hokkaido band

「VISIONS」(T−FRIENDS YGDS41)
THE HOKKAIDO BAND

何枚かアルバムの出ているこのバンドだが、発売された当時はあまりよい印象がなかった。というのは、これは完全に私サイドの問題なのだが、こういうストレートアヘッドで、どっちかというと朴訥というか「俺、不器用ですから」的な、はったりのない演奏はあまり「入ってこない」感じがあったのだ。なにしろフリージャズばっかり聴いてたもんですから。だから小山さんがこういうきちんとした4ビートをやってるのを聴くと、もっとめちゃめちゃすればいいのに、とか勝手なことをおもったりして、2、3度聴いてずーっとそのままになっていたのを、最近なんとなく聞き返してみて、「へー」とおもった。昔抱いた印象は半分そのままだが、半分は180度変わっていて、こういった真摯で手抜きなく、一見ぶっきらぼうで無愛想だが、まっすぐにこちらを見据えて音を放ってくる、というそのエネルギーとベクトルに参った。とくに高橋知己は、じつにかっこよくて、無骨な野武士のようなテナーだと思った。そして、よく聴くと、流麗な部分もあるのだが、それをあえて表に出さずに隠しているような雰囲気もある。もっさりしたテナーの空気が、なんともいえない。小山さんのドラムも、めっさかっこいいではないか。そして、元岡さんのピアノもすばらしい。今、昭和ジャズの復刻がブームだが、このあたりのアルバムをちゃんと復刻してくれると、いろんな意味で今はすっかりベテランになってしまったひとたちの評価が変わるような気がする。今こそ北海道バンドを! なお、だれのリーダー作かわからないので、とりあえずバンドとして項をたてた。