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圧 力

 海中に潜れば当然まわりの圧力が大きくなり、およそ10m潜る度に1気圧増加する。したがって潜水は圧力との戦いであると言っても過言ではない。
 圧力による主な影響は次の二つに大きく分けられる。
 一つは気体の容積が圧力に反比例して物理的に変化する事から生じる影響であり、これに起因して生じる障害が圧外傷と呼ばれるものである。
 もう一つは、環境の不活性ガスが生体のからだの中に溶け込む量がまわりの圧力に比例して大きくなることから生じる障害であり、減圧症と呼ばれる。その仕組みは、海中の高圧下では生体内に溶け込む不活性ガスの量が通常の大気中で溶け込む量よりも大きくなり、この状態から浮上、すなわち大気圧環境の中に戻ると、通常の1気圧中で溶け込んでいるよりも多い不活性ガスが体の中に存在することになり、これが気泡化して減圧症として知られる障害を起こすというものである。
 その他に、生体の細胞に直接圧力が影響を及ぼしている可能性も考えられる。それは高圧神経症候群というもので、深度200m前後以深から、脳波に変化を認め、吐き気、めまい等を訴える。
 また、圧力が間接的に生体に影響を及ぼすことがある。圧力が増せば気体は圧縮され、同じ容積当たりの呼吸ガスの密度ないし重さは増加してくる。ところが、呼吸抵抗に最も大きく関連してくるのが呼吸ガスの密度であるので、深く潜れば呼吸抵抗が大きく増加し、許容範囲を超える可能性もある。深い潜水に密度の小さいヘリウムを用いるのは、空気中の窒素による窒素酔いを防ぐのみならず、呼吸抵抗を小さくする意味もある。

温 度

 水の熱伝導度は空気の26倍、比熱は同じく1000倍になるので、水中では体熱が奪われやすく、低体温症に罹患しやすい。深い潜水では温水を使ってダイバーを直接暖めるのみならず、呼吸ガスの加温が必要になることがある。

その他

 水の屈折率と生体の目を覆っている角膜の屈折率がよく似ていることから、裸眼では水中でものをはっきりと見ることが出来ない。また、面マスクを着けているときでも、ものは約1/3近づいた状態の大きさに見える。また、赤色光は吸収され、全体に青みがかって見える。さらに、水の中を音波が伝わる速度は空中に較べて格段に速いので、音のする方向を人の聴覚によって捉えることは困難である。