ENDER'S GAME 1985
オースン・スコット・カード ハヤカワ文庫
野口幸夫=訳 1987 【bk1】
同タイトルで1977年に発表されたデビュー作(短編集『無伴奏ソナタ』に収録)を長篇化した作品。
近未来の人類が、アリをそのまま大きくしたような形状をした地球外知的生命体(「バガー」と呼称される)に侵略され、しのぎ、再び侵略され、撃退し、そして来るべく「第三次侵攻」に備えている。全地球的な対「バガー」的軍事組織「IF」(国際艦隊)は、世界中から天才少年・少女を「ザ・ベルト」(小惑星帯)の「バトル・スクール」(戦闘科)に集め、恐るべき軍事英才教育を行っていた。
「エンダー」は主人公の名前(本名アンドルー・ウィッギン)。紆余曲折を経てバトル・スクールに入学した彼は、かつてバトル・スクールで学んだ誰よりも激しく天才ぶりを発揮していくこととなる。
ストーリーはここまでしか紹介できない。とにかく、圧巻。
この作品を短く効果的に評すれば、「ラグビーみたいな作品」ということになるのではないか。
ラグビーには陸上競技・球技・格闘技などの基本的な要素がすべて盛り込まれている。プレーヤーはボールを求めて走り、跳び、対戦相手を掴み、転ばせ、ねじ伏せ、ときに蹴り、殴る。ボールは掴まれ、投げられ、蹴られ、受け取られ、めり込まん勢いで地表に激突させられる。
読者を引き込むストーリーが展開する中で、この作品にはおよそ全ての文学的モチーフが登場すると言って過言ではないし、また、その要素がすべて超一流の水準に達していると言っても、いくら筆舌を尽くそうとしてそう言っても、この作品から受け取る感動を十全に言い尽くすことは出来ない。
アメリカでSF作品に送られる最も権威あるヒューゴー・ネビュラ両賞を受賞。
翌年に発表された続編『死者の代弁者』(SPEAKER FOR THE DEAD)も両賞受賞。同一作家が二年連続で両賞を受賞したのは史上初。
更なる続編『ゼノサイド』もあるが、また姉妹編『エンダーズ・シャドウ』もあるが、これらはお勧めできない。恐らく読まなくて良い。
読むべきは『エンダーのゲーム』と『死者の代弁者』である。
死者の代弁者(上【bk1】・下【bk1】) SPEAKER FOR THE DEAD
…と褒めちぎっておいてなんなんですが、わたしがこの作品を紹介した友人の一人は「オレこういうの駄目」と言っていました。わたしの個人的な評価が高いだけかも知れません。
創刊500号を記念して実施された『SFマガジン』誌上での「オールタイムベスト」(1998年1月号。2月号は日本SF特集)では、20位。好き嫌いが分かれる作品かもしれません。
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