医学にまつわるちょっと役立つ情報と、マル秘裏話
ちょっと役立つ医学情報!
<妊娠と薬について>
妊婦さんが、風邪などをひいて病院を受診するケースは結構ありますが、薬を出されないことって多いと思います。しかし、最近はデータも蓄積されてきて、投与できる薬と言うのはかなり多くなってきています。それと、時期によっても薬の影響は大きく変わります。
まず、妊娠18日までというのは、薬の影響というのは<all or none>といわれて重大な影響を胎児に与えて流産してしまうか、あるいはなんの問題もないか。に別れます。
18日というのは、妊娠がわかるかわからないかという時期。
ですから、子供を作ろうとしている女性で、妊娠がわからないような場合、過度の心配は不要です。なかなか出来なくて、こんどこそ。と言う場合は飲まない方が良いですが・・・
次に19日から37日は、器官形成期といって最も重要な時期です。投与しなくて済むものは使用しないほうが良い時期です。
3-5ヶ月は、一部の分化などがまだ続いているので、小奇形といわれる生命に問題のない奇形は生じる可能性があります。
5ヶ月を過ぎれば奇形の可能性はなくなり、生じるのは発育不全などです。
妊娠期間を通じて、飲んでよいもの悪いもの。ランク付けがされてきていますので、抗生剤、解熱鎮痛剤、胃薬、制吐剤、抗ヒスタミン剤など種類を選べば投薬可能です。
軽い風邪など飲まなくて済むような症状なら、あえて薬を飲むことはありませんが、妊娠中だからと薬を全く出されないこともありますが、39度もの高熱が続いていたり、肺炎を起こしているようなときは抗生剤など種類を選んで使用したほうが良いこともあります。
ちなみに、投与してよい抗生剤はペニシリン系、セフェム系。
解熱剤ではアセトアミノフェンが安全です。
ちなみに、市販薬でも総合感冒薬、ガスター10、頭痛薬などは避けた方がいいものが多いので、服薬時は医師に相談してください。
<インフルエンザ予防接種について2>
先日私が行っている会社の診療所でインフルエンザの予防接種の値段を聞いたところなんと1500円でした。儲けはあまり考えていないのでこの値段だという事。ちなみに1回接種です。
基本的に2回接種は13歳まで。ちなみに公費負担があるのは65歳以上です。
<インフルエンザ予防接種について>
そろそろ本格的に冬に突入して、乾燥した季節がやってきます。医療機関にもインフルエンザワクチンが出回ってきましたが、最近問題になるのがこの接種回数。基本的には添付文書などでは2回接種する。ということになっていますが、現在の日本ではこのあたり統一されていません。うちは病院内でも統一見解がでていないので、1回だったり2回だったり。
小児と免疫力が低下しているような人では2回接種というのはほぼどこでも同じかと思いますが、異なるのは成人の扱い。欧米では1回接種が基本になっていますが、日本はまだ規定上は2回。ただ、これまでにかかった方、ワクチンを受けた事のある方の場合は1回で充分な抗体価の上昇が期待できるので私は1回接種にしています。あとは年齢、抵抗力などにより臨機応変に1回を勧めていますが、病院の経営としては2回接種した方が儲かるしくみになっている(市中病院では1回5千円程度。うちの病院では1回約6700円。このほかに初診料とか診察料とかがかかります。)ので、この理由から患者さんが何も言わなければ2回を勧めている施設も結構あります。
その他に意外に知られていないのが、最近公費負担ができた事。市区町村ごとに決められていて、指定の医療機関でないと公費負担にならない事が多いようで、それぞれシステムが違うので各役場で聞いて見て下さい。
〈蔓延している薬物依存症のお話〉
タバコは身体にとって、多彩な悪影響を及ぼします。肺癌などは有名だと思いますが、大腸癌、食道癌など他の癌の発生率も高くしてしまいます。またそれだけではなく、心筋梗塞などの動脈硬化性疾患の悪化因子です。そこで、禁煙を勧められたりすることは多いと思いますが、タバコをやめるのは大変なことです。私自身、外来でタバコをやめて下さい。という事は多いですが、なかなかやめられないことが多いです。これは、本人の強い意志だけではどうにもならないこともしばしばです。それは、タバコというのは精神依存だけではなくてニコチンによる薬物依存症だからなのです。もちろん、本人にやめるという意志が無ければやめることは出来ませんが、本人にやめる意志があった場合、この薬物依存ということに関して医師としてお手伝いをすることが出来ます。それは、ニコチン中毒の禁断症状を緩和してスムーズに中毒から離脱するためのものです。ご存知かもしれませんが、最近はニコチン含有のテープ剤やガムがあります。これは、保険医療ではありませんが、処方箋によって処方されるものです。価格は、大体1日450円くらいで、平均8週間程度の使用ですから約2.5万円。その 他に初診料やら処方箋代やらで3千円程度がかかるかと思いますが、タバコ代を考えるとそう高価なものではないかと思います。
タバコが悪影響を及ぼす病気をお持ちの方はもちろん、ただタバコをやめたいという方まで、自分で努力してみてやめられなかったかたは是非試してみていただきたいと思います。
意外に知らない喫煙者の方は多いように思います。どこの医療機関でも処方できるものではありませんが、院外処方箋を出せるところならば処方可能ではないかと思います。
興味ある方は一度聞いてみてはいかがでしょうか?
以上、意外に身近な薬物依存症のお話でした。
<標準体重&摂取カロリーのお話>
標準体重とは身長から割り出す理想的な体重の事。計算方法は、
身長(m) X 身長(m) X 22
これは医学的な理想なので、美容的な理想体重とは異なります。
また、この式が当てはまるのは標準的な身長の人。
私のような極端に小さい人では重目、極端に大きい人(180cm以上)はやや軽目の結果が出ます。
で、摂取カロリーは、主婦などでほとんど一日動かない人は、この標準体重に25をかけたのが、理想摂取カロリー。電車や徒歩で通勤したり、多少動く人は30をかけます。営業などで一日歩き回ったりする方などは35をかけます。肉体労働者やスポーツ選手などでは40をかけます。
この理想摂取カロリーを守れば、標準体重を維持する事が出来ます。
痩せようと思ったらこれより摂取カロリーを減らすか、消費カロリーを増やす。すなわち運動をする。このどちらかです。
最近はコンビニの食べ物や食堂のメニューなどにもカロリーが書いてある事が多いので参考にして、理想的なカロリー摂取を心がけて下さい。
ちなみに<かつ定食>などは1200kcalくらいありますので気をつけて!
<時差ぼけって?>
海外旅行には付きものの時差ぼけ。これは時差5時間以上の地域を高速移動した時に起きます。症状は、睡眠障害、集中困難、能率低下、消化器症状、疲労感、目の疲れなど。
人間の身体には生体内リズムといって24時間周期でホルモン、血圧、体温などが変化しています。この基準は外界の照度だとか地球の磁場だとかが関係あるといわれています。この生体リズムを移動した地域に順応させなければならないのです。時差ぼけは東行きの方が西行きよりもひどい事が多いです。生体内リズムを短縮させなくてはいけないからと考えられています。対策としては、出来るだけ現地似合わせて明暗を調整し睡眠をとる事。現地では、日中は無理にでも屋外で自然光に当たるようにします。西行きでは生体内リズムを延長させるので比較的順応しやすいのですが、2日目の晩などに睡眠障害が出る事があります。これらの睡眠障害には睡眠薬を使用して正しい時間帯に睡眠をとる事がオススメです。
まだ、医学に暗い学生の頃、東行きでアメリカへ行った時に、眠れなくなると困ると考えて飛行機で寝ないでムリヤリずっと起きてて数日間大変な目に合った事があります。くれぐれも無理な事をせずに、早くから現地の昼夜似合わせた周期で睡眠をとって下さい。飛行機では現地に合わせて消灯をしていると思うのでこれにあわせて仮眠をする事です。しょっちゅう海外の行き来をする方は睡眠薬を上手く利用するといいと思います。もちろん、アルコールとの併用はしないで下さい。
<エコノミークラス症候群から身を守る>
最近新聞や雑誌で見かける事が多いですね。詳細は疾患のコーナーを見て下さい。予防方法としては具体的には、機内でもトイレに行く、行く振りをして歩くなどとにかく一定の体位を長時間続けない事。機内サービスの配られる飲み物だけでなく自分でも飲み物を持参して水分補給をする(アルコールは逆効果)。遠慮せずに機内サービスの飲み物を何度も頼む。搭乗前に小児用バファリンを1錠飲む。これで、空港到着時の突然死は避けられるでしょう。ハイリスクの人は特に気を付けた方が良いです。詳しくは疾患コーナーへ。
<グレープフルーツと薬の関係>
しばらく前に新聞にも載っていましたが、グレープフルーツと薬の相互作用は結構あります。
これはグレープフルーツに含まれる生体フラボノイド ナリンジンという苦みの成分が、多くの薬を分解する肝臓のP450という酵素で分解される為です。
この酵素で分解を受ける薬と、グレープフルーツ(ジュースも含む)を一緒にとると、肝臓の酵素の取り合いとなり、結果として薬の分解が遅れて、作用が増強したり遅延したりと言う事が起きます。良く言われているのは、高血圧の薬の一部や、狭心症の薬、免疫抑制剤などですが、この酵素で分解される薬はかなり多いと思われるので、グレープフルーツと薬は一緒にとらない方がいいと思います。
<採血の後は良く揉んでいいの?>
これは時々見かけて気になっている事ですが、採血の後に揉んでいる人が意外と多いのです。正解から言うと採血の後は良く圧迫するのが一番。一番悪いのは脱脂綿をテープで止めて安心してそのまま放置している場合。まあ、死んだり病気になったりはしないけれど、青あざになりやすいし、そうなれば痛みも続きます。静脈への注射の場合も採血と同じ。
揉むのは、皮下注射や筋肉注射です。肩、腕、お尻などにする事が多い注射です。これらの場合薬が早く吸収されるように揉む様に指示する事があります。
以外に勘違いしている方が多いのと、医療側も忙しいと間違っててもどうなるものでもないので以外に見過ごしてしまっているのが現状です。
もし勘違いされてた方は訂正してみてください。
<おやつを食べるのは食事の直後と、食間のどっちがいい?>
結論から言うと、直後に食べるのがいいです。同じ量を食べても、何度かに分けて食べると太りやすいのです。物を食べて血糖値が上がると、インスリンという血糖値を下げるホルモンが分泌されますが、このホルモンは糖分を脂肪に変える働きがあります。
物を何度かに分けて食べると、血糖値が高い時間が長くなって、インスリンが分泌されている時間も長くなるので、脂肪がたくさん出来るのです。
できるだけ太らない様に、糖尿病になり難くするには、食べるならば食事と続けて食べるのがbetterです。
<薬の服用時間。食前、食後、食間とは何分前?何分後?>
時間的に何分前、何分後と言う定義はないようです。それぞれの服用の意味合いは、食前薬というのは主に食事に関係する点に作用する薬が多いです。例えば、胃の粘膜を保護する作用、胃酸分泌を押さえる作用、消化を助ける作用、食事による血糖の上昇を押さえる作用などです。食事のおよそ30分前から10分前くらいが良いでしょう。
食間薬
は、食事により吸収が妨げられる薬がほとんどです。胃の中が空っぽな時間に服用し、最大の効果を得ようとするのが目的です。時間の目安としては、食事と食事のちょうど真ん中くらいが良いでしょう。また、食後薬は一番多い服用方法ですが、中には食後でないと胃を荒らすものもありますが、多くの薬は食事の影響を受けないために、飲み忘れの少ない食後に。。。というものです。
このほかに、食中薬というのもあって、カルシウムなど一部の薬は他のビタミン等との相互作用により吸収されるため、食事の最中に飲むのです。しかし、食前や食間で瀕回に飲み忘れるような場合には、食後にずらす場合もあります。

マル秘裏話!
女医と看護師の関係
最近は男性看護師が増えてきたので看護婦という呼び方は正式にはしなくなりましたが、男性看護師がいるのは主には手術部や整形外科病棟など力を使う部署。
私の働く内科では従来どおりほとんどが女性の看護師さん。
よくTVや小説ではベテラン看護婦に新米医師がいじめられるシーンとかありますね。
私も研修医の頃は看護婦さんに邪魔扱いされてビクビクしていましたが、実際働き始めてからは、特にイビられるということもなく、とても楽しくやっています。
とはいえ、やっぱり大学の研修医の頃はたまに指示出すのが遅くなって嫌味のひとつふたつは言われたりもしたけど、イビリとは程遠いもの。
HPでも、仲良くやっていることは書いても面白みに欠けるから、たまにあったトラブルや批判的なことをつい取り上げてしまうのですが、実際はとってもアットホームなんです。
病棟では看護師休憩室でくつろいだり、当直のときなど、夜勤の看護師さんがお弁当を作って来てくれたりすることもあるんです。女同士飲みに行ったり、旅行に行ったりすることもあります。
まー、でも最近は自分も7年目になって病棟の看護師さんはほとんど年下だから、主任あたりと話すことのほうが多くなってきたけど、1年目の看護師さんなんて10歳近く年が違うから、かわいくって○○ちゃん。とか下の名前で呼んだりしてます。
今いる病院は、まーいい看護師さんばっかりで毎日楽しく仕事してます。
結構内科以外の科では 医者VS看護師のトラブルもあるとは聞きますが、内科はトラブル知らずでお互いの様子を見ながら余裕があるほうが忙しい方を助けるって形が出来ているので、仕事の押し付け合いとかがなくていいですね。
狭間の雑務をこれは医者の仕事だ!看護師の仕事だ!ってやり始めると、たいてい具合が悪くなるんです。
でも、中にはそんなこと先生にやらせちゃいけないなんて言ってすっ飛んできてくれる看護師さんもいてありがたい限りです。
男性看護師も最近はみんな年下だから、やりにくさはほとんどなくなってきました。
ただ、ついいつもの癖で
「看護婦さ〜ん!!」
って呼んでしまって、のぶとい声で
「は〜い」
って男性看護師がやってくるといつも悪いなぁ。とは思うのです・・・
でも、患者さんもみんな看護婦さんって呼ぶから彼らはなれちゃってるみたいではあるけど。
時にはおばあちゃんに、
「あなたは、おねえさん?それともおにいさん?」
なんていわれることもあるそうな。かわいそうに・・・・
麻酔について 6/10up
麻酔には幾つかの方法があります。脊椎麻酔、硬膜外麻酔、局所的なブロック注射、そして全身麻酔。
最近ではこれらを単独で使用することは少なくて、バランス麻酔といって幾つかの技法を組み合わせて麻酔を行います。
ですから、ひとつの手術に対してなん通りもの麻酔がありうるわけです。
たとえば婦人科系の開腹手術をする場合、簡単で短時間で済むのがなのは脊椎麻酔のみで行う場合。手術時間が長引く場合はこれでは途中で麻酔が切れてきてしまいます。
そこで全身麻酔にして眠らせると手術中は良いけれども覚めたときに痛みが出ます。
ですから、患者さんの状態や、手術の術式などから手術中だけではなく、覚めたときの痛みまで考えて麻酔方法を選択します。
手術室では患者さんは緊張していますから、出来るだけ緊張感を与えないようにこまめに声をかけます。そして、眠る直前までは絶対に無理やりな処置はしない。
目が覚めたときには<これから手術ですか?>と患者さんが聞いてくるような無痛状態を目指します。
そういう麻酔を私はこれまで学んでいました。
4月から新病院にきて、内科医として働いていますが、先日どうしても麻酔科医の手が足りなくなってしまい、緊急で呼ばれて麻酔をかけることになりました。
その病院の麻酔科は私のいた大学とは別の大学から麻酔科医が来ています。
そして、麻酔をかけてみてビックリしました。
とにかく、短時間に簡単に出来る麻酔法が選択されていました。
つまり、患者さんの術後の痛みは二の次なのです。麻酔をかける時も、患者さんの意識がまだあるうちからマスクをゴムバンドではずれないように顔に固定するなど、非常に思いやりのない麻酔が行われていました。
前日に麻酔科医が病室を訪れることもせずに、十分に麻酔法が検討されること無く、その場で適当に方法が決定されていました。
いまどきこんなことってあるのかしら?と目を丸くするばかり・・・
医者にとっては毎日何件も手術が流れ作業のようにありますが、患者さんにとっては例え虫垂炎でも一生に何度とない重大な出来事なのですから、充分な最良の医療を望んでいるに違いないのに・・・
本当に心が痛みました。でも、後から知ったことですが、その大学の先生みんながそういう麻酔をかけている訳ではないようです。長いこと現場を離れていた医師がかかわっていたこと、うちの病院の人員不足などが深くかかわっていてのことでした。
そして今現在は既に解決策が行われ、いまはそんな心無い麻酔はされていません。
でも、一部の一般病院ではそういう麻酔もされているんだろうな。と思うと・・・
病院は本当にきちんと選ばなくてはなりませんね。
本当にマル秘の話
私も医者になって数年間全く知らなかったことですが、うちの大学病院には何と裏の外来?があるのです。どんなものかというと、大学病院なのに何故か会員制をとっていて、何百万もする入会金とか年会費を払っている人々がいて、この方達は定期的に人間ドッグを会員価格で行なえるのです。まぁ、人間ドックはそもそも医療保険の使えない自費診療なので、まぁこんな事をやっている会員制の病院というのは結構あるのですが、なんとこの人達が病気でかかるときには特別の外来というのがあるんです。一般の患者さんがかかる場所とは異なっていて、奥にひっそりとある絨毯敷きの豪華な診察室があります。待ち時間もない完全予約制で、教授や助教授、講師の先生など、それぞれの専門の先生を指名できます。そして、この人達の診察券はゴールドカードのよう!?
そして、この方々は何かあればホテルのスイートルームほどの金額のゴージャスな特別室へと入院されます。
まぁ、ここの利用者の方々は、一般外来で人目に触れるのを嫌う政財界のトップの方々や芸能人などが多いのですが・・・
こんなシステムも必要な人々もいてありがたがられている訳ではありますが、なんとも複雑な気分。他の大学病院にもこんなシステムって実はあるのでしょうか。
うちで、5年間医者をやってようやく、最近そこへ出入りする機会が出て来て知ったばかり。
薬物XPart2
前回下記に記載した薬物Xですが、実はある殺人事件の容疑者が使用したと推定されている薬物なのです。約2週間程前に婦女暴行容疑で起訴されていましたが、殺人罪での起訴ができなかったのは下記のような薬の特性により、その薬物を使用して死亡させたという証拠が無かった為らしいです。殺人罪で起訴するには凶器と死亡原因がはっきりしないと無理らしいのです。今回の件でもニュースなどから聞く限りでも様々な状況証拠から誰が聞いても容疑者Oが犯人に間違いないと思うのですが、何を使ってどう殺害したかが証明できないらしいのです。これは今後も裁判の焦点になってくると予想されています。ある筋からこの薬物Xの事を知ったのでそんなにすごいのかと思って調べてみたのですが、ホントにすごい薬物でした。よく、昔の医者はこんな物で麻酔をかけていたと感心します。
容疑者Oは犯行前にかなりインターネットや医学書で情報を入手していたとの事。ある意味すごいと思います。でも、世間一般に報道されているのとは比べ物にならないくらい極悪非道の行為をしていたらしいのです。さらに死亡した人以外にも同様の手段を用いてその極悪非道な行為をしていた事がわかっているのですが、当の被害者が薬の副作用の一つである健忘作用のために被害に遭った事に気がついていないケースがほとんどで、更に知らせるにはあまりにも酷な内容である為に多くの被害者が特定できているにもかかわらず表に出せないという状況となっているのです。したがって当然これは起訴にもいたっていないのです。これを聞いてなんとか、立件するヒントはないかと調べて考えてみましたが、私の乏しい知識くらいではどうにもなりませんでした。
犯人がインターネットを通して薬の情報などを入手していたということもあったので、前回記載していた薬物名と具体的な使用方法は削除しました。
証拠の壁を乗り越えて、なんとか裁かれるといいと思います。
薬物Xについて
薬物X(上記の理由にて匿名)なんて薬物はここ数十年医学では使用されていないと思います。ただ、教科書には出ている。良く、TVなんかでハンカチに染み込ませて気絶させるシーン。あれはエーテルか薬物Xという設定になっている。どんな物なのかちょっと調べる機会があったのでちょっとだけ。。。
大昔は薬物Xやエーテルで麻酔が行なわれていました。Xは沸点が62度と非常に高くてあっという間に気化してしまいます。麻酔の作用は非常に強力。エーテルの吸入では1分間で手術が可能なほどに麻酔がかかるようなので、Xでは更にそれより早い。おそらく2,3呼吸で麻酔がかかる事になります。最近使われている吸入麻酔薬は単独では5、6分はかかります。で、安定した麻酔がかかった状態に移行するまでに興奮期という時期を経由するので単独では暴れる時期があります。しかし、Xでは作用が強力でおそらくあっという間に興奮期を通り過ぎてしまうのでほとんど暴れないと思われます。
即効性で麻酔作用が強力なものは覚めるのも早いので、吸入を中断すればあっという間に覚めます。これだけの事だとこんな優れたものはなく今でも使用されているはずですが、何故全く使われなくなったかというと強力な不整脈誘発作用があって重大な不整脈を誘発して心停止を来してしまう事がしばしばあるようです。肝障害を起こす事も多いようです。それでより安全性の高い麻酔薬という事で現在のような薬剤が次々に開発されてきた訳です。
Xやエーテルは前述したように気化しやすいので持続的に麻酔をかける為には特殊な方法を用いていたようで、昔にはそのためのエスマルヒ氏仮面というものも使われていたようです。その後気化しやすい麻酔薬の為の気化器などが開発されたのでした。
ここで問題なのは極悪な人間が誰かを眠らせようとして使用したとします。モニターなど無く不整脈から心停止を来す。しかし、揮発性が高く数呼吸で血中から消失するような薬剤の場合、証拠が残らず死亡したとしても病死と区別がつかない。解剖しても、薬物の血中濃度を測っても判明しない。このような患者さんを前にした時に私達はどうすればいいのか。状況がおかしければ不審死とするが、決め手が無ければ原因不明の心不全とするしか無い。これまでに、まったく原因の不明な心停止例というのを何例か経験しているがいずれも後者としている。ふと自分一人でも簡単に死亡診断書というものが作成できる医師というものがなんだか恐くなったしまっのでした。
栄養チューブ
盛岡赤十字病院で看護婦が胃に挿入する栄養チューブを気管支に挿入して栄養剤を投与したので患者さんが死亡するというミスがありました。業務上過失致死と、医師法違反で捜査中との事ですが、後者についてはチューブ挿入は原則として医師の仕事なのです。でも実際のところ大学病院レベルを除いては看護婦が行っている事がしばしばあります。チューブがいに入っているかどうかの確認はチューブに空気を送りこんで空気の音が胃でするかどうかを聴診器で確認するという単純な確認方法なのです。若い患者さんなら気管にチューブが入ったらむせて大変ですが、95歳ともなればそのような反射も落ちてしまうんです。で、気管に痰などが溜まっていれば胃でするようなゴポゴポって音もする事もあるかもしれません。間違うと重大ミスにつながる事がこんな単純な確認方法で行なわれているのです。でもなかなか他には簡便で確実な確認方法って無いんですよね。レントゲンでも確実に胃にいっていればわかりますけど、気管だった場合はわかりにくいし、胃の位置が変わっている場合にはさらに分かりづらいです。じっさい、老人病院などでは同じようなミスが起こっている場合もあるのでは ないかと思います。自分も絶対あり得ないとはいえないミスなので恐いと思います。
手技的には簡単な処置だけに看護婦さんに任せるケースも多いと思いますが、間違いの危険を考えると医師が行うべきなのだと再認識しました。
麻酔科医中毒死!について。
最近ニュースで麻酔科医の中毒死が相次いだっていう事がありましたね。
麻酔科の業務に一部携わっているので身近な事件に感じられました。
うちの病院の医師ではありませんが、ベンゾジアゼピン系の鎮静薬を自己注射する中毒状態に陥っていたことがあるという医師のうわさを聞いたことがありました。
何でそんなこと。と思いますが、確かに麻酔科では他科に比べると誘惑が存在するのは事実だと思いました。内科医や外科医ましてや眼科や皮膚科等の科の医師が普段使うことのない麻薬、劇薬や毒薬を日常的に大量に使用しています。
そして、最大の誘惑はそれらの薬を使用した患者さんが時に非常に気持ちよさそうなことです。私自身、<どんななんだろう?そんなに気持ちいいもんなのかな?>と思うことは何度もあります。ただ、それで自分に使って見ようとは夢にも思いませんが…
でも、今回の報道を見て思いました。自分の想像を絶するようなつらい出来事でも起きて、思い悩むような状況があったとき、もし身近にそんなつらさから開放されるかもしれないものが転がっていたらつい手を出してしまうということも絶対無いとは言い切れないのでは?と。。。
しかし、実際に大量の劇毒薬を使用するにあたって、すべての使用を管理下に置くのは現実的に不可能だと思います。医師以外の使用を管理することは可能でも医師による使用は管理しきれないと思います。患者さんにより使用量はその都度異なり、しかも大量です。医師自身の判断で使用し、記載します。忙しく動きながらなので、こぼしてしまったり、ちょっと落として不潔になってしまったら再度用意しなければならない。これを、何ml,何mg単位で管理しようとすると本来の業務に間違いなく支障を来たしてしまいます。ずさんな管理などというのとは違います。使用状況としては、飲食店で調味料を何に何を何mg使用して、いつ何を何mgこぼしたか。などと全部記録するのに等しいと思います。
最終的には医療従事者一人一人の責任感、良心にゆだねるしかないのです。
しかし、医療従事者のなかにも一般集団と同じように、弱い人がいたり、ストレスで精神を病んでしまう人もいます。周りが気が付いて、予防に努めることが大切なのでしょうね。
万一発見したときには医師だけではなく、患者さんにまで影響が出る恐れがあるわけですから厳重な処分を行わなければいけないと思います。
危険がいっぱいな春。
年度が変わり、医師国家試験の合格発表も終って新米看護婦、新米研修医が病院内に増殖しています。見るからに新人とわかる若者から、年齢不詳の輩まで。多種多様。
しかし、いずれも新人で危なっかしいの一言。
この時期の患者さんは命懸けですね。採血や点滴の練習台になり、医療ミスの危険にさらされ...
とは言っても新人が恐ろしいのは百も承知なので、看護婦も医者も先輩が付きっきりでミスを監視しています。重大な間違いが起こる事は幸い殆どありませんが、技術的な稚拙さは避けなれませんよね。練習はしないといつまで経ってもうまくなれないしね。でも、我々もこの時期は練習台として駆り出されます。痛い痛い季節なのです。
でも、見ていて怖いのは、新人の怖さよりも、先輩看護婦の怖さの方がすごいです。
よく、そんなことが言えると思うほどの嫌味が出てきます。何も出来なくて当然の2日目くらいの新人さんに「こんなでくの坊のように突っ立っているだけの子がいたって邪魔なだけ!あんた、頭ついてんの?」なんて当たり前に言っちゃうんだから。。。私なら1日で辞めそうな、毒舌がはびこっています。あー、怖い。
皆さん、がんばっている新人さんを温かい目で見守ってやってくださいね。
手術室の中は?
最近、私は麻酔科医として手術室の中で働いているので手術室の中をご紹介しましょう。
皆さんも、手術室をTVなどでみた事はあると思いますが、実際にはなかなか見る事が出来ない所ですよね。TVと同じく無機質な窓の無い部屋です。清潔に保たれていて、空気は天井から出て床の隅から吸い取られていきます。真ん中に手術台があり、その上には無影灯があります。手術の時には、手術室の外で、術者は消毒液とブラシで手を良く洗います。洗い方にも法則が合って、手は絶対下に向けては行けなくて、ブラシで3回あらって滅菌されたタオルで拭きます。この間、手が肘より下がったり、他のものに少しでも触ったら最初からやり直し。水を出したり、ブラシ、タオルを出すのはすべて脚でペダルを踏んでします。ドアも脚で開けられるようになっています。手術室に入ったら滅菌ガウンを看護婦さんに着せてもらって、滅菌手袋をします。これで出来上がり。よく、手を胸の前で上に向けて、「よろしくお願いします。メスっ!!」っていう重々しいシーンがありますよね。手袋をするまではあの姿勢。でも、その後は滅菌してある布や、台のうえに手を置いていいんです。それから、よほど難しい手術や、偉い人の手術でない限り、手術室の空気は和やかで、始めるまでも、雑談しながら事 は進みます。執刀の準備が完了すると、「それじゃぁ、お願いしま〜す。メスくださ〜い。」なんて感じで、術者の好みで様々なBGMがかかったりする。教授の場合やっぱりプライドなんかもあってかクラシックが多いけど、講師とか中堅の先生だと森高とかサザンとかがかかる。手術中も和気あいあいとやる事もしばしば。でも、難しい場面とか、出血がひどい時なんかはピリピリして、上の医者は若い医者や看護婦を良く怒鳴って、ヘマをやった学生なんかはすぐ追い出される。手術が8時間以上に及ぶ事もしばしばあり、看護婦や麻酔科医は途中で交代するけど、外科医は手術中ずっと食事もとらず、トイレにも行けず、立ちっぱなしで手術をする。ホントに外科医は体力勝負なんです。長丁場の手術を受けた方は、外科医の頑張りにちょっと感謝してみて下さいね。
病理解剖とは。。。
解剖には系統解剖、病理解剖、司法解剖があります。系統解剖とは、主に医学生が解剖実習として行うもの。病理解剖は、入院患者さんの死後に、臨床の診断と病理組織が一致しているかどうかを見たり、原因不明の病態を解明するために行われます。司法解剖は、病院外で死亡した人や、不審な死など、死因や死亡時間を明らかにするために警察の介入のもとに行われます。医者になった私が関わるのは殆ど病理解剖です。診断に苦慮したケースや、珍しい疾患や、現在の医学で解明されていない病気の場合などに依頼する事が多いです。系統解剖は死後時間が経った患者さんなのに対して、病理解剖では死後数十分から1,2時間以内にする事が多いので、患者さんの死後硬直も無く、まだ体温が残っています。切れば血液も流れます。でも、あくまでも死亡しているので止血などせず大胆に切り込まれます。主治医の立場からは、数時間、数日前まで会話をしていたりして、とても複雑な心境です。肋骨も切って取り外し、次々に臓器を取り出します。肺も心臓も、胃腸もあらゆる臓器をすべて取り出します。臓器の重量を測り、外観の様子を観察し、切断し、割面の状態を観察します。これで、腫 瘍や、炎症、梗塞などの存在を見ます。後日取り出した臓器は更に病理検査を行います。様々な染色を施し、顕微鏡で観察します。胸も、お腹も空っぽになった所で、中にタオルなどを詰めて縫いあわせます。これも手術と違うので、太い糸でざくざくと縫いあわせます。病理解剖室は、大抵地下の霊安室の側にあって、大量の血液が流出するために、床には持続的に水が流れています。なんとなく汚れていて、寒〜い部屋です。解剖はおよそ1時間で終了します。出来るだけ短時間で作業を終了するために、淡々とかつ大胆に行われるので、客観的に見ると、極めてグロテスクで、残酷な光景です。何度経験しても思わずぞっとしてます。しかし、この病理解剖から得られる事は重要な事も多く、臨床診断が覆る事も時にあり、医学の進歩に非常に貢献している事も事実なのです。
医者と看護婦の飲み会は本とに凄い。
ホント、凄いんですよぅ。医者も、看護婦さんも飲み会大好き。仕事もハードだけど、飲み会もハード。朝も早いのに、2時3時までは当たり前。3次会、4次会がジョーシキ!?
みんな、カラオケボックスが大好き。他の人の視線が無いから大爆発!!
他のギョーカイでもそうなのかしら。。?カラオケボックスではいすの上や、机の上に立って踊るのは当たり前。壁や天井に穴があく事もしばしば。火災報知器に激突して警報が鳴っちゃった事もある。医者の方はすぐ服を脱ぐ人もいて、上半身のみならず一糸纏わぬスッポンポンで踊る人までいる(注:あくまでも一部ですが)。結構、看護婦さんも無防備で、下着なんか見えちゃってる子もいれば、酔ってどうにでもして〜ってこもいるし、キス魔もいる。(これも一部ですが。)更に、股間に手を伸ばしたり、マイクを向けてみたりする子もいて、もうびっくり(これは更にごく一部の子)...一人の医者が3人くらいの看護婦を抱きしめてる光景なんてのも、そう珍しい事でもなくて、更に不思議なのは、妻子ある医者が堂々とカラオケボックスで Deep Kiss!なんてことも。なんでなんで?
一つ言える事としては、仕事の内容上、身体を目にする事に慣れている、普通口にしない言葉を仕事上口にする。などで、感覚が麻痺しちゃうのかな?でも、そしたら女医も同じ事なんだけどな。それとも知らないだけで、他の社会でもこういう子達はいるのでしょうか??
解剖実習って。。。??
医学生の時によく聞かれた事No1!!
興味があるけどなかなか普段聞けないってところでしょうか。
医学部では2年、3年の頃に解剖学実習というものがあります。
実際に人間の御遺体を解剖させて頂いて、身体の構造を見て触り、覚えるものです。
この御遺体というのが、無縁仏とか、犯罪者とか、いろいろな憶測があるようですが、これは間違いで、生前のご意志で、献体を希望された方々なのです。
大抵、各大学には献体を希望する方々の会があって、会員の方がお亡くなりになった時に再度ご遺族の意志を確認し、承諾された場合にご遺体を預からせて頂いて、実習させて頂くのです。
実習は一体について3から5人で行います。初日は非常に緊張して実習室に入ります。厳粛な雰囲気の中で実習が始まります。各臓器はもちろん、筋肉、血管、神経にいたるまで、恐ろしく細かく名前が付いていてすべて細かく見ていきます。これは本来は不謹慎な事なのでしょうが実習が進むに連れ、人間という感覚は薄れ、人体に対する医学的興味、向学心から実習は淡々と進んでいきます。でも、この解剖学実習で得た人体の具体的なイメージや構造に対する理解は何物にも変えられず、一般の人と医者との間の人間に対するとらえ方の決定的な差を生み出しているように感じます。
そして、解剖学実習が終って御遺体を出来るだけ元の状態に戻した時、あらためて献体のご意志に多大なる感謝の念を抱いたものです。
今でもその実習で得た多くの基礎知識が毎日の医療で常に活かされています。
どうして医者だけ??
私が常日頃感じている疑問点。。。 当直に関する事です。
医者は通常当直というのを月に何回かしていますが、通常の業務をする他に当直があります。患者さんが沢山きたり、入院患者の状態が悪ければ、1,2時間しか寝れなかったり、または眠れなかったりする事もしばしば。36時間くらい続けて働くんです。医者なんだから当たり前だって言われる事もあるけれど、医者だってただの人間。看護婦さんは3交代で、夜勤の次の日には休みがあるし、検査技師さんだって明けのお休みがある事が殆ど。でも、多くの病院で、医者だけは明けの休みがないのです。睡眠不足だと、頭の回転は鈍るし、ミスだって多くなります。患者さんにとってもいい事はないと思うのに。。。
せめて数時間の睡眠タイムを認めてくれてもいいと思うんですけど。
医者による差は大きいか、小さいか?
答えはズバリ。大きいと思います。若い医者でも、ベテランの医者でも個々の医者により実力の差はあります。国家試験と言う最低ラインをクリアーしたものはその後、再評価される機会は殆どありません。ミスもよほど目に余るものでなければ、見過ごされています。
3年目の研修医など、通常研修は2年間なので、一応一般的には研修卒業している時期。したがって、かなり仕事も1人前として任されて来ています。自分一人の持ち患者も10人から15人と比較的多く担当しています。ちょっと許容量の少ない医者の場合には、一人の重症患者に手がかかると他の患者にまで手が回らずに、他の患者が次々に重症化していくという悪循環に陥る事も。。。
患者側から医者を選択するのは難しい事だけれども、良い医者を見極めて、怪しいと思ったら医者を変える事はとても大切な事だと思います。
新人看護婦さんのお話。
新人の医者も看護婦もようやく仕事が何とかこなせ始めるようになって来る初夏。ネーベンはオーベンから自立し初め、プリセプティーはプリセプターから自立し始めます。
完全監視下になくなって、実際にミスが起こるのもこの季節多いのです。
あってはならない事ですが、不適切な薬を出してしまったり、点滴を間違えて作ってしまったり。。。
つい2日前も、悪性腫瘍の患者さんで抗がん剤の治療をしている人がいました。
強力で、かつ高価な薬なので、間違わないように医者が薬を調整して用意していました。
注射で使うはずなのに、注射をしようとしたらないのです。看護婦にきくと1年目の看護婦さんが誤って点滴の中に入れてしまったんだとか。慌てて回収して、やり直し。
幸い点滴はまだ投与されていなくてほっと一息。
周りがきちんと見ていなければいけませんね。
新人医者も辛いのだ。
GWが明けると、いよいよ医者1年生が病棟へとデビューします。この春国家試験に受かったばかりのほやほやの医者達です。不安と期待とやる気に満ち溢れていますが、自信のほうははちょっと。。。
4月から一足先にデビューしているナース達は約1ヵ月で、ようやく仕事もこなせるようになって来ています。1年目の医者にとっては看護婦も医者も全員先輩。すごーく肩身が狭いのです。頭の中にはいろんな知識が詰め込まれていても、採血、点滴などの処置は、学生の時に数回やったばかり。まずは、自分達で、お互い採血の練習。手順から覚えます。一通りお互いに練習して、さらに先輩の腕も借りて、練習します。何とかできるようになってきたら、患者さんのところへ。。。
初めのうちは、朝7時半から通常は看護婦さんの仕事である採血をさせてもらいます。
しかし、患者さんは私達健康な若者と違って血管が細く、脆いのです。さらにのしかかるプレッシャー。失敗を重ねます。患者さんが怒ってしまう事もしばしば。
「二度と来るな!」
「自分達で練習してから来い!」
めげそうにもなるのですが、
「へたくそだなあ。逃げないで、入るまで自分でやれ!上手い人呼んできたら何時まで経っても上手くならんじゃないか。」
と、教育的お叱りを受けると必死で頑張るのです。
研修医の立派な血管では練習にならないと、一式持ち帰って母親で練習した事もありました。母は強いですねー。喜んで実験台になってくれました。それに引き換え父親は、顔色を変えて走って逃げてしまいました。
課題は更に続きます。採血は針が血管に当たってさえいればいいのですが、点滴は一定の長さの針を血管内に納めなくてはならないのです。これがまた難しいのです。こうして私達研修医はみずから腕を穴だらけにして、失敗された患者さんの痛みを実感するのです。
春はこのように新人のStartの時期なので、大きな病院では要注意です。ただし、重大なミスは起こらない様に二重三重に上の目が光っていますので、その点は安心してください。
そして、こんな新人達をどうか温かい目で見守ってください。
医者はもてる。
やはり皆様が気になるのは、医者と看護婦の関係でしょうか。
ご想像通り医者はもてます。(ただし、男に限る。)
学生時代は浮いたうわさ一つ無かった、ちょっと冴えない彼でも、気づくと結構可愛い彼女がいたりする。
<このヒトきっと結婚しないんだろーなあ。>と思っていた人に彼女が出来たと聞いて、多大なるショックを受ける事も。。。
やはり、白衣と、医者に対するイメージの効果は絶大なり。
看護婦さんと、若い医者との飲み会は頻繁にあり、看護婦さんからのお誘いも結構ある。私も同行する事もあり、カラオケボックスなんか良く行きますが、<あれ?2人いないなあ。>などと思っていて、トイレへ立ったとき、廊下で空いていた部屋から出てくる二人にばったり。なんてことも。。。
飲み会の後は医者のアパートで看護婦さん数人が添い寝。なんて場面も珍しくないらしい。
結婚相手を見つけるのに苦労しそうな人は迷わず医者を目指すべし!
医者もただの男。
医者は聖職なんて間違ったイメージを持ってる方も結構いらっしゃるのでは?
もちろん医者の鏡のような真面目な人もいるけれど、医者もただの人間です。
春はは健康診断の季節。健診のバイトが医局に貼り出されます。
時間の合う人は申し出てバイトにいくのですが、女子大、女子校の健診ともなるとみんな目の色が変わります。行きたくても行けない人の<うぉ〜!!金払ってでも行きてぇ〜!!>という叫びがこだまします。幸運にも行けた輩のなかには一人一人頭の中で体重予測しては、用紙に記入してある実測値との誤差に一喜一憂している人さえもいます。(ただし、これは極一部の人だけね。)健診会場では、女医がいればそこに長蛇の列が出来てしまうこともしばしば。以前、私のとこに列が出来て、そこは入り口近くだったので、<ちょっと場所交換してよ>といって交換したのにやっぱり奥の私のとこに列が出来てしまったという間抜けな先輩もいたっけ。。。
でも、女子大の健診はホントにすごい。終わるとバッグにしまった聴診器から香水のにおいがプンプンするんだから。ワンピース着てきちゃって全部脱ぐ人はいるわ、はじめから水着みたいな服装の子はいるわで、そりゃあ普通の男の人なら行きたいよね。
受ける人も気をつけましょう。
ギョーカイ用語集

ステる:sterben(ドイツ語)からの造語。亡くなるという意味。
ムンテラ:Mund therapieの略。直訳すると口療法。昔は、言葉で治す。時にはごまかす。
とい うように使われていたらしいが、最近は、患者さんや家族に病状説明、
治療説明をする事をさす。インフォーム.ド.コンセントの軽い版のような感覚。
ゼク:亡くなった患者さんの病理解剖の事。
オーベン:oben(ドイツ語で)上指導医の事。大きい病院では研修医と指導医がペアとなって 診療に当たる。
ネーベン:指導される研修医の事。
プリセプター:看護婦でのオーベンに当たる言葉。
プリセプティー:同じく看護婦のネーベンに当たる呼び方。
レジ:resident(英語)研修医をさす。欧米では、研修医は病院、瞭に住み込んで働く事から
いわれる。
スーナー:nurse(ギョーカイ用語か???)看護婦の事。
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