ハーバート・ヘンディン著 (大沼安史・小笠原信之訳)
時事通信社2000
【bk1】
「自己決定権」を元にして為される究極の「医療」行為の一つに「安楽死」があるが、それが先進国中で唯一「合法的」に行われているのがオランダである(「安楽死」先進国オランダ)。
本書はオランダの「安楽死」事情を紹介するとともに、患者の同意がないまま、さまざまな外圧からいわば押しつけで「安楽死」が行われている事実をも紹介し、「安楽死」推進派の論理を検証する。
また「死にたい」と意思表示する人に思いとどまることを一切要請せず何の躊躇もなく自殺幇助をする医師を紹介し、その検証も試みている。
たとえそれが「医療行為」として認知されているとしても、それをそのまま鵜呑みにして、その行為を医師や著名な学者の作る壁の中に囲い込ませてはいけない。医療行為や医療技術は、医療に携わるのとは異なる側、つまりそれを受ける一般人の感情に根ざした論理で絶えず検証していかなくてはならない。そう強く思わされる書である。