Kurt Carr Singers ゴスペル界を牽引するヒットメーカー、各種の音楽賞の常連であるとともに、TVや映画のサウンドトラックも手がけるなど、多方面で活躍するカート・カーの大ヒットアルバムです。"In the Sanctuary"を収録。 Oh Happy Day!: The Best of the Edwin Hawkins Singers 1968年にゴスペルとして初のてビルボードのトップ10入りをはたした"Oh Happy Day"のオリジネーター、エドウィン・ホーキンス・シンガーズのベスト盤です。もちろん"Oh Happy Day"も収録。ほかに"Jesus, Lover of My Soul"も。 |
| No.007 今年の夏バテ予防ミュージック!――熱気充満ファンクから不思議なチャンキー・ミュージックまでの1日 posted by Keita (2006/08/07) |
まず炎天ギラギラの日盛りには、先日のNHK-ETV特集「楽都はふたたび歌う〜ニューオーリンズ・不屈のミュージシャンたち〜」でクローズアップされていた山岸潤史のギタープレイに惚れ込んで入手した1枚、Papa Grows Funkの『Live At The Leaf』。 これは2005年4月にニューオーリンズの名門クラブ「メイプル・リーフ・バー」で収録されたライブアルバムです。よく跳ねて動くベースと絶え間なく左chで切れ味鋭いリズムを刻み続けるギターがグイグイ引っ張っていくファンクビート。もはや身体が揺れはじめるのを抑えることはできません。サックスのフレージングはところどころ80年代初め頃のフュージョンを思わせる懐かしい匂いもありながら(そこがポップさを感じさせる大きな要素でしょう)、全体的にはジャムバンド的なインプロヴィゼーションの白熱した絡み合いがやはりライブ、ファンクという感じ。やっぱり山岸潤史のギターはリズムカッティング、リードともに凄い! ボリュームを上げてこのエネルギーに身を任せていると、気持ちよーく発汗してきます。 やがて陽が傾きかける頃、少しほっとしたい気分にピッタリなのがアラン・トゥーサンの『サザン・ナイツ』。
ちょっと不思議な世界に足を踏み入れたような気分になって夜を迎えたところで、『サザン・ナイツ』と同じ1975年と翌76年に日本で作られたとは信じがたい2枚のアルバムを。俗に「細野晴臣のトロピカル3部作」と呼ばれている3枚のアルバムのうちの2枚です。
なんてバカなことをうつらうつら思いつつ、素晴らしい音楽とともに熱帯夜が更けていきます。 |