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-(ま)presents-
The Air GUN Master

The end of summer



COLT GOVERNMENT

 「一挺だけ選べ」そう言われたら迷わず手に取る。私にとっての無二の銃。今回はいよいよ大本命の銃のことを書こう。

 今迄思い入れが強すぎて、名文を目指してしまったが故に書けないでいたのだが、どうせ文才なんてないのだから書いてしまうことにした。ただ、とても一回の量では収まりそうにないので、時々書かせていただくことになると思う。

 『コルト・ガバメント』(以下ガバメント)はハンド・ガンの世界において大きくその種類を二分するうちの一つ「オート」の最初の量産モデルだ。アメリカの軍隊に軍用として採用された型が『1911A1』、つまり今から100年近くも昔のモデルということになる。『ガバメント』は軍用として採用されてから『ベレッタ』にその座を譲るまでずっと現役で居続けた驚異の銃なのである。しかも、100年も前のデザインが軍用は引退したとはいえマイナーチェンジを施されただけで現在も生産され続けているのだ。『コルト』社からライセンスを購入して『ガバメント』型の銃を生産している会社は数えきれない程存在する。その理由は幾つか、いや、幾つもあるのだ。勿論、それは長所の話だ。だが、軍用を引退するにはそれなりのやはり理由がある。これは短所の話だ。この銃については特にこの長所と短所が背中合わせに存在しているため、両方を対比させつつ話しを進めたい。『ガバメント』の外見は言うなれば四角だ。平らで四角い。無骨という表現がよく合う。プラスティックなどという柔なシロモノは使われておらず、分厚いスティール製だ。とても頑丈で、グリップの仕方さえマスターしていれば安定して射撃できる適切な重量だ。だが、デザイン的には『ベレッタ』等の洗練された銃には見劣りすると考える人が多いだろう。重量も、プラスティックを用いた『グロッグ』等の銃の方が万人に扱い易いと考える人も多いだろう。『ガバメント』はシングル・アクションの銃だ。引き金を引くだけでいきなり撃てるのがダブル・アクション。ハンマーを起こさねば撃てないのがシングル・アクションだ。故に『ガバメント』を携帯する場合、ハンマーを起こしてセイフティをロックする、所謂「コック・アンド・ロックト」という技術が用いられる。『ガバメント』のトリガーはスライド式で、遊びもほとんどとられていない。まるでスイッチのようにほんの少し引いただけで撃発することが可能だ。前述の「コック・アンド・ロックト」の状態で携帯し、さらにセイフティに親指を乗せ、かなり上の方を握るというグリッピングをマスターしていれば、瞬時に相手を撃ち抜くことができる。だが、シングル・アクションの銃は扱い方が未熟だと暴発を起こし易い。自身ばかりか周囲にも危険を及ぼすことになってしまう。また、ダブル・アクションの場合、構造的にもトリガーに遊びが多く存在する。撃発までに時間があると、誤射を防止できる可能性が上がる。引き返すことができるかもしれないのだ。最近はその目的で遊びを多く作っているガン・メーカーも多い。『ガバメント』は45口径の弾丸を採用している。45ACPと呼ばれる独自の弾を持っている。'45は打撃力が強力で、当たればまずほとんどの場合相手は転倒する。例え死んでいなくとも、倒せば勝ったも同然だ。装弾数は七発(コンバット・ロードで八発。普通はこうする)で、撃った数を頭の中でカウントできる量だ。相手が一人なら十五発もいらない。数人なら、普通全弾撃ちつくす前にさっさとマガジンを交換する。マガジンの交換なら一、二秒あれば可能だ。なによりグリップが太くなってしっかりホールドできなくなることの方が大問題だ。だが、無駄弾を多くバラまけるという点では十五発入っていた方が良いだろう。何発撃ったか忘れてしまっても。弾丸も9ミリパラベラム弾の方が弾速もあるし貫通力も優れている。反動も少なくて当て易いだろう。'45は少ない火薬で大きな弾を撃つので弾速は遅く、貫通力に乏しい。不馴れだと、反動も大きい。・・・何となく御理解いただけたかもしれないが、『ガバメント』を使いこなすには熟練が必要なのだ。扱うルールも確立されているので、それをしっかりと守る必要がある。玄人好みの銃といえる。軍隊で使うにはやはり『ベレッタ』等多弾数モデルの方が取り扱い易いと認めざるを得ない。時代遅れの銃として、現在アメリカでは警察でも使用することを禁止している。しかし、この銃の扱いに慣れてしまった人間には、他の銃に自分の命を預けるのが不安だと考える場合も稀ではない。よって、軍隊でも(特に老兵は100%に近く)、警察でも違反と知りつつ、『ガバメント』を携帯する人が多いという。気持ちは良く理解できる。自分に一番合っていると信じている銃こそが、自分にとって世界一の名銃なのだから。

 エアガンとしての『ガバメント』は、ウェスタン・アームズ社のマグナ・ブローバック・シリーズに尽きる。最もリアルな構造と作動、操作性を持ち、更に命中率も非常に高い。奇跡のような銃に仕上がっている。確かにプラスティックの量産品なので、スライドと本体にやや隙間があるなどと言う人もいるが、現在の落ちぶれたコルト社が生産しているゴミのような『ガバメント』シリーズに比べれば驚異の工作精度だ。(そう、実銃は現行モデルを購入してはいけないのだ。昔のモデルの方が良いなんて、まるでカメラのようだ)ウェスタン・アームズが社運をかけて作ったものだから発売は発表より二ヶ月も遅れてしまった。私はすでに予約して、料金も支払ってしまっていたので、この二ヶ月は本当に待ち遠しかった。製品は、工場から直送されてきた。私が入手した一挺は、特に驚異的な命中率を有していた。実銃でも、千挺に一つくらい偶然にもの凄く精度の良い銃ができてしまう。「ワン・オブ・サウザンド」と呼ばれ、高額で売買されているという。エアガンでも同じことが起きる。幸福にも私はそれを入手できたらしい。『ガバメント』に対する想いが通じたのだろうか。とにかく面白いように当たった。まるで的に弾が吸い込まれていくようだった。過去形なのは、現在はそこまでの性能が無いからである。なにせ千何百発と撃ったのだから、少々ガタがきても仕方の無いことだろう。これほど撃った銃は今のところ存在しない。撃ち方も完全にマスターした。一番の驚きは、これだけ撃ってもまだ飽きずに、今でも撃つと非常に楽しい銃であるということだろう。

 従って、一挺選ぶなら『ガバメント』しか私には考えられないのだ。



BERETTA M92FS

 ハンド・ガンに幾らかの興味があって、更に銃の名前を何種類か知っている人に「何が一番好きですか?」と尋ねた場合、ひと昔前なら『マグナム』という答えが最も多かったのだが、最近は圧倒的に『ベレッタ』という返答になるだろう。

 『ベレッタ』はイタリアの銃器製造メーカーの名称であり、それがそのまま商品名になっているものである。特に世界的に最も有名で、日本にも多くのファンが存在しているのが今回扱う『ベレッタM92FS』だ。なぜ、世界的に有名なのか? それはアメリカの軍隊に正式採用されているからだろう。ライバルの『シグ・ザウエルP226』を打破り、採用が決定した瞬間に『ベレッタ』の運命が決まった。ベレッタ社は大安泰だ。だが、個人的にも一般的にも『シグ』の方が優れていると考えられているのだ。ついこの間まで世界一の現役ピストルに選ばれていたくらいだし。まあ、採用に際して色々と裏であったのだろう。実際、正式採用当時の『M9』には問題が色々とあった。何回か改良が施されて、例えばリコイル・スプリング・ガイド・ロッドのピンが弱すぎて故障が続出(さすがイタリア製!)したのでこれを大型化するなどを行い、現行の『M92FS』となった。しかし、決定的な欠点が残っていて・・・それは後回しにするとしよう。この銃に人気がある最も大きな理由は、そのデザインにあると断言できる。非常に個性的なデザインだ。バレルが半分剥き出しになっているのだが、半分穴でしかないスライドの形状の処理が芸術的で、全く剥き出しのバレルに違和感が無い(さすがイタリア製!)。機能的にも、剥き出しのバレルは放熱性が良く、連続使用に耐える。スライドの複雑なエッジから連なるグリップ、トリガー・ガード、ハンマーにいたるまでラインが絶妙に計算されており、世界トップ・クラスの美しさを実現している。色々な角度から眺めて楽しめる。巧の手によるナイフを見ているようだ。この銃に比べれば、我が愛する『ガバメント』なぞただ黒い四角にすぎない。ナイフ同様に刃物に例えるなら無骨な鉈だろう。そして、メル・ギブソンなどが映画で使用したことも人気向上に一役買っている。ハリー・キャラハンが『44』で犯人を一発で吹っ飛ばしていたのに対して、『ベレッタ』はラピッド・ファイア(マシンガンのように速射すること)をされることによって印象付けられていた。本当は他のオートでもラピッドは可能なのだが、ほとんどの方は「あんなに速く撃てて、しかもなんて格好良い銃なんだ」と思われたのではなかろうか。劇中では「高級品」とか言われていたし。(実際はそうでもない。並の銃より壱万円高いかな? 程度。まあ、六万円くらいかな)軍隊で使用するということで、装弾数は15発と多い。速射性能も求められる。しかし、ここに最大の欠点が出現してしまったのだ。最大の欠点、それは最大の長所であるところのデザインだった。半分抜かれた薄いスライドが、撃発のショックに耐えきれないのだ。スライドに亀裂が入ることが多いという。もし、亀裂で済まずに割れてしまったらどうなるのか? 割れたスライドの後ろ半分が、火薬の爆発力で射手の目に向かってまっすぐ飛んで来るということになる。考えただけでも恐ろしい。欠陥銃なのでは? とさえ思われてしまう。ベレッタ社は近年、スライドの肉付けを増したタイプを発表しているが、あまり大丈夫そうには見えない。スライドを完全密封型にしたタイプも結局作っており、こちらは『クーガー』という名称になっている。「ミッション・イン・ポッシブル」でトム・クルーズが愛用しているのが『クーガー』だった。だが、安全性は確かに増したが、デザイン的にはアンバランスで『M92FS』に比べると見劣りしてしまうことは否めない。個人的に所有するのは構わないが、軍隊や警察が採用する銃ではない。これが私の『ベレッタ』に対する評価だ。

 エア・ガンの世界では火薬を使用しないのだから、このデザインはたいへん有効なセールス・ポイントとなった。純粋にデザインを楽しめる。各社が必ず『ベレッタM92FS』を製品に加えており、値段も性能もまちまちなため、たいてい一丁以上は所有しているというのがエア・ガン・マニアのお約束みたいなものだ。あまり好きではないくせに私も二丁持っている。一丁は、WAの固定バレル式のもので、今ではかなりのプレミア付きのスティール・ヘヴィー・ウェイト・モデルだ。初めて購入した一万円以上する銃だった。驚異的な命中率という当時の評価で購入したのだが、確かに命中率も良く、見た目も質感も良いのだが、何か物足りない感のする銃だった。いちいちハンマーを倒さないとシングル・アクションで撃てないなどの仕様がそう思わせたのだろうか? 実は未だに本当の理由が良く判らない。きちんと考えてもいないのだが。WAは現在、ベレッタ社と正式にライセンスを結んでしまったため、他社がベレッタ社の銃を作り難いという状況になっている。業界的に良いのだろうか? と、考えさせられる。WAの『ベレッタ』はブローバック・タイプのみ現在は入手可能だ。撃ってきっと楽しいのだろうが、個人的にはあまり興味が湧かない。もう一丁持っている『F92FS』は東京マルイ製の世界初の電動ハンドガンだが、こちらはそこそこ面白い。グリップに付いているベレッタのエンブレムは前述の理由でデタラメなものとなっているし、ハンマーはダミーだし、マガジンは割りバシだしで完璧なオモチャなのだけれど、当たってもぜんぜん痛く無い弾丸がそこそこの距離を跳んで行くのが良い。長年エア・ガンをやっていて、初めて遊びで撃ち合っても良いかな? と思われる銃に出会った気がする。(誰か今度相手をしてくれないものか)東京マルイからはエア・コッキング式の『M92FS』がライン・ナップされており、実はこの銃が日本中で一番多く売れた銃なのではないかと個人的には思っていたりする。

 自分の周りでエア・ガンを持っている人がいたとしたら、それが『ベレッタM92FS』である確率はかなり高いのではないかと思う。身近を探してみると、きっと見つかるだろう。映画等にも嫌になるほど出て来るので、いつか出会う機会があったら今回のレポートを思い出してもらえたりすると幸いなことだ。ずうずうしいか?



38 S&W. SPL

 レプリカ製品三回目にして、漸く本来購入しようとしていた銃に到達する。

 『スミス アンド ウェッソン 38 スペシャル』(以下『38』)がそれだ。

 なぜ三回か?それはこの銃に人気があり、売切れ状態の再入荷待ちで何回も店に足を運ぶことになったためだ。客もそんなに多くは無く、面が通ってしまい、色々と話をするようになったのが、前出の二丁を購入した一因ではないかと思われる。二丁買った言い訳にしか聞こえない。

 実銃としての『38』はたいへんに有名な銃だ。60〜70年代の海外や日本の映画やドラマにおいて、また、漫画やアニメの世界では、悪役が使うのは「四角い拳銃」(おそらくは『ガバメント』)で、正義の側で使われるのは「リボルバー」とほぼ決まっていた。「リボルバー」とは回転式の弾倉を有する銃の総称で、「ピストル」を連想する時ほとんどの方はこの形になるのではないだろうか(第一回目の『44』も「リボルバー」だ)。そしてその時の「リボルバー」こそが、この『38』であることが多かったのだ。画面の中で、目にする機会の多い銃のひとつだ。日本の警察官が所持しているのも『38』の日本版だ。日本人は拳銃を創るセンスが全く無いという定説がある。正確には『それができる立場の人間に』今迄センスのある者の出現が無かったと言うべきだと思うのだが。事実、残念ながら日本がオリジナルで創った拳銃にはロクなものが無い。戦時中、将校クラスが所持していたものには「自殺銃」と呼ばれていた(しかも日本人に)銃まで存在するぐらいだ。現在、日本の警察で使われている『38』の(自称)改良版の『ニュー・ナンブ』も、改悪されているようにしか見えない銃だ。「リボルバー」タイプは鉄の固まりなので重量がある。それを「改良」しようとして銃身の肉を削ってしまった。実際に構えてみると判るのだが、フロントが重い方が銃は安定して狙うことができる。発砲時のコントロールもし易くなる。また、グリップは未だに木製の細い形のままだ。『スペシャル』が付くのだから、火薬が多いのだ。『ベレッタ』等で用いられている「9ミリパラベラム弾」の火薬を増量するとだいたい『38』の弾になる。コントロールし易くするために海外ではプラスティックの大型のグリップを装着していることが多い。この方法だと、重量も軽くなる。日本で警官が発砲した時に、やたらと上の方向に弾が飛んでいることが多いが、原因の一端は銃の形にもあるのではないかと私は思っている。しっかりと握れずに、先が軽い銃を撃つと銃身が跳ね上がるからだ。海外では両手撃ちが原則なのだが、日本では片手撃ちしか訓練しない(自衛隊も驚くことに片手)。当てる気があるのか?少なくとも正しく努力をしているとは考えられない。細かい所では、シリンダー・ノッチの形状が悪い。これを押すことでシリンダーを振り出し、弾を補充するのだが、わざわざ押し難い形に変更されている。はっきり言ってしまえば日本が変更した仕様で良くなったと思われる場所はひとつも無いのだ。海外、特にアメリカでは警察官がこの銃を主力としていることは現在稀である。なぜか?それは五発しか装弾できないからだ。重武装している犯罪者が多い中、五発では心もとないのだろう。反面、サブとして所持している場合が多い。なぜか?それは「リボルバー」の構造上の優位さにある。「オート」は装弾数は多いが、作動不良を起こすと撃発不可能に陥ることがある。「リボルバー」では例えば一発目が不発弾だったとしても、そのまま引き金を引けば弾倉は回転して次の弾を撃つことができる。単純な構造故に、危機にあっては心強いのだろう。個人的には、拳銃は基本的には使用しないという姿勢を警察官が抱けるような世界であればと思う。日本はまだその状態に近い。弾を変えるべきだと思う。鉛を特殊なビニールで包んだコーテッド弾が適切ではないか?鉛中毒も起きないし、犯人が死亡する確率が低下する。撃たないという条件で所持し、弾丸も殺傷を目的としないものを装弾している。これが格好良いのではないだろうか。正義の味方が使っていた銃なのだから。

 ここから、エアガンでの『38』。レプリカで、40代くらいの人が命中率を質問して「三メートル先の電信柱には当たります」という店員の返答に幻滅して買わずに帰って行ったのを目撃したが、「何を勘違いしているのだ」と思わずにはいられなかった。反対に店員の返答の的を得ていることには感心させられた。そうういう銃だと思う。銃身は二種類あって、3インチと2インチなのだが、更に命中率とは無縁の短銃身の2インチばかりが売れて行くということから、わかっている者だけが購入していたのだろう。それでいて売切れ状態だったのだから、この世界推して知るべしである。当然、私も2インチを購入した。スナッブ・ノーズ(獅子鼻)と言われるタイプだ。ヘビー・ウェイト製で、重量がある。ほど良く艶消しで、質感は申し分ない。プラスティックのグリップが装着されている。エア・ガンのメーカーの方が判っている仕様だ。かなりリアルな外観だ。銃身の先が本物では無いと判断できる加工になっているが、知識のない人間には本物に見えるのではないか?動かしていたり、下に向けて構えられたら、私にも自信を持って判別することは多分できない。ライブ・カートは、相変わらず楽しい。セイフティも、シリンダー・ノッチを引くという形を採用していて目立たない(というより判らない)。ノッチを押すと、弾倉(シリンダー)が左側にはずれる。シリンダーと銃身の密着度も、本物より良いのではないかと思わせる出来だ。ガスもグリップ底部よりの注入方式で目立たず、入る量もまずまずだろう。最も良いのは握った時の収まり具合だ。手にごく自然に握り込まれる。プラスティックのグリップがやはり正解だと思い知らされるようだ。サイトは、フロントは大きく実用性があるのだが、リアは例によって溝が彫ってあるだけだ。取り出す際にポケット等に引っ掛かるのを防ぐためだろうが、むしろハンマーの方が引っ掛かり易い。後にマルシンはこのハンマーの問題を処理した銃もモデル・アップしているが、私はそちらは嫌いだ。ハンマーの周りをフレームで覆った外観が醜いからだ。個人的にはハンマーを操作し難い方がむしろ問題だ。いづれにせよ、撃たないという前提で持つ銃だと思うので、サイトなど溝で充分なのだ。では問題点は?まず一番の欠点はハンマーが小さすぎることだ。この辺りは実銃と区別し易くするための作為なのかもしれないが、構えて最も目に付く場所だけに気になってしまう。操作性にも影響がある。それから、ハンマーを起こして撃つ(シングル・アクション)のではなく、引き金を連続して引いて撃つ(ダブル・アクション)時に、ハンマーが下がり切らないためにチャンバーを解放する力が弱く、ガスが十分に出ずに、威力が落ちるのも構造的な欠陥と言えるだろう。また、ダブル・アクションを行う際、時たまカートが引っ掛かり、ロックに失敗することがある。この辺りも調整が足りないと考えざるを得ない。だが、私はこれらの欠点を当然あまり気にしていない。本気で撃つ銃ではないと思っているし、購入理由は「気分を味わう」だったからだ。人により少々異なるだろうが、自分的には「ハード・ボイルド」な雰囲気を『38』には感じていた。私立探偵のイメージがあったのだ。正義の味方とは少々異なるが、やはり積極的にこの銃を使うイメージではない。撃っても実際たいしたことはない。空き缶などを狙っても、滅多に命中しないので止めた方が良い。「電柱」だったら当たるのではないか?だが、せいぜい2メートルが限界だろう。2メートルなら、五発のうち一発は当たるかもしれない。しかし、「気分」だったら十二分に堪能できる。視覚的には非常に存在感があるし、手にした感覚も悪く無い。夜の街を想うアイテムとしても適切だ。傍らに置いてバーボンを飲むのも良い。「気分」を味わうだけならモデル・ガンの方が良いのではないかって?弾が出ない銃なんて(性能はどうであれ)私には銃と認めることができないのだ。撃つのは意志だが、始めからそれが不可能な置き物には興味が湧かない。だから、私にとってはこのマルシン製の『38』こそが最高の『38』なのである。



Colt 25 AUTO

 レプリカで次に購入したのがこの銃だった。まずは実物の話から。小さい。手の平に隠れてしまうくらいにコンパクトな銃だ。護身用として携帯し易く作られた銃で、五十年以上も前に設計されたとは思えない完成度だ。銃も他の一般の製品と目指すところは変わらない。軽くて小さい方が良いのだ。しかし、部品数も構造も極端に簡略化することはできない。何より銃の場合は内部で火薬を爆発させなくてはならないため、強度の問題もある。作動に問題を作らずに、ここまで小型化させた当時の技術に敬意を払っても良いだろう。だが、護身用?『44』でも同じことを書いたが、銃に護身用なんて言葉を使って良いものかどうか。どんなに小型の銃でも殺傷能力を有してる。銃の存在意義は、人を殺すことにあると言っても良い。身を守ること、それを最も確実にする方法がどういうことか考えればそれで良いとも思えるのだが、人道上疑問は大きくなる。同じかむしろ安く手に入る銃ではなくて、スタンガン等の防犯グッズがアメリカで所持されるようになったのは、相手を殺してしまうのを避けるという意味もあるのだろう。離れて使える銃の方が扱いも簡単で、危険度も低いと思われるのだが、殺してしまう確率も桁違いだ。死ななくても、負傷した犯罪者から服役後に礼を返されるという恐怖もある。その手の事件も実際起きているという記事を読んだことがある。更には護身用として作られても、銃は使う人間を選ぶことができない。悲しいことにこの銃は犯罪者の殺しの道具として用いられることが多いと聞く。隠し持ち易く、処分も簡単で発見され難く、使う場面でも相手の体に押し付けたり下に向けて撃ったりすればほとんど音がしない。少し距離を置くとポンというような情けない音にしかならないのだ。サイレンサーを装備すれば更に音は小さくなる。ざわついた場所では判別できるかどうか。こっそり人を殺すための銃というのが、現在のこの銃のポジションになってしまったようだ。自分がでは海外に身を置くことになった時、銃は持たないのかと尋ねられれば答えは否である。持つことを否定する気は更々無い。ただ護身という行為が人を殺める可能性を有する、それも大きく、ということを知っておくべきだとは思う。その覚悟も必要だろう。(加えて知識と技術があれば尚良いと思われる)銃は間違い無く必要悪だ。ナイフは日常において役立つ有益な道具であって、殺人用に作られたものを除けば必要なものだ。だが、銃は日常で何の役にも立たない。役に立つのは主に人を殺す時だけだ。その時というものが、非日常であることを祈る。

 ここからエアガンの話。マルシンで手に入れたのは、ヘヴィーウェイトモデル(ヘヴィーウェイトが何であるかについてはまた今度)で、当時でもかなり高価だったような記憶がある。『コルト25オート(以下25)』には大きく分けて二種類の型が存在する。簡単に言えば、ハンマー仕様と、ストライカー仕様の二種である。この時のものは後者だった。ポケットやバッグから素早く取り出せるように、『25』はほとんど凸凹が無いデザインになっている。ハンマーやサイト等が引っ掛かって銃が出せずに死んだ人間は実際数えきれない程いる。銃を発射する為には、弾の後部の雷管を叩いて撃発させなければならない。その方法として主に採用されているのが昔からある馴染みのハンマー方式と、銃の内部にストライカーと呼ばれる針を仕込んでスプリングで弾に打ち込む方式だ。ハンマーが無いだけではなく『25』にはサイトもしっかりとは付いていない。上部に溝が彫ってあるだけだ。その溝の前方に申し訳程度に突起があるが、無くても大差は無い。もともとが目前のターゲットに対して使用される銃なので、これで十分なのだ。マルシン製のエアガンとしての構造は、トリガーを引くとバレルが後退してガスのチャンバーを解放し、弾が発射されるというもので、ガスガンとしては最も原始的なシステムだった。バレルをスプリングの力に対抗して押し下げるのであるから当然トリガーは物凄く重い。おまけにしっかりと固定させてなんぼのバレルが動いてしまう構造は、命中率に少なからず影響を及ぼすだろう。だが、この時の『25』は命中率が良かった。トリガーの重さを両手で構えることでコントロールすると、2メートル先の一円玉が狙えた。偶然か奇跡と言って良い精度だった。マルシンはモデルガン(火薬の発火はできるが弾は出ない)でも『25』を製造していた。こちらは気の効いたことにハンマー仕様だった。構造的にはストライカーが正解なのだろうが、個人的にはハンマー仕様の銃の方が好みだ。エアガンもモデルガンも小さくても安くはならない。実物同様に部品数が大きな銃とあまり変わらないのと、製造時に難易度がむしろ上がるためだろう。日本人はベレッタ等の大型拳銃を好むので余計に小型の銃は売れないと考えられ、マルシンの『25』が当時は唯一のコンパクト・ガンだった。だが、マルシンの『25』から十年程たって、KSCからエア・コッキング式の『25』と『ベビー・ブローニング』が発売された。この時は嬉しいよりもだから驚きの方が大きかった。KSC製の『25』もマルシン製と同様にストライカー仕様のモデル・アップだったが、トリガーとセイフティ意外は固定式だったガスガンの『25』と異なり、ポンプにエアを詰めるためにスライドをコッキングさせるKSC製は操作面の楽しさが格段に大きかった。セイフティを用いてスライド・ストップを掛けることもできたし、グリップ底部のヨーロッパ式のマガジン・ストップもライブだった。両社ともにガスもしくはエアをグリップに溜める構造だったので、マガジンは割り箸型だったが、これは我慢しなくてはならないだろう(ガスガンは改良の余地があるが)。マルシン製はガスを用いるので連射が可能だった。KSC製は一発ごとにコッキングが必要なので連射は不可能だったが、トリガーは軽く、命中率も良かった。外観のリアルさはややマルシン製の方が良いようだ。操作して楽しいのはKSC製か。

 会社の机にKSC製の『25』を潜ませてある。誰もいない時に気を紛らわすためにプリンキングをするためにだ(あるいは身近に銃の存在を求めているだけかもしれない)。気軽にプリンキングをするという使用に向いていると思われるので、お勧めしたいエアガンの一つだ。KSC製なら値段もそこそこのはずだ。ただ、コンパクトとはいえ人に向けると危険なことは大きなエアガンと変わらない。実銃とその辺りは変わらないので、お忘れなきように。

 *乃南アサ著作「冷たい誘惑」で登場人物の間を渡り歩く銃はこの『25』だった。興味のある方はどうぞ御一読を。



44Magnum

 子供の頃、『よんよんまぐなむ』と発音していたが、今はスタイリッシュに『ふぉーてぃーふぉーまぐなむ』と発音すべきだろうか。

 御徒町、山手線のガード、すぐ向かいのビル、入り口をくぐると明かりの無い暗く捻曲がった通路がある。本当にこの先に店などあるのかと不安な気持ちにさせるような所に「レプリカ」は在る。知る人ぞ知るマルシンの直営店だ。ここで初めて購入したのがこの『44マグナム』だった。本当は違う銃を見に行ったのだが、店員の強い勧めに負けた。「ダーティ・ハリー」でクリント・イーストウッドが使っている銃だとさかんに説いていたが、その時に買ったのはステンレス・タイプだったので、ハリーの銃とは正確には異なる。それに、ハリー云々なんてことは別にどうでも良いことだった。もともと『44』タイプは、森林で熊に出くわしてしまった時の護身用(銃に護身用なんてものは存在しないのだが)として作られたもので、人を撃つためのものではなかった。だが、「ダーティー・ハリー」という映画のヒットのお陰で大勢の人間が被害を被ることとなったのだ。ハロウィンに撃たれた日本人の学生がいたが、あの時の銃も『44』だった。『44』は四肢を含む人体の何処に当たっても、殺してしまう銃だ。明らかにオーバー・ファイアなのである。しかし、映画ばかりを非難するわけにはいかないだろう。製造元のS&Wは、抑制をかけていない。むしろ協力的であるようにさえ思われる。現に、この映画の封切り後S&Wは大きく業績を伸ばしている。現在でも積極的に『44』タイプを生産し続けている。もう、熊撃ち用とは誰も考えていない。人を撃つための、殺すための道具になってしまった。面白いといって良いのかどうか判らないが、しかしプロの世界ではほとんど使われていなかったりするのだ。オーバー・ファイアーで取り扱いがしづらく、たったの六発しか入らないのに銃はもの凄く重い。映画の冒頭では車のエンジンを破壊して止めたりしていたが、そんな威力は無く、レベル2の防弾チョッキがあれば貫通は防げてしまう(肋骨は折れるが)。実は『トカレフ』の方が優秀な殺人銃だったりする(この話はまたいつか)。存在そのものに疑問を抱いてしまうこの銃を私はあまり好きではなかった。今思えばよく購入したものだ。

 話をエアガンに完全に戻す。『44』を買う気になったのは、ステンレス・タイプなら『ギャラクシー』にカスタム化できると考えたからだと思う。『ギャラクシー』はその仰々しい名前とは裏腹に、バレルにウエイトを付けただけという地味なカスタム・ガンだ。だが、外見が良かったのと理に適ったカスタム化だったので興味を抱いていたのだ。『44』は重量のバランスがいまひとつで、バレルを重くして、なおかつ放熱力を高めた『ギャラクシー』は当時の理想の形の一つだった(今は最初からそうなっているものが主流)。実際はパーツの生産が終了していてショックを受ける結果となってしまったのが残念だった。製品としての完成度は、当時を振り返れば平均線はクリアしていたと思う。重量も軽かったが、作動感もやや軽く、セイフティーがハンマーの下にあり目立ってしまうなどオモチャっぽさは否定できないところだったが、操作には楽しいものがあった。ライブのケースはブラス製で重量があり、全弾撃った後、銃を逆さにしてジャラジャラ落とすのも、装弾するのも気分が出て良かった。構造的にはハンマーがスプリング内臓の構造になっており、銃が痛むのを防いでいることに感心させられた。作動を確実にさせるために、むしろハンマーの当たりはきつめにしている会社が多い中、この構造には賞賛を与えたい。それでいて作動は確かで、弾が出ないなどということはまず無かった。シリンダーのロックも実銃さながらにかっちりしたもので、気持ちが良かった。ただ、リボルバーという構造上、ガスの漏れが大きく(これは実銃も同じ)パワーが低めだったのと、やはり六発のみという物足りなさ、ライブ・カートにしたために命中率がかなり悪かったことなどの欠点が目立ってしまう。今現在のエアガンのレベルから見るとほとんど価値のない銃になってしまうのかもしれない。

 家に遊びに来た人は、だが大抵『44』を撃ちたがる。そして、実際に撃っていく。感想はいつも悪くはない。大きなリボルバーという外観的な魅力、知名度、あるいは憧憬の念も幾らかあるのだろうか。あまりにも有名になってしまったこの銃。考えさせられることも多い。理解するほどに私には縁遠くなるような気がする。だが、手放す気にもならない。最近は手にとることもほとんど無くなったが、このレポートを機会に、今度久し振りに撃ってみようかと思った。



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