ernest dawkins

「MEAN AMEEN」(DELMARK RECORDS DE−559)
ERNEST DAWKINS’NEW HORIZONS ENSEMBLE

 シカゴの重鎮でカヒール・エルザバーの右腕でもあるアーネスト・ドーキンスが長く続けているバンド。タイトルの「ミーン・アミーン」というのは同じくシカゴで長らく演奏していたAACMのトランペッターで2003年に亡くなったアミーン・ムハマッドに奉げたものだからである(アミーンはこのニュー・ホライズン・バンドの元メンバーで、同バンドでエジプトを訪れたときにマシンガンを持った軍隊がバスに乗り込んできて、とんでもない目にあったらしい。シャドウ・ヴィネッツのメンバーでもあったようだから、もしかしたら私は生で聴いているかもしれないです)。3管編成でピアノレスというクインテットで、いかにもドーキンスが好みそうな編成である。曲は6曲中4曲をドーキンスが書いており、あとの2曲はトロンボーンのスティーヴ・ベリーの作曲だが、共通していえるのは、モードの曲が多いことで、シカゴフリーの特徴……と言い切ってしまっていいのかな。まあ、いいと思う。メンバーは若いひとが多く、なかでもあのモーリス・ブラウンの参加が目に付く。ニューヨークでの活動が目立つが、もともとはシカゴのひとで、グリフィンやクラーク・テリーなんかとも共演して、ジャズどっぷりだったようだ。ドーキンスやフレッド・アンダーソンともやっていて、フリー系にも足を突っ込んでいたのに、ヒップホップでグラミー賞だからすごいよなー。本作でも、ブラウンはかなり凄まじいソロを吹きまくっていて、どう聞いてもフリージャズのひとにしか聞こえないほど。すばらしい。ドラムもベースもトロンボーンも全員良くて、もちろんドーキンスの武骨でガッツのあるソロは絶品で(アリ・ブラウンといいフレッド・アンダーソンといいこのひとといい、シカゴのフリー系のサックス奏者は皆、ごつごつした手触りの人間味あふれるソロをするなあ)、そのうえ作曲・編曲がいいのだから言うことはない。1曲目からめちゃくちゃいい曲で3管のアンサンブルもばっちり。ドーキンスのアルトソロもけっして流暢ではなく、逆にあちこち引っかかるような感じなのだが、これがいいんです。すごい迫力と熱気なのだ。つづくモーリス・ブラウンのソロも凄まじく、(変な言い方だが)とてもグラミー賞受賞者とは思えない、壮絶でパワフルでフリーキーなものだ。ソロ全体の構成とかを考えていない出たとこ勝負感も好ましい。2曲目(スティーヴ・ベリーの曲)もモーダルな感じの曲で、作曲者のベリーが悠然とした熱いソロをたっぷり聞かせてくれる。ドーキンスのソロもかっこいいし、モーリス・ブラウンも八方破れにめちゃくちゃなブロウを展開していてすごくええ感じである。3曲目(これもベリーの曲)はバラードだが、なんとも不思議な曲で、ジャズっぽくないというか異世界のサウンドなのだ。何度聴いても「よくこんな曲書いたなあ」と思うような雰囲気なのだが、一度聴いたら忘れられない。名曲じゃないでしょうか。4曲目は突如としてハードバップ、それもめちゃくちゃベタな感じで、ほぼ「クール・ストラッティン」といえるマイナーブルースなのでびっくりするが、「メッセージ」というタイトルで、アート・ブレイキーに奉げたものらしい。ここでのモーリス・ブラウンのソロは最初は普通のハードバップ的なものなのだが、バックのリフが入るあたりからフリーキーなめちゃくちゃな感じになり、ものすごくかっこいい。「心得てる」というやつでしょうか。そのソロの最後のフレーズを受けてドーキンスがアルトで吹きまくる。そのあとのトロンボーンソロも、まるで人間がしゃべっているみたいな温かみを感じるもので、つくづく良いメンバーがそろっていると思った。ベースソロもドラムソロもなんとも「ごつい」ソロで、良質のハードバップを聞いているような満足感がある(その印象はべつにまちがってはいないと思う)。5曲目は、アフリカっぽい曲調だが、タイトルは「ハイチ」である。シンプルなパーカッションのビートにいろいろなものが乗っていく。声とかハーモニカとか法螺貝っぽいものとかカリンバとかである。最後の6曲目は、なかなかたいへんなアレンジがほどこされていて、アルバムの最後を飾るにふさわしい曲である。これは、聞いてもらわないとわからないと思うが、この熱量は尋常ではない。アンサンブルを聞いているだけで感動なのである。ドーキンスのまっすぐでブレないソロ、ベリーのきっちり筋を通す丁寧なソロ、ブラウンのかなり大胆なえぐいソロ、ベースの激しいがものすごく上手いソロ、満を持したようなフリーなドラムソロ……などが並んだあと、テーマに戻るのだが、やはりドーキンスはただものではないなあ、と感心しまくる。いやー、しつこく聞いていますが、傑作ではないでしょうか。

「THE MESSENGER」(DELMARK RECORDS DE570)
ERNEST DAWKINS’ NEW HORIZONS ENSEMBLE LIVE AT THE ORIGINAL VELVET LOUNGE

 ごっつい、いかつい、武骨な、骨太のメンバーたちによる演奏。私はシャドウ・ヴィネッツの来日時にアーネスト・ドウキンスを生で観ているらしいが覚えてないなあ。アリ・ブラウンですら1曲アルトソロがあったなあという記憶しかないのだ。まあ、それはいいとして、本作における演奏はとにかく流暢ではなく、あちこちに引っ掛かりのあるようなギザギザした演奏なのだが、それがいいんです。こういう演奏を「なんや、荒っぽくて下手くそやな」と思うひとがひとりでもいたらそれは大きな損失だ。アコーディオン(?)と歌などによる短いイントロのあと、初期メンバーで早逝したトランペッターのアミーン・ムハマッドに奉げられた曲で(ええ曲や)、同名のアルバムもある。本作はスタジオ録音だったその「ミーン・アミーン」のライヴバージョンと言ってもいいと思う(メンバーはまったく同じ。曲は2曲だけ一緒)。ベースのパターンに乗って、アーネスト・ドーキンスのごっついアルトが「噴出する」といった感じでフィーチュアされる。こういう、テクニックがどうのとか言うのとは無縁な、感情剥きだしで、しかもじつはその狂気をコントロールしている感じの、いかにも「ジャズ」といったソロは、本当に今のジャズシーンでは宝物のようなものだと思う。つづくトロンボーンソロ(スティーヴ・ベリー)も、ドーキンスのサックスをトロンボーンに移し替えたようなガッツのある演奏。おなじみモーリス・ブラウンもこのバンドでは伝統的なフリージャズに回帰したようなソロをする。熱く、出たとこ勝負の奔放なソロは、聞いていて気持ちいい。2曲目はアート・ブレイキーに奉げられた「ザ・メッセンジャー」というマイナーブルース(前にも書いたが、「クール・ストラッティン」っぽい)。先発のトランペットソロは荒削りで高らかでリー・モーガンのようにはるか遠くを見つめているようなソロ。ドーキンスの濁った音のひたむきなアルトソロは感動的。テクニックも音楽性も十分あるのだが、それを押しのけるぐらいのパッションがある。トロンボーンソロ、ベースソロ、ドラムソロもそれぞれ地味だがスルメのように噛めば噛むほど味がある感じ。しかも、ソロ回しの曲ではあるのだが、アンサンブルにも常に気が配られていて、飽きない工夫が施されている。さすがアーネスト・ドーキンスである。3曲目は(たぶん)ドーキンスのボーカルをフィーチュアしたスローブルース。ライヴならではのくだけた、だるい雰囲気がいいですね。tick me と言ってるのでしょうか。pick meか? 私のアホ耳では聞き取れないがとにかくシンプルに盛り上げる。モーリス・ブラウンのイケイケな感じのトランペットがいかにもシカゴの夜のライブという感じのヤクザな雰囲気ですばらしい。つづくトロンボーンソロは逆にぐっと落ち着いた雰囲気のいいソロ。そのあとドーキンスのスキャットコーナー(?)は、まさにブラックミュージックで非常に濃厚です。4曲目は8ビートとアフロを組み合わせためちゃくちゃかっこいい曲。ドーキンスはテナー。アリ・ブラウンといいドーキンスといいカラパルーシャといい、シカゴのテナーには共通するものを感じる。もちろんアモンズやボン・フリーマンなどにも。モーリス・ブラウンのソロは流麗な、抑制のきいたものだったのに、途中からバックが倍テンにして、そこからかなり荒い、熱血のブロウになっていくあたりも聞きもの。最後はみんなで循環呼吸。終わり方なんか、ちょっとレスター・ボウイっぽくないですか? 5曲目はマイナーなモード曲。ドーキンスのアルトが、ふつふつとマグマが湧きたつようなイントロを延々吹いて、こんな感じで終始するのかと思っていたら、なかなかスペイシーな曲調に。いやー、上手いです。トランペットソロのアクロバティックな展開もいいっすねー。こういうの、ほんとリー・モーガンっぽく感じる。ブレイクのときの押せ押せな感じもコテコテなジャズを聞いたという満足感に満ちる。そのまま終わっていくめちゃくちゃさも含めて、この曲のトランペットソロの奔放さが本作の白眉かもしれない。ラストはユーモラスな感じもある、ちょっとデキシー風の曲。全員がはじける。こういうある意味乱暴な感じなのは「歴史的名盤」とは縁がないかもしれないが、アーネスト・ドーキンスの音楽世界はすばらしいと思います。

「JO’BURG JUMP」(DELMARK RECORDS DE−524)
ERNEST DAWKINS’NEW HORIZONS ENSEMBLE

 アミーン・ムハマッド存命中の録音。これはめちゃくちゃかっこいいですよ! ニュー・ホライズンバンドをどれか一枚、と言われたら本作でもいいんじゃないかと思うぐらい。とにかく「曲とアレンジ」が最高すぎる。1曲目「ストレンジャー」は超アップテンポでスタイリッシュで、よくこんな曲考えついたなあ、と思うようなすばらしい曲。テーマを吹くにはダブルタンギング不可欠。でも、とにかくアップテンポすぎて、ソロは全員フリー。そこもまたよし。ダーティートーンをまじえてネチッこく吹きまくるドーキンス。テーマとリフのあとリズムが変化してビートが半分になり、スティーヴ・ベリーの自由なトロンボーンソロ。リズムはそのままでアミーン・ムハマッドのフリーキーで豪快で人間味あふれるソロ。終わると唐突にテーマに戻る。かっこいい! 2曲目はファンキーなベースラインではじまり、冒頭に「ベイビー!」という歌(?)が入るので、お、ボーカル入りかと思ったら、それだけ。ジャズロック風のマイナーなテーマだが、凝ったアレンジになっていて、黒々とした響きを感じるめちゃくちゃ個性的な曲である。フリーなパートのあと、アミーンの突き刺さるようなトランペットソロ。うわー、もうたまらんな(つくづく早逝が残念)。つづいてトロンボーンソロだが、そのあいだ誰かがハンドクラップをしていて、これがハンドクラップというより、「おっさんが演歌を聞きながら機嫌よく合いの手を叩いているのがたまたま録音された」というレベルで、なんでこんなもん録音したんや! と言いたくなるようなもので、これもまたよし。トロンボーンソロの最後のほう、何人かがまた「ベイベー」とか掛け声をかけるが、それだけで終わり、アルトソロがはじまる。なぜこの曲調の曲(しかも自作)でこんなぐじゃぐじゃでわけのわからんソロを延々かまそうと思ったのかは誰にもわからん。いやー、シカゴですなあ。3曲目も、これまたええ曲で、冒頭は間の多いむずかしいリズムの譜面をずーっと全員で吹いていくとリズミカルなテーマが登場し、その後もいろいろな展開が待っている、というわくわくするような音楽の冒険の旅である。先発はアミーンで、ゆったりとした4ビートに乗ってブロウする。リタルダンドになってふたたびテーマリフ。なかなか凝ったアレンジのそのリフをしつこく繰り返しているうちに、ドーキンスのテナーソロになる。この粘着質で、ゆらゆらと揺れながら前進する個性の塊のようなソロはだれにも真似できないし、そのへんの上手いひとたちが集まってるジャムセッションでも絶対に聞けない。ヨセフ・ベン・イスラエルのベースソロのあと、突然まるでちがったリズムで別のリズムがはじまり、4曲目がはじまったのかと思ったらちがった。そしてトロンボーンソロになる。まあ、一種の組曲になってるわけですかね。ドラムソロのあとまたテーマのリフになって終了。4曲目は美しいテーマを持ったバラードで、アレンジもいい。このバンドには珍しくギターが入っていて、だれかと思ったらジェフ・パーカーでした。タイトルはなんと「ショーター組曲」で、この曲だけスティーヴ・ベリーの作曲。トロンボーンソロがフィーチュアされ、朗々と歌い上げる。そのあとドーキンスのアルトソロになるが、インプロとかとは違った意味で、本当にその場でパッと思いついたとおりを吹いている感じが生々しい。ときどき各種パーカッションの変な効果音が聞こえてきて楽しいです(スティ―ヴ・ベリーがやっとるのか?)。そして、ギターの味わい深く、オーソドックスなジャズっぽいソロがしみじみさせたあと、テーマに戻る。どこが「ショーター組曲」なのかよくわからないが、いい曲であることはたしかだ。5曲目は「キングコング対ゴジラ」をちょっとだけ連想させるようなギザギザしたリフをベースにした曲で、めちゃくちゃかっこいい。まあ、ドーキンスというひとは変な着想の曲ばかり書くけど、それをものすごくかっこよく仕上げてしまうという天才的なところがあって凄いとしか言いようがない。アルトソロは武骨で好き放題である意味鼻歌のように自由で過激だ。トロンボーンソロは、リラックスとか流暢とかそういうものとはほど遠い、ぎくしゃくとした、もがき苦しむようなソロ。2管のバッキングがいい味を出している。トランペットソロはあいかわらず饒舌に吹きまくるタイプのもので、めちゃかっこいいです。この曲に限らず、ドーキンスの編曲は、ソロイストが変わると、リズムやバッキングも変えて、それぞれに別の場面を作り出し、リスナーを飽きさせない工夫をしている。ドラムソロを経てテーマ。6曲目は日本語にすると「亀島踊り」で、カラフルな各種パーカッション、笛、小物類などの競演。素朴で楽しく自由な演奏だが、じつは周到なアレンジが施されている。アート・アンサンブルにもこういう側面があるが、ほんのちょっとしたペンタトニックのリフさえあれば、このひとたちは自分の主奏楽器を使わずこういうおもちゃだけでも永遠に演奏し続けていられるのだ。ラストの7曲目は力強い曲でなんとなくコルトレーンの曲を思わせるようなナンバー。ドーキンスはテナーでゴリゴリ吹きまくるが、いくら吹きまくってもこのひとは自由な、自然発生的な演奏に聞こえて、そこが好きなのだ。トロンボーンも同じようなコンセプトのソロで、途中「なにがやりたいんだ、このひとは」と思ってしまうような瞬間もあり、そこがまたいいんですね。なんだかよくわからない部分がたくさんあるのが、ドーキンスの、そしてAACMの特徴だ(と勝手なことを書いてしまおう)。3番手はアミーンのトランペットで、このひとは本当にワンパタ……いや、個性のはっきりしたソロをするなあ。めっちゃ好きです。そのあとイスラエルのすごくかっこいい、圧倒的迫力とテクニックを見せつけるようなすごいベースソロ。そして、テーマ。最初のテーマではドーキンスの指が回ってなかったりして、けっこうどさくさだったりしたが(それもいい味なんだよねー)、後テーマは完璧でした。いやー、すばらしい。というわけで本作は、ほかのアルバムにも増して、「曲とアレンジ」が光るすばらしいアルバムとなっている。しょうもない曲や演奏ゼロ。どこを切ってもドーキンスの意欲と情熱を感じられる傑作です!

「AFRO STRAIGHT」(DELMARK RECORDS DE5001)
ERNEST DAWKINS

 ニュー・ホライズン・アンサンブルやエスニック・ヘリティッジ・アンサンブルなどで気を吐きまくるシカゴの重鎮アーネスト・ドーキンスが満をじしてスタートさせた新プロジェクト。これまでは自分やメンバーのオリジナルを中心に演奏してきた彼が、ここでほぼ全曲スタンダードや有名なジャズナンバーを取り上げることにした理由が長文のライナーに書かれている(フリージャズのミュージシャンがスタンダードを演奏しないと思われている理由や、AACMの考え方などについても触れられていて興味深い)。全曲と書いたが、実際は2曲だけドーキンスによるタイトルナンバー「アフロ・ストレイト」と「オールド・マン・ブルース」というのが入っているが、前者はパーカッションだけの短い演奏で、後者はシカゴの伝統に基づいたひねりのない直球ブルースであって、これらもスタンダード的に考えてもいいだろう。本作は、コルトレーン、ショーター、ヴォン・フリーマン、チャーリー・パーカー、コールマン・ホーキンス、スタンリー・タレンタイン、ヘンリー・スレッギル、フレッド・アンダーソン、キャノンボール・アダリー、ケニー・ギャレット、ロスコー・ミッチェル、そしてモダンミュージックのすべての偉大なサックス奏者に捧ぐ、というのがコンセプトのひとつであり(ケニー・ギャレットだけ「え?」と一瞬思うよね)、もうひとつのコンセプトは、ライナーによると「アフリカン、アフロラテン、アフリカンアメリカン・パーカッションをフィーチュアしたストレートアヘッドなジャズのプログラム」ということだそうだ。基本的にはドーキンスとコーリー・ウェルケスの2管にピアノ入りの3リズムという非常にオーソドックスなクインテットをベースにしているのだが、曲によってそれに3人のパーカッション奏者が加わる(全員、基本的にはコンガ奏者)。そして、バラードの「ゴッド・ブレス・ザ・チャイルド」だけにハモンドB3が入る。全10曲だが、どれもすばらしい演奏である。少々荒っぽかったり、雑だったり部分があったとしても、ありあまる気迫と熱情がそれを掻き消してしまう。この集中力と燃え上がるようなパッション、そしてシカゴのブラックミュージック独特の(いい意味での)ゆるさ、それにグルーヴ……こうしてジャズの有名曲ばかりを取り上げても、それらはゆるがない。本当に「一丸となって」という言葉がぴったりの演奏だ。何歳になっても、ただただひたむきだ。若手もドーキンスもなんの差もない。シンプルだが効果的なアレンジも迫力満点で、本作はジャズ喫茶はなやかなりしころなら大勢のひとが愛聴しただろう美味しさに満ちている。共演者は、おなじみのウェルケス(力強いプレイはこのバンドの華だ)はもちろんのこと、全員いい。ピアノも随所でカラフルなソロをしているし、ときどきフィーチュアされるベースのジュニアス・パウルというひとがめちゃ上手いし、ドラムもいい。3人のコンガに関しては私の耳ではその差は聞き取れないが全部かっこいい。とくに心に響いた演奏を挙げると、2曲目「ユナイテッド」(そう、あの「ユナイテッド」ですよ! この選曲にはびっくり)でのドーキンスのショーターとは対極にあるダーティートーンでの迫真のブロウやウェルケスのモダンでまっしぐらなソロとそこにからみつくパーカッション……かっこいい! ベースソロも濃くてすばらしい。4曲目「セントラル・パーク・ノース」でのドーキンスのアルトの、絞り出すようなトーンでの個性あふれるソロとそれを煽るリズムセクション。ころころと転がるようなピアノソロも格別です。6曲目「ソフトリー……」は重厚なアフロ〜モードジャズ的なイントロでガツン! とはじまるオープニングがいかにも70年台っぽくて最高。ピアノソロのドラムとのからみもめちゃくちゃかっちょいい。7曲目「ゴッド・ブレス・ザ・チャイルド」でのいかにもシカゴ的な武骨なテナーとハモンドの共演はアモンズとオルガンを連想して深い夜の雰囲気。ソロらしいソロはないのだが、それがまたいい。ラストの「ジュジュ」もドーキンスのアルトはここぞとばかりに粘っこく吠えまくり、スクリームする。フリーキーな演奏という点では本作のなかで最高であろう。ひたすら絶叫し、ドラムが煽り、クライマックスを作り出したあと、ピアノ、ベース、ドラムがすばらしいソロを繰り広げて、アルバムのエンディングを飾る。あーよかった! こういうの好きやわー。傑作! なんとなく中身にそぐわない、ひょうきんすぎるジャケットのお茶目なドーキンスも好き。