関西占い物語/番外編

2003.5.25.UP 2008.9.1.更新 2009.1.4.更新

平成8年8月のある日、わては蝉時雨の中、有馬温泉へ続く峠を車で走ってましてん。
先の震災で事務所を失ったわてにとって、これから行く「向陽閣」ちゅう高級ホテルがわての本拠地になるちゅう運命を背負って…。

震災の事は思い出しと〜ないんだすが、震災で潰れはった商店街をいかに活気づけるかちゅうて、津軽三味線のライブなんかのイベントをしてはった「仕事仕掛人」ちゅう、わてが飛びつきと〜なるよ〜なおもろい名前のイベント会社をローカル機関紙から知りましてん。
早速、問い合わしてみますと、会員制だして、その会員になるには「ん10万円」が必要なんやそ〜だす。

エッ?
「『ん10万』?! 高いんと違ゃうか?!」ってだっか?

ヘヘヘ、何を言〜てまんねん。
「ん10万」の銭をポンと払いはるお人はんらが揃〜てはる場に、わてがお邪魔する絶好のチャンスでんがな〜!!
すぐに心を決めて、代表のN田はんちゅう女性に会いに行きましてん。

ほんだらいてはるわいてはるわ…。
この「仕事仕掛人」の会員はんや、N田はんの知り合いのお人はんに日本を動かしてはる大物はんらが…!!
ここからでんな〜、わてが超大物はんらと喋れるよ〜になれましたんは。
普通にしとったんでは喋れるどころか、側にも近寄れまへんさかいな〜。
ほんで会費ちゅう事で支払った「ん10万」の銭は、ホンの数週間で元を取りましてん。
「向陽閣」の仕事も「仕事仕掛人」から入って来た仕事だして、お盆の3日間の契約だしてん。

有馬に着いたわては「向陽閣」の圧倒される綺麗な玄関に目を奪われつつ、フロントで「占いの上林ですが…。」ちゅうて告げますと、M松はんちゅう女性がニコニコして出て来はりましてん。
これがわてにとって「向陽閣」で平成15年5月まで、わての鑑定の本拠地として使用してもエエちゅうて許可してくれはったお人はんとの、運命の出会いだしたんだす!!
M松はんに案内されてわてはエレベーターに乗りましたら、M松はんは「こうして『占い』のポスターを作っておきましたよ。」ちゅうてエレベーターに張られた占いのポスターを指差してくれはりましてん。
これはM松はんがMacで作りはったポスターだして、「エー! こんなんがコンピュータで作れまんのんか?!」ちゅうて驚いたとともに、「わてを歓迎してくれてはるんやな〜。」ちゅう勝手な想像をして嬉しゅ〜なってました。
これが後にわてがMacちゅうコンピュータを持つ切っ掛けになったんだす。

「向陽閣」のお客はんはお金持ちのお人はんがほとんどだして、1人の占いのお客はんが「コノ人もアノ人も。」ちゅうて、複数の鑑定のご依頼をしはるんが普通でんねん。
わても初めはびっくりしましてんけど、例えば7人わてが看まっしゃろ、ほんだら「1件4000円」だすんで28000円でんがな。
その大金を平気な顔で払いはるんだす。

よ〜いてはりまんがな、「占い? 4000円か。400円やったらしてもらうんやけど。」ちゅうて連れの御仁にヘタなジョークを(本気やったらナメてまっせ!!)言〜て通りはる年輩はんがいてはりまっけど、そのヘタなジョークは中高校生のジョークだして、お金も地位もあって当然の年代のモンの言わはるヘタなジョークやおまへん。

「向陽閣」のお客はんは、そないな御仁とは住んではる世界の違う人間はんでんねや。
そやから、お客はんの中に占いファンのお人が2〜3人いはったら、その日のわての商売が成立してしまうちゅう事でんねん。

案の定、初日の稼ぎがお盆のため「ヨダレの出るよ〜な」稼ぎだしたんで、その夜の食事の時にN田はんから「毎週土曜日もしない? M松さんはやってもイイって言われてるよ。」ちゅうて言われて、わてはそ〜させていただく事にしましてん。
ほんであくる年、平成9年5月から、次の事務所が見つかるまでと思い、ドあつかましくも「向陽閣」で毎日占いをさせていただく事にしましてん。

ま〜「ノラ犬」が勝手に「向陽閣」に住み着いたよ〜なモンでんな〜。
そやけど「向陽閣」はんは、その「ノラ犬」に犬小屋やエサを与えてくれはるんだす!!
ほんで担当のM松はんは、わての楯となり防波堤となって守ってくれはりますんや!
このM松はんちゅう女性はんは、決して甘いお人やおまへんのんだして、当時N田はんと合体してビジネスを展開してはったM栄はんちゅう女性はんの推薦がおましたから、わてを「向陽閣」に置いてもエエちゅうて許可してくれはったんだす。
わてが感じる(霊感と違ゃいまっせ!)ところでは、初めの内はあんましわてに信頼を持ってくれてはらへんかったと思いま。
それは当たり前でんな〜、「ノラ犬」でんねんから…。

そやけどわては長い時間をかけて、M松はんに信頼感を持ってもらいましてん。
ナンもゴマをすったんやおまへんで〜。
ゴマすりがヘタやさかいに自由業に徹してまんのんやおまへんか。
わての正味の行動でM松はんに信頼感を持ってもらいましたんだす。

ま〜「向陽閣」はホンに居心地のエエとこだして、他の従業員はんらも親切にしてくれはりますし、温泉もエエ、正月の酒も旨も〜て…、ついつい事務所探しをサボって、長ご〜長ご〜ご好意に甘えてしまう事になりましてん。

その間、色々な事が当然おました。
この「向陽閣」ちゅう高級ホテルには誰が来はるかわかりまへんねや〜。
政界をバックで動かしてはるご老人はん、松下電器の創始者の松下幸之助はんと親友で、現松下電器の社長はんに意見をしはる立場の財界のご老人はん、DVDの世界規格を設定しはった女社長はん…。
また、こんな事もおました…、吉本の間寛平はんのご子息を鑑定中、わてに寛平はんがツッコミを入れて来はりまんねん。
そこでわてがボケに回って応戦したりましたら、奥方はんとお嬢はんに大ウケしたちゅう事もおましたな〜。
漫才師「カウスボタン」のカウスはんの息子はんの彼女を鑑定した事もおましたな〜。
元阪神タイガースの田尾はんの息子はんとは知らず鑑定中、「元阪神タイガースの田尾はんに似てまんな〜。」ちゅうてわてが言〜て、タネを明かされて大笑いし合った事もおましたな〜。
他にも非凡な事がよ〜けおましたんやで〜。

ま〜、こ〜ゆ〜貴重な経験がでけたちゅう事も「向陽閣」はんのお蔭だす。
またわてが「向陽閣」で占〜てるちゅう事が、わての信頼性を高めたちゅう事も確かでんな〜。
そやからこそ、わてはノシ上がれたんやと思いま。

しかし「諸行無常」だして、「向陽閣」におれば平和でんねんけど、わてのハングリー精神が欠如して行くんが恐わ〜て、初心に戻り、事務所を再び持つ事を決心したんだす。
新事務所は平成15年4月初旬に見つかりましてんけど、なかなかそれをM松はんに言えまへんだしたんや。
当たり前でんがな〜、こんなわてみたいなモンに、よ〜してくれはりまんのに悪〜て悪〜て…。
「ノラ犬」が勝手に住み着いたちゅう事でんねんけど、「ノラ犬」やからこそ受けたその恩義には痛いほど感謝するちゅうモンだす。
「血統書付きの犬」やったら感謝どころか、当たり前やと思いまっしゃろ〜けど(決して当たり前の事での〜ても)…。
「向陽閣」とのお別れはつらおますんやが、背に腹は替えれまへんねん。

昔から「逢うは別れの始まり」ちゅうてまっけど、そないなドライな気分にはなれまへんだしたな〜。
親切にしてくれはったり、かぼ〜てくれはったり、長い時間をかけて信頼を築き合ったお人はんとの別れは…。
それが金輪際の別れでの〜てもだす。

平成15年5月17日土曜日23:45、長ご〜お世話になり申した「向陽閣」はんをアトにしましてん。
わてみたいなモンを長ご〜に置いてくれはって、ホンマありがとうはんだした。
この最後の日は、わてのメモリアルとしまっさかいな〜。

総合開運研究学会
上林岳承

運命鑑定/プロ養成占い教室
daikando@sd5.so-net.ne.jp


プロの四柱推命『関西占い物語』