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1997.4.1 renew

内容

はじめに

1.美術データベースの現況

2.美術シソーラス作成計画

3.ディスクリプタ収集と問題点

4.索引作成方法と問題点

5.UTOPIAとWebでの公開

6.今後の課題

はじめに

筑波大学日本美術シソーラスデータベース作成委員会(代表真保亨教授)では、文部省科学研究費補助金データベース公開促進費の援助を受け、1992年から4年計画で「日本美術シソーラスデータベース(英語略称JART-P)」を作成した。

当初計画と中間報告については『情報処理学会研究報告:人文科学とコンピュータ』15-3(注1)に報告した。

しかし、筑波大学学術情報処理センターのUTOPIAにデータを公開するに当たり、フィールドを大幅に追加してデータ構造を変更したこと、さらに、最近のインターネット(以下、Inetと言う。)技術の発展に伴う状況の変化を加味し、原稿執筆時点から、WWW(以下、Webと言う)(注2)での公開を前提に報告する。

従って本稿はWebを主体にブロックレイアウト(注3)で記述し、Webを放送の観点で捕らえる故、論文形式と異なり敬称は省略しない。

1 美術データベースの現況

1.1 電子的美術情報の種類

美術データベースを分類すると、以下のとおりとなる。

これらの日本美術関連情報は、日本で作成すべきであり、1980年代後半にデータベース化の動きが出てきた。

1.2 作品情報

作品情報については、冊子体では、古くは室町幕府の『君台観左右帳記』が東北大学附属図書館等に所蔵され(注4)、近代以降では『東京国立博物館収蔵名品目録』(注5)、『東京芸術大学蔵品目録』(注6)など、個々の所蔵館で出版している。

全国的展開を見せて参考になるのは、『国華』(注7)など美術雑誌の索引、『日本学術資料総目録:美術工芸編』(注8)などの目録、『原色図展日本美術史年表』(注9)など年表類の索引である。

データベース化計画では、1989年に文化庁が計画した「文化財情報システム」が挙げられる。

「文化財情報システム」では「共通索引記入方式」が提案され、各美術館が作品の記入形式を統一することで、同じ検索式で利用者は検索できる(注10)。(索引項目は別表1、具体例は図1)。

また、ハイビジョンミュージアム推進協議会(注11)が発足され、各美術館は自館の所蔵品に解説を加えハイビジョン化し、現代版「絵解き」(注12)を行っている。

一方、1994年以降のInetの普及(注13)により、作品の所在情報や画像情報は、欧米の美術館を中心にInetのマルチメディア情報表示機能であるWeb上で提供されている。

Webはgopher(注14)と異なり、音声・画像・動画をもサポートしており、WebブラウザであるMosaic(注15)の開発以来、最も有効なコミュニケーション手段となってきた。

1997年1月現在、WebブラウザのデファクトスタンダードであるNetscape Navigator(以下、Navigatorと言う。)は、世界中で4,500万人が利用している。

この分野について、欧米ではルーブル美術館(注16)、メトロポリタン美術館(注17)、オルセー美術館(注18)などの美術館、レオナルド(注19)、ピカソ(注20)、ダリ(注21)など作家個人のURLなど、質量ともに圧倒している。

日本でも、東京国立博物館(注22)、東京国立近代美術館(注23)、大原美術館(注24)、徳川美術館(注25)、原美術館(注26)や画廊などで、着々とHTML化が進行しつつあり、Webの楽しみともなっている。

これらの情報については、初期の段階から塚原美術修復研究所(注27)や、アート遊(注28)、Yahoo Japan(注29)などがナビゲータとなっており、Yahoo Japanで1997年2月22日現在調査したところ国内の美術館が631件検索されている。もちろん実際の美術館はもっと少数であるが、各館の自己表出としてその数は加速度的に増大するであろう。我々のアートナビでもシソーラスに合わせて提供すべく準備中(1997.2.22現在)である。

1.3 美術書目録・所蔵情報

美術書や美術雑誌の目録・所在情報は、最も早くデータベース化されている。

日本美術だけに絞った目録・所在情報は、現在のところ存在しないが、J-MARCや(注30)、NACSIS-CATに登録された目録・所在情報はオンライン(注31)で有料で検索でき、CD-ROM版では季刊書誌ナビ(注32)が比較的低価格で利用できる。

また、全国の大学図書館はWebで自館所蔵情報を無料(当然のことであるが)で提供している(注33)

特に筑波大学体育芸術図書館は、1990年から研究室に寄贈されてきた展覧会カタログを同館へ集中配架した結果、芸術関係資料の充実が図られ、かつ学外者への利用についても積極的である。

同大学の蔵書はTULIPS蔵書検索のWeb版(注34)でも検索できるが、資料数や、地理的な便からは、東京芸術大学附属図書館や、国公立の公開美術館資料室の全データがまずデータベース化されることが望まれる。

1.4 論文の索引・抄録情報

論文の索引・抄録誌は『日本東洋古美術文献目録』(注35)、『芸術・美術に関する10年間の雑誌文献目録』(注36)などの文献目録、前出の『国華』などの美術雑誌の総索引、『日本美術絵画全集』(注37)などに含まれる個々の論文索引を所蔵している図書館や個人は活用できる。

引用索引誌とは、ある論文と引用した論文は類似主題である、との考えで作成された索引誌で、著者索引、主題索引、引用索引によって芋づる式に関連する論文が検索でき、日本でも作成が望まれている。

西洋でのオンラインやCD-ROM、Inetでの検索は進んでおり、その事情については、ナディン・ウオルター著、水谷長志氏訳の「視覚芸術研究におけるコンピュータ利用の概況-1991」(注38)に詳しい。ここでは特に索引誌のArt Index(注39)や、引用索引誌の Arts & Humanities Citation Index(略称AHCI)(注40)を取り上げる。

Art Indexは、欧米約240の芸術関連雑誌に含まれる主題、個人名、論文名、雑誌名、団体名、出版年から検索でき、1984年からCD-ROM化され、美術系の大学図書館等で導入されている。

AHCIは、SSCI(社会科学引用索引情報)、SCI(科学引用索引情報)とならぶ、ICI社の3大引用索引情報の一つで、UTOPIAなどのオンライン情報検索システムで検索でき、現在は、CD-ROMサーバによる情報提供もなされ、各図書館等では、LANを介して利用できる。

日本の索引誌では『雑誌記事索引』(注41)がある。こちらもデータベース化されており、冊子体を199?年から廃止している。 また、西山健史氏はこれらの情報の必要性を強く感じ、『東洋古美術文献目録』等12誌の索引情報をデータベース化して、ボランティアで検索サービスを代行している(注42)

1.5 辞書情報

辞書情報については、『新潮世界美術辞典』(注43)がCD-ROM版として1995年にPC98用に発売された。

現在のところ、PC98(CD-ROM装置が必要)以外に対応しておらず我々は利用できないが、今回、本稿を執筆するに当たり、筑波大学体育芸術図書館で試用してみた。 このシステムの検索機能は、見出語検索、キーワード検索、グラフィック検索があり、前方一致、後方一致、and、orができる。

検索結果に表示される項目で解説された見出し語は、リンクされており、その情報が別ウィンドウで表示され、電子辞書の偉大さを感じさせた。 図は2色で白黒2値と8階調がある。グラフィック検索では、時代、地域、分野、属性、宗教で組み合わせることもできる。詳細については、本計画と比較し、後述する。

2 美術シソーラス作成計画

シソーラスは膨大な専門的主題語(以下、ディスクリプタと言う)をグルーピングし、概念を階層化することで、より上位の概念からも検索可能とすることを目指したもので、シソーラスの有効性は検索もれを防ぐことにある。

例えば、俵屋宗達というディスクリプタでシソーラスを作成した場合、同一人名として正論、俗論の別はあれども、喜多川宗達、野村宗達、野々村宗達、伊年、對青軒、以悦などで論説される。

さらに、より上位の概念として宗達派、琳派もしくは宗達・光琳派、あるいは光悦流、さらには大きくは「やまと絵」、世界的に見ては「日本画」という流派・様式として論じられる。

さらに、流派の属する時代や地域区分から、江戸時代絵画、徳川時代絵画、江戸前期絵画、もしくは近世絵画、あるいは京都美術史、日本美術、東洋美術などの、より包括的な概念で論ぜられる。

これらは論文名中に宗達という文字がなくともシソーラスを作成することで包括的に検索できる。特に著名でない主題の場合、シソーラスが作成されると、流派名からブラウズでき、フリータームによる検索より有効な場合が多い。

美術に関するシソーラスでは、1990年にPetersen, Toni氏が"Art & Architechture Thesaurus"(以下AATと略す)を著したが(注44)、日本美術に関するシソーラスとしては大まかで、時代区分や主題の間違い、階層内はアルファベット順であること、遺漏した主題が多く、日本美術シソーラスとするには妥当ではない。参考までに日本美術関連部分のシソーラスを別表2に記載する。

国内では上田修一、伊藤可恵の両氏が"美術シソーラスの問題点−シソーラスの試作とその検討"(注45)でシソーラスを試作している。

上田氏は"美術分野のシソーラス"(注46)でカテゴリー案を提示している(表3)。

それによると、絵画カテゴリーには様式名、材料名、技法名が含まれ、様式名は上位下位の関係を明確にし難く、階層化はせずに列挙的に表示し、代表的画家を含めておけば、その範囲を暗示的に示し、検索に役立つとしている。

また、ディスクリプタの収集には、人名、作品、地名等の固有名詞が多く、極めて多数の標題を抽出しなければならず、多くの労力と時間を要するので、標題や文章よりも『新潮世界小辞典』のような包括的辞典などの辞典類を用いたほうが効率的、としている。

さらに、シソーラスの他に作品名、作者名、地名などの典拠ファイルを作成し、必要に応じてシソーラスと対応させることで、相互関連を行おうとしている。

しかし、美術研究者にとって必要な電子的情報は、雑誌論文に含まれる主題であり、代表的画家だけではなく、論ぜられた画家や作品、あるいは用語であり、辞典類だけでは網羅できず、今回、確認用に利用した辞典類に掲載されていない主題はかなりあった。

また、分類担当の図書館員にとっては図書や展覧会カタログに含まれる画家や作品及び用語である。

従って、当時は、論ぜられた画家や作品あるいは用語の概念を電子的情報で明確にすることが強く望まれていたし、また、現在も同様である。

近年のコンピュータ技術の発達によって、パソコンで個人データベースを構築したり、一太郎の利用は当然として、jLaTex(注47)で論文を作成する研究者もおり、Inet上での論文処理を考えHTML、さらにはSGMLで記述する研究者も出現した(注48)

また、筑波大学学術情報処理センターでは、UTOPIAと称する学術情報検索システム(注49)を構築しており、パソコンデータを大型計算機にアップロードし、情報検索システムを構築できる環境にあった。

そこで、情報処理関係委員の指導のもとに、以下の目的で「日本美術シソーラスデータベース絵画編」をUTOPIAのデータベースとして公開できるようプロジェクトを編成した。

  1. 美術研究に望まれるシソーラスを含む辞書情報の構築、
  2. 大型計算機の情報検索システムへアップロードするためのパソコンデータの構築方法の実験
  3. 入力担当学生アルバイトへのパソコン美術教育

シソーラスデータベースは検索の手段としてのグルーピングが基本となるが、今回のシソーラスの対象となる主題(ディスクリプタ)は、論文や図書に取り上げられた主題を基礎としたが、美術史研究者はシソーラスと言うと、画風や画題に含まれる主題の階層概念をまず想定する。

主題の検索に関しては、我々の作成した「論文に含まれる主題」、文化財共通索引方式で提案される「作品主題」などの固有名に対して、上田氏らがその後発表した、「絵画の索引法:段階的絵画解釈を応用した三つの索引法によるデータベースの作成と評価」(注50)、「絵画データベースの検索手法:ベクトル型検索手法の可能性」(注51)など、「画像作品」を主体とした示唆に富む検索手法については、本シソーラスにおける作品検索に関して、文化庁の「共通索引方式」とともに、今後の拡張計画の参考となろう。

3.ディスクリプタの収集と問題点

3.1ディスクリプタの収集

ディスクリプタの収集は前述したように、一次資料を重要視した。

一次資料では、以下を参考に掲載頻度の高いディスクリプタを選定した。

二次資料では、以下を参考にディスクリプタを選定した(敬称略)。

基本的には、一次資料に含まれるディスクリプタは全て収集すべきであるが、入力の実作業の関係で、重要事項を中心に年間5-600件を目処に4年計画で2,210件を収集した。

ディスクリプタの種類も時代によって異なる。今回作成したディスクリプタと、『日本東洋古美術文献目録の論文数』を比較すると表4のとおりとなる。

表4 ディスクリプタの割合

近代以降では作品より、作家の情報が重要となる。作家個人に関する情報は画集や展覧会カタログから収集されるが、収集すべき作家に対する「評価」問題があり、これまでほとんど系統化されることはなかった。

出版物として前述の『近代日本美術事典』があるが、近代美術史の場合、対象がつねに拡大するので恒常的に基礎データの収集が不十分である。これについてはすこしずつ状況が好転している。

各地に設立された美術館の活動で展覧会、とくに回顧展の開催のため、作家の履歴、作品に関する所在調査などが積極的に進められ、展覧会カタログに詳細に記述されるようになった。こうした美術館の展覧会カタログなしでは、入力不可能であったが、さらに、1984年に発行された中原佑介氏の『現代美術辞典』(注60)以降の新作家群や、前述の各美術館のInetへの発進など、今後のディスクリプタ収集を継続しなければならない。

「評価」問題についても、こうした美術館における展覧会が、ある展望を与える。美術館の数が限られていた時代には、どうしても美術館は必要以上の権威を求められ、どこそこの美術館で作品が収蔵される、あるいは展示されることが、作家や作品の評価に直ちに関係していた。

今日でも美術館はそうした問題と無縁ではいられないが(なぜなら専門家としての判断なくして作品収蔵も展覧会企画も実現しない)、展覧会数が大幅に増加することにより、特に地方美術館が地元出身の作家(東京に出て教育を受けた作家の場合もあるが)をさかんにとりあげることにより、評価がより自由にくだせるようになったと云える。

情報検索の手法からは、網羅的にディスクリプタを収集して、『君台観左右帖記』のような評価項目を別に立てる方法が良い。

美の価値判断は、時代精神や観者の精神により異なり、記録に残された「評価」は「評価者達」の精神状況を反映する。その意味では、本プロジェクトも「評価」を下すべきであったかもしれない。

時代精神の差違は、例えばたった180年前の「平安畫工視相撲」(注61)の大関、岸雅楽之助こと岸駒は、岸派の祖として俎上に乗るが、一方の大関、呉浚明(五十嵐浚明)は現在では俎上にも乗らない。

ディスクリプタの選定には、さらに、今回「絵画編」としたので、古くは本阿弥光悦の例もあるが、現代美術では特に、従来の、絵画や画家という概念では対応しきれない仕事や作家が多数でており、名称の変更も必要となる。

さらに、今回の方針として、典拠資料がある事項を主とした関係上、名称のみで流派不明や事績不明の画人や、個々の作品は、再度調査することにして次期計画へまわした関係上、最終的には、ディスクリプタの構成は変わるであろう。

3.2 ファイル構造

大型計算機にはMS−DOSのテキストファイルからアップロードした。

パソコン上でデータを処理するにはデータベースソフトの方が効率的であるので、当時、世界的に定評のあったdBase3+(注62)のスーパークローンソフトdBXL(注63)を使用し、日本語FEPはdBXLと相性の良いATOK6(注64)を使用した。

ファイルは、当初、親ファイルと著者典拠ファイル、作品典拠ファイル、時代年代テーブルファイル、事項ファイルを作成する予定であったが、複数ファイルを作成して複雑にするより、当面、親ファイル1つだけ作成し、必要な全てのフィールドを入れることとした。

このことは、dBXLがリレーショナルなDBMSとは言え、関連付けのプログラムを書く作業が必要であったが、その作業が軽減された。しかしファイルが大きく、動作が鈍くなった。

1993年頃Windowsが登場し、MicrosoftのAccessやExcelにデータ変換しようと考えたが、本プロジェクトの非力なマシンでは満足に動作せず、結局MS-DOS版のdBXLで作業を完了した。

フィールド名は分かりやすく漢字とし、属性も全て漢字フィールドとした。UTOPIAへアップロードするに当たり、フィールド名は英文字3字に統一した。

表5にファイルの構造を示す。

当初計画は1レコードにつき、53フィールドであったが、最終的には69フィールドと大幅に増加した。これは、主にシソーラス部分のフィールド増加による。

また、解説の英文は本文作成後翻訳したので、別ファイルとして11フィールドとなった。 以下に特定レコードの見本を示す。


  1. JAN=459
  2. CNT=日本国内
  3. ONC=京
  4. ERA=2
  5. PRD=L
  6. KER=ちゅうせい
  7. KPR=室町時代
  8. GCH=11
  9. CHR=画家(絵師・絵仏師・画僧・画人・造形作家)
  10. AFL=絵画
  11. FRM=
  12. RLG=
  13. FNO=EF
  14. ARE=漢画
  15. FLD=漢画派−阿弥派
  16. BRN=阿弥派
  17. SCH=阿弥派
  18. SHD=真能
  19. RSH=しんのう
  20. ESH=SHIN'NOU
  21. RNS=しんのう
  22. PEN=能阿弥,真能,鴎斎,春鴎斎,(本朝画史),欧斎,春欧斎(水墨美術大系6巻),秀峰
  23. RPN=のうあみ・能阿弥,しんのう・真能,おうさい・鴎斎,しゅんおうさい・春鴎斎,しゅうほう・秀峰,おうさい・欧斎,しゅんおうさい・春欧斎
  24. BNO=amiha001
  25. SID=nouami01
  26. IDX=1
  27. BRT=1397-
  28. DDY=1471
  29. CBR=1397
  30. ADR=京か
  31. FTH=
  32. CHL=真芸(芸阿弥)
  33. FMR=
  34. TCH=牧渓に私淑。周文に師事。(本朝画史)
  35. WK1=白衣観音
  36. MT1=絹本墨画・淡彩
  37. WY1=1468
  38. TR1=
  39. HL1=
  40. WR1=
  41. WK2=一葉観音
  42. MT2=紙本墨画
  43. WY2=
  44. TR2=
  45. HL2=常盤山文庫
  46. WR2=
  47. OCC=同朋衆
  48. EXP=→能阿弥。1431年聖衆来迎寺蔵十界図を修復(軸木銘)。1437年『室町殿行幸御飾記』を記す(徳川黎明会蔵写本奥書)。1443年唐絵鑑定(看聞御記)。1458年二十四考の絵を議す(蔭涼軒日録)。1468年「白衣観音図」を描く。1471年「辞世和歌下絵蓮図」(正木美術館奥
  49. EXC=書)。
  50. FRT=水墨山水図。他に書、香、連歌。
  51. BRS=「・・則筆力稍健。然平淡趣高。・・」(本朝画史)。中国宋・元画様式にやまと絵の手法を加味する格調ある画風。真・行両体がある。但し、鴎斎、春鴎斎筆は作風の違いから別人か。
  52. STT=阿弥派の始祖。足利義政に仕える同朋衆。書画鑑定、表具、座敷飾を担当。
  53. TNO=EFL11
  54. ND8=721.3
  55. DC9=759.95
  56. EBR=Ami school painter
  57. OPD=1030
  58. RF1=等伯画説
  59. PB1=日通上人
  60. PY1=
  61. PF2=本朝画史/狩野永納撰(日本画論大観/坂崎坦所収)
  62. PB2=狩野永納
  63. PY2=1693
  64. MMB=
  65. HSC=
  66. SCT=
  67. NTE=「蓮図」・正木美術館蔵 、「連歌巻」・天理図書館蔵「御物御画目録」に「・・能阿彌之を撰す」の奥書あり。また、「御花園院永亨九年十二月二十六日左大臣家御幸御飾記 能阿記」の標題の写本あり。(日本美術絵画全集6巻)
  68. ARN=E
  69. EEX=1

  1. JAN=459
  2. SHD=真能
  3. ESH=SHIN'NO

3.3 フィールドの特徴と問題点

3.3.1 時代区分

時代区分は政治史の事件が目安とはなるが、美術様式の変遷が主となり、研究の時期や研究者によりその区分も呼称も異なる。前掲の『日本絵画史図典』、『日本美術史年表』、『日本美術史事典』の間でも、若干異なる。

区分のゆれに対しては、同義語として関連づけ、相互参照できるようにした。
また、時代の変わり目の主題については、代表作の属する時代区分とした。
さらに、当初は時代区分として、表6のように12の区分を作成したが、もっとおおまかな区分ということで、古代-現代への5区分のフィールドをも作成し、さらにソートフィールドを設けた。

表6 時代区分

3.3.2 地域区分

地域区分は、地域名、地域旧名、出身地(または活躍地)の3フィールドで、Inet上では、地図を作成する予定である。

旧地名と現地名の同定は、時代を見て決定した。

3.3.3 分野・中主題・主題

シソーラスの作成すなわち、分野・中主題・主題の階層関係を作成することが本プロジェクトの主要な目的である。

国際標準の美術シソーラスを目指したAATは日本美術関係としては役立たないことを前述したが、LCの件名標目表やAHCIでも収録論文件数の少なさから同様のことが云える。

日本における美術研究雑誌や論文目録の目次や索引は、それぞれ同義語関係、上下関係、あるいは関連語関係すなわちシソーラスを何等かの意味で形成している。

ここに代表的な索引の階層関係を示す。

3.3.3.1 『国華』

表7 階層関係1
形態(図版/論文/雑録)
分野(総記/絵画/彫刻/建築/工芸/書)
地域(日本/中国/朝鮮/その他)
時代順主題(総説/仏画神道絵画/やまと絵/肖像画/中世漢画/狩野派/近世漢画諸派/宗達光琳派/南画/円山四条派/浮世絵/近世諸派/近世風俗画/洋風画)

3.3.3.2 日本東洋古美術文献目録

國華ほど明確に分類されないが、各主題は適宜、地域別、材料別、時代別に細分される。

表8 階層関係2
分野(総説/絵画/日本画家/支那画家/書/彫刻/建築/工芸/考古学関係/歴史関係/其他
形態的主題(総説/文様・模様・図案/色・染色/文房四宝/印刷/書籍)
地域(全般/東洋/日本/支那/・・)
時代順主題(全般/上古/飛鳥/・・・
分野(総説/絵画/日本画家/支那画家/書/彫刻/建築/工芸/考古学関係/歴史関係/其他
地域(総説/日本美術/支那美術/・・・)
時代順主題(画論・美学/美術史/仏教美術/神道美術/やまと絵/漢画/材料/画題/所蔵)
材料等(絵巻関連/大和絵論/土佐派/芦手絵/歌仙絵/・・)

3.3.3.3 芸術・美術に関する×年間の雑誌文献目録

雑誌記事索引とほぼ同様の構成である。主題は50音順と階層化されたものと混在している。

表9 階層関係3
分野(芸術・美術一般/芸術理論/芸術史・美術史/絵画/書/彫刻/写真/工芸)
中主題(海外/回顧・展望・年表/芸術祭・芸術史/芸術時評/人物評伝・追悼/日本芸術・日本美術/美術用語)
50音順主題(芸術家・美術家/芸術と社会・経済・・・/現代芸術・現代美術・・・デザイン・・・
時代順主題(全般/上古/飛鳥/・・・
分野(芸術・美術一般/芸術理論/芸術史・美術史/絵画/書/彫刻/写真/工芸
理論・材料・美術史の各50音順(絵画技法/絵画論/水墨画/題材/抽象画/追悼/浮世絵/絵本・挿絵・グラフィック/絵巻/劇画・漫画/幻想絵画/障壁画・壁画/版画/仏教絵画/文人画/日本画一般/江戸時代まで/明治以降/東洋/西洋)
流派の50音順(伊藤若冲・岩佐勝以(又兵衛)・・・宗達・光琳派・・・洋風画)
個々の画家の50音順(酒井抱一・渡辺始興・曾我蕭白(ママ))

3.3.3.4 日本絵画史図典

表10 階層関係4
時代順大項目(先史・古墳時代/飛鳥・奈良時代/平安時代/鎌倉・南北朝時代/室町時代/桃山時代/江戸時代/近代)
時代細分(江戸時代前期/江戸時代中期/江戸時代後期)
流派・様式主題(漢画系/やまと絵系/琳派/風俗画/浮世絵)
主題細分(探幽と江戸狩野派/山雪と京狩野派/久隈守景と英一蝶/漢画諸派/宮本二天と松花堂昭乗)

各目録等の項目設定や階層化は、個々の目録等の目的で異なり、シソーラス作成の困難さを島尾新氏は”検索システムと索引言語"(注65)で以下の問題点を挙げている。

  1. 同義語の統一(例:「絵巻」か「絵巻物」か。「絵巻」と「画巻」の同義性は。)
  2. 同一用語のさまざまな意味(例:「水墨画」「絵巻」。技法か作品群の絵画現象か)
  3. 複合語分割(例:「源氏物語絵巻」「慕帰絵詞」。源氏物語・絵巻は分割、慕帰絵詞は非分割。「源氏物語絵巻」と「源氏絵」との関連の問題)
  4. 複数の上位概念の存在(例:「源氏物語絵巻」は「源氏絵」「絵巻」双方の下位概念)
  5. 歴史用語の認識の違いによる差異(「白鳳時代」「奈良時代前期」は同一時代を指すが用語に含む意味の違い)など。

これらを考慮して美術用語シソーラスを作成するには、「ディスクリプタは排他的でなければならない」というJICSTのシソーラス概念とは異なるが、同一主題や、その上位概念を複数作成する方向を認め、概念の各要素のフィールドを設ける方法が賢明である。

そこで今回のシソーラス部分では、まとめるにあたり、結果的に当初フィールドを大幅に増加せざるを得なかった。

加えたものは、以下の色文字のフィールドである。

表11 JARTの構造
UTOPIAフィールド名内容
TNOSHシソーラス記号(学問分野区分+時代区分+属性区分)
IDX典拠区分属性大区分(例;画家=1、作品=2、事項=3)
GCHOY属性区分(例:画家=11、余技画家=12、作品=21、流派=32、、、)
CHROYA属性区分名(例;美術史、画家(絵師・絵仏師・)、、)
AFL美術区分美術細分(例;美術、絵画、彫刻、、、)
FRM形態区分主題の形態的区分(例;壁画、絵巻、、、)
RLG聖俗区分宗教区分(例;仏教、神道、世俗画、、、)
FNOBU学問分野区分(例;美術史->日本美術史->先史美術=AAC)
ARE大分野学問分野大区分名(例;美術史・芸術史、美学・芸術学、、)
FLD分野学問分野区分名(例;日本美術史、、、)
BRN中主題学問分野小区分名(例;先史・古墳時代美術、、、)
SCH流派様式・流派区分(例;狩野派、雪舟派、、、)
BNO中主題記号学問分野小区分(例;先史・古墳時代=sensh01)
SID固有記号主題アルファベット順固有記号(例;senshi01)

属性区分、美術細分、学問分野区分、学問分野大区分は、当初は分野の階層構造で解決させようと考えたが、最終的に別フィールドとすることとした。
また、流派区分は、中主題の階層構造から別フィールドへと変更した。

そこで、島尾氏の指摘に対しては、以下のように解決した。

  1. 同義語の統一(様々な用語は網羅的に収集し、典拠レコードへリンク)
  2. 同一用語の様々な意味(属性区分、形態区分、分野区分で該当主題を記入)
  3. 複合語分割(複合語、分割語、双方の主題を別フィールドへ記入)
  4. 複数の上位概念の存在(同一用語の複数の上位概念へは、リンクで対応)
  5. 歴史用語の認識の違いによる差異(意味の違いは別主題を立て解決)

では、『CD-ROM版新潮世界美術辞典』のグラフィック検索では、どのような構成となっているか、と言うと、ジャンルアイコンとして、表12のような分類がされている。

表12 ジャンルアイコン
分野概説建築絵画・版画
彫刻考古学・文化人類学
工芸陶磁・ガラス美術史・文化史
属性人名地名作品
様式・流派・運動用語主題・画題
材質文様美術館・博物館
宗教キリスト教仏教イスラム教

こちらは分野、属性、宗教の各ジャンルを3項目づつまとめ、見やすくなっている。

これらの構成の変更は、電子的情報では、フィールドがリレーショナルになっている関係で、非常に簡単であり、例えば本データベースをこちらに統一することも可能である。

3.3.4 YOMI,読み,名読み,名号,同読み

名号には、名、号、字、諱、通称等を調査できた範囲で記入し、その典拠文献が分かるものは()内に記入した。

「同読み」は大型計算機でインデックスファイルで処理できるよう、名号と読みを対応させ、句切り記号付きで複数データを入力した。

UTOPIA用のデータ処理システムFAIRSで、「同読み」を切り分けてもらい、すべての読みをインデックス化して、検索できるようにした。

実は、この作業が一番重要なことで、また、コンピュータの得意とするところである。

2,218件の項目は、名号だけで、4,061件へ膨れ上がり、名前の読みを含めば、約6,500件になる。

外来語については、「読み」は、カタカナ、ESHは原綴の姓,名とした。

3.3.5 生年,没年,推定始年

生年、没年が不祥で、推定年がある程度確立している場合、xxxx?とし、確立していない場合、未詳と記載したが、時代順にソートするため推定始年フィールドを設けた。

定説のない推定始年は、画僧の場合、没年から70才、作品から50才、画人の場合、没年から50才、作品から30才をさかのぼることとした。

従って、推定始年でソートすることで、30年前後の違いがあるかもしれないが、世代的に同程度である、という生没年表を作成した。
もちろん、研究上確定された生年、推定年だけが必要だとの主張に対しては、それだけでグルーピングすることも可能である。

3.3.6 出身地、父名と家業、子名、その他の族、師匠等

出自関連フィールドは、画人の精神形成の傍証として論じられる。

古くは、「どこどこの人」とは出身を主に指すが、活躍した場所との区別は不明である。
区別の出来る場合その旨記入し、典拠が分かる場合は()内に典拠史料を記入した。

また、近代以降は「師匠等」に出身学校と指導教官をも記入した。 そこで、出身地、師匠等でソートすることで地域美術や流派がグルーピングできる。師匠等は複数記入され、例えば呉春のように与謝蕪村門でも円山派でも検索できる。

3.3.7 代表作関連フィールド

重要な作家に対しては、全作品リストや日記、研究論文、典拠文献等が欲しいが、ファイルの大きさから2作品だけを関連づける。
作品名、材質、制作年、所蔵、所蔵典拠から検索することを考慮している。

本データベースとリンクされた画像があることが、「百聞は一見にしかず」であり、最も好ましいことである。しかし、本データベースに掲載することは、図の引用範囲を超えると判断され、個々の画像の著作権者と交渉する必要がある。

今後は、すでに「文化財共通索引」として、Inet上で公開している各美術館に対してリンク依頼を検討する。

また、「伝模移写」(注66)が画人の素養としてあり、かっての『探幽縮図』(注67)や『古画備考』のような働きを本データベースが果たすためにはリンクできない画像に対しては、模写も考えられる。

さらに、作品のシソーラスに関しては、今回主題として取り上げた作品や画様については、大分野、分野、中主題、作者名で分類されている。

しかし、本シソーラスが学術文献に取り上げられた主題を中心にした関係上、作家中心となったきらいがあり、次期計画として作品シソーラスの構築も目指したい。

3.3.8 本人の職業等、年譜的解説、得意分野、画壇地位

各フィールド内は要素ごとに区切り記号で区分けするようにした。従って、後処理をすることで、年表や流派事典、作品辞典も作成できる。

例えば、年譜的解説フィールドはできるだけ、年・事績、年・事績の繰り返しで後処理できるようにした。

その後、FAIRSで加工し、年代順にフィールドを作成したが、必ずしも正確に区切り記号が入っておらず、後処理の手作業に時間がかかっている。

人名・事績に関する数ある基礎資料のうち、画賛、日記、款記や典拠史料を載せた『古画備考』、『原色図典日本美術史年表』、『集英社日本美術絵画全集』などの典拠掲載方針は正しく、学術的辞書を目指す本データベースでもこれらの基礎資料や原論文を参考に典拠を載せる方針とした。

近代美術では前述の各種展覧会カタログが基礎資料となり、前述の『近代日本美術辞典』で確認する。

画壇地位は、近現代は教授職、賞や団体の会員など判明でき、基本的には風評などは記載しなかったが、古代から近世にかけては、風評しかない場合が多く、その場合は典拠史料付きで掲載した。

3.3.9 SH,NDC,DDC,SHENG,ENG1-ENG8

SHはシソーラス記号。学問分野区分順、時代区分順、属性区分順とした。
これは、各フィールドがリレーショナルになっているので、要望に応じて、時代区分順、学問分野区分順、属性区分順などへの組み合わせは如何様にもなる。

NDC(日本十進分類法)は日本で最も多く採用されている分類法で、本データベース作成時点では8版であった。
いくつかの図書には、NDC番号が付与されている。

DDCは米国で最も多く採用されている十進分類法で、ほとんどの図書にSHENG(Subject Heading 件名)と共に付与されている。

NDCは公共図書館の分類を主とした分類法で、美術専門分類としては大まかすぎること、同一主題が複数の分類に分けられ、いわゆる分類重出を図書館員が好まないこと、DDCは前述のAATと同様の理由で、標準的日本美術シソーラスとはなりにくい。

ENG1-ENG8フィールドは英文の年譜的解説で、これらのフィールドを作成することで、英文年表や変換テーブル表ともなり、分類の違いを明確化でき、本データベースを欧米の図書館や美術館で利用できるように配慮してある。

3.3.10 文献関連フィールド

典拠文献の書誌的事項を入力する。このフィールドは年譜的解説等で記入した典拠文献名だけを複数記入して別に統一典拠文献ファイルを作成した方が効率的とも考えられ、そのように変更することも考えている。

また、画像と同様に、典拠文献中の該当記事および記事の画像が表示されると、さらに便利になるが、今後の課題である。

本データベースで典拠とした日記や歴史記事については、主題としてとりあげ、年譜的解説に内容を記載した。

4. 索引作成方法と問題点

入力はパソコン入力を前提とした。筑波大学では、1年生全員に学術情報処理センターで教育用計算機による情報処理教育を実習しており、人文科学の学生もワープロ、パソコンに対する拒絶反応は比較的少ない。

データ入力は外注方式を採らず美術関係の学生アルバイトとしたので、dBXLで作成したプログラムは対話方式とし、メニューに日本語FEPであるATOK6の簡単な操作方法を加えた。

さらに市販の入力ゲーム付きのフロッピーを購入し、慣れさせた。

下記は日本語FEPの簡単な操作方法の1部である。

漢字変換の方法(1)

CTRLキーとXFERキーを同時に押す→以下[^XFER]と表す。

右下に連ローマ字漢字とでる。

ローマ字で「MATU」と入れると「まつ」と黄色く表示され、XFERキーを押すと松、あるいは末などに変換される。(改行で決定)

<後略>

新人も3ケ月程度で入力に慣れ、慣れるとdBXLのコマンドの一部も覚えるようになった。

本プロジェクトでは、学生に典拠となる文献を2つ以上探させ、自分で入力する方式を採った関係上、学生の専門的知識も豊富になり、当面は勉学と調査や入力作業できびしいが、長い目でみて学生たちの財産にもなると考えた。
実際に学生達から、そのことも報告されている。

また、記載内容について学生のばらつきがあり、全面的に書き直しの場合や、古い時代については、典拠資料がどうしても調査しきれない場合もあり、再度調査し直すこともあったが、大学院学生ともなると、何が重要か分かり、修正や再調査は比較的少なくなった。

入力に関する問題点としては、JIS第二水準漢字の入力が手間取ること、第二水準以外のいわゆる外字をどうするかが、まず挙げられる。
これについては、データ作成開始当時と、現在でもほとんど状況は改善していない。

JIS外辞書については、数社から便利な方法が発売されているが、問題はJISとなることであり、または、ATOKのようなデファクトスタンダードが最も標準的な「大漢和」の番号を採用し、JIS第3水準として統一することである。

しかし、「大漢和」にない外字も生産され、その場合はJIS第4水準を決定すればすむ。

本稿作成中の3月1日の「日本経済新聞」朝刊の記事に、通産省がCJKを含めた文字コードを32ビット化するよう提案する、とあり、今後に期待がかけられる。

次に挙げられる問題点は、ファイル消失である。
バックアップを忘れ、誤ってファイルを削除した場合や、古いファイルに書き換えられた例が幾つかあった。

5. UTOPIAとWebでの公開

本データベースは当初の計画どおり、UTOPIAへアップロードした。当初計画は、全項目のインデックス化は望んでなく、インデックス項目と非インデックス項目に分けたが、作業の過程で欲張り、UTOPIAにおいては、全項目をインデックス化した。

インデックス化項目は60バイト以内の限定があり、60バイトを超える項目については、途中までしかインデックスされないので、「。」や「、」などを区切り記号として切り分けてインデックス化した。

UTOPIAにおける検索方法は、フィールド名=フィールド値として検索するが、前方一致、後方一致、And や Or 検索は可能である。
UTOPIAでの公開は、研究の成果に伴い修正が加わる本データベースの性格上、現在は研究者だけに限定しており、さらに修正を加え内容の充実をはかる予定である。

そのフィードバックを含め、現在、Webでの公開の範囲と検索方法の検討を行っている。
当面、我々(将来はプロジェクト)のホームページに徐々に項目の加工を行い掲載していく予定である。

6. 今後の課題

今後の課題としては、年々増加する作家の選択・収集と入力、過去を含めた作家の評価、前述した画像情報とのリンク・著作権処理や模写、作品シソーラスの作成、等々多々ある。

これらについてはプロジェクトで検討する事項であるが、最近はネットワークによる若手研究者や学芸員らが増加しており、本「アートドキュメンテーション研究会」のパソコン通信によるホームパーティー(管理者、千速敏男氏)や、Inet上のah-mlメーリングリスト(管理者、九州芸術工科大学米村典子氏)などのネットワークによる連絡で、より内容の深いデータベースが作成できることとなる。

また、文化庁が進めている「共通索引方式」による作品データベースとのネットワークが特に重要になるが、Webを通じてさまざまな連携が進むことに期待がかかる。