平成30年6月15日~9月18日は「植物の不思議な世界Ⅳ」展を開催しています。
 
次に紹介するのは展示作品の一例です。

エーデルワイス(セイヨウウスユキソウ)

 夏でも氷点下になることのある高山でどうして生きていけるのか?
 実は地上部には綿毛が密生しており、羊毛を被ったかに見える。開花茎は20-30cmほどまで伸びるが、栽培環境下では最長40cmにまで成長したことがある。花は星のように長くて白い花弁を伸ばしているかに見えるが、花弁ように見えるのは苞葉と呼ばれる変形した葉であり、本当の花はその中心に立った径5-6mmの小さく黄色い筒状の花序、5~6輪がそれである。開花期は7-9月。多年生ではあるが、寿命はそう長くはない。
 地上部を緻密に覆う綿毛は高地環境へ適応した結果と見られる。本種に限らず高山植物は他の植物が生育しえない場所で成長するため寒さ、乾燥、および紫外線から植物体を保護する何らかの仕組みが必要だからである。

ザゼンソウ

ザゼンソウは何故発熱するのか?
 ザゼンソウは氷点下の気温が1~2週間続いても、花の温度を15~22℃に保つ。
 ザゼンソウの発熱細胞には豊富にミトコンドリアが含まれていることが明らかになっている。しかしながら、発熱の詳細なメカニズムは、現在のところ分かっていない。ただ、ザゼンソウが体内に蓄えた炭水化物を燃焼・代謝する過程で熱を発生させていることが分かっている。
 発熱時の悪臭と熱によって花粉を媒介する昆虫(訪花昆虫)であるハエ類をおびき寄せると考えられている。全草に悪臭があることから英語では Skunk Cabbage(スカンクキャベツ)の呼び名がある。




セイヨウタンポポ

タンポポの不思議な動き
 タンポポは、花のときも種子を飛ばすときも花茎(花だけをつける茎)は立っている。でもよく観察すると花が終わったあと、花茎はいったん倒れることがわかる。そして夕ネが実るころまた起き上がる。この体操のような動きには、未熟な果序が強風や通りがかりの動物などに折られたりするのをふせぐという意味がある。種子が熟すと、花茎はふたたび立ち上がり、花のときよりはるかに伸びる。こうすれば種子を飛ばすとき、高いところにあって、風を受けやすい。




コチョウラン


コチョウランを土に植えたらどうなるの?
コチョウランは着生植物で、木の幹などに着生して自生している。家庭で栽培するときは、鉢植え用の土の代わりに、コイア(ココヤシの皮)と繊維質の岩綿と樹皮のかけらでできたかたまりを利用する。野生のコチョウランが寄生する樹皮の環境を再現したものだ。コチョウランの根は木の表面にくっついて生きていけるようにできているので、板にくくりつけるだけでも育つことがある。逆にほかの草花と同じよう に土に植えてしまうと、間違いなく枯れてしまう。根が土に覆われたり、ずっと湿った状態になると、根腐れを起こして枯れるからである。





ダリア

ハチがハチには見えない赤色のダリアを訪れるのは何故か?
 八チに見える色は白、黄、緑、紫で赤色は見えない。しかし、人間の目には見えない紫外線色が見える
 ハチの視界を再現した紫外線カメラで花を撮影してみると、縞状の線や点、同心円などがくっきり見えることが多い。この模様が滑走路の誘導灯のような役目を果たしていて、どこを通ってどこへ行けば蜜にありつけるかをハチに教えているようだ。その道しるべ(ガイドマークまたは蜜標という)に従って蜜のありかまで進むときに、ハチの体が花に触れ、花粉を集められるよう仁なっている。人間の眼に見える色のちがいはハチにとってそれほど大事ではないこともある。ハチが識別できる色は限られているので、自然と青から紫色の花を好んで選ぶことが多い。ただし、道しるべさえはっきり見えれば、ほかの色の花に引き寄せられることもある。ハチには赤い色が見分けられないのに、ダリアなど明るい赤色の花を好むことがあるのは、道しるべがはっきり見えているからだ。花は必ずしもハチに見える色で誘惑しなくてもいいということだ。