red prysock

「CRYIN’MY HEART OUT」(SAXOPHONOGRAPH BP−502)
RED PRYSOCK

 レッド・プライソックは、超有名なジャズシンガーの兄を持っているが、本人もホンカーの世界ではめちゃめちゃ有名である。ホンカー系のアンソロジーではスター扱いである。タイニー・グライムズのロッキン・ハイランダーズで名をあげたテナーマンだが、このアルバムを聴けばわかるように、正直いってめちゃめちゃうまい。音も、ホンカーにありがちな、空虚な馬鹿でかい音をむりやり鳴らしている……という感じではなく、楽器がぶるぶる震動しているのがはっきりわかる。テクニックもものすごくあるし、フレーズも多彩かつ流暢で、そのうえここぞというときには血管ぶち切れの大ブロウを展開するが、それも、ホンカーにありがちな、前後の脈絡無く、突如熱くなる、というアホなやりかたではなく、ちゃんと順序を踏んで自然にクライマックスに持っていくので違和感がない。聴いていて、本人の感情の高まりにちゃんとリスナーがついていける、そういうソロの組み立て方ができる巧者である。しかも、そのスクリームの迫力は他を圧倒する。たいしたもんだ。ブローテナー、ホンカーとしては、これ以上は求めようがない。ムーディーな曲も達者に吹くし、おそらくジャズミュージシャンとしても一流の腕を持っているはずだ。このアルバムは、そんなプライソックの全貌がわかる最高の一枚。ブローテナーファンにとってはマストアイテムだろう。