17-楽器収蔵庫

2007年05月19日
ニウトゥエチン = 牛腿琴  / 中国  ファイル 241
Nyutwechin / China


2007年05月19日(土)
牛腿琴(ニウトゥエチン)は中国南部、貴州東部の低山岳地帯に住む少数民族・ドン族(どんぞく)が古くから使ってきた擦弦楽器。全長45センチほどで、胴の裏側は琵琶に似て丸くふくらんでいる。胴の表面に皮を張り、駒を置いてある。2本の鋼線弦は「ソ」と「レ」に調弦され、馬の毛で作られた弓で弾く。2弦を同時に音を出すことが可能なので平行5度の和音がでる。この楽器ならではの美しい音色である。この種の楽器としては小さいのが特徴で、写真のように立って演奏するときは楽器の底部を胸にあて、座ったときは底部を両膝の間に置いて弓を当てるのが通常の弾き方になる。貴州の州都・貴陽市(GuiYang)の東部に住むドン族は歌、踊りが好きな民族でたくさんの優れた音楽、舞踊の文化をもっていることで知られている。
(ドン族のドンの漢字はにんべんに「同」という字を書く)
楽器分類:牛腿琴 / 弦鳴楽器 / リュート属 / 擦弦 / 2弦

2007年05月26日
コブザ / ルーマニア ファイル 242
Kobza / Romania


2007年05月26日(土)
コブザはルーマニアの民族楽器としてよく知られている。棹先の糸倉部分が大きくうしろに曲がっているのが特徴のリュート属楽器で、棹にフレットがないことや首がうしろに鋭角に曲がっているところはウードに似ているし、胴の底がまるくなっているところはマンドリンによく似ている。弦の数は定まっていない。5弦から12弦のものまであり、音階は4コースになっている。写真のコブザは1コースから2弦、3弦、2弦、3弦と続いていて、計10本。もちろんコースの音は同じ音だ。調弦は d,a,d,g が基本になっている。弦と駒を置く響板には小さな穴がたくさん空けてあるが、写真の響板には十文字の印が入っている。楽器ウードの起源はペルシャのバルバット(Barubat)と思われているが、コブサはウードの仲間になるのか、ウードの弟分になるのかは明らかではない。モルだビアやウクライナでも使われていたようだ。30年も前、まだソ連の傘下にある時代にウィーンでビザを取って、ルーマニアを訪ねたことがある。商店にはものがなにもなく、ショーウィンドウには大きすぎて買い手のない大きな靴が一足だけおいてあったり、他の商店では中になにもない埃をかぶったウィンドウがさびしげだった。労働者が利用する粗末な薄暗いレストランでは一種類だけの料理と、コップがないので720ccのビールを皆がラッバ飲みしている。そこにコブザを弾いている一人の労働者がいた。このときの印象からか、私にとってコブサはいつも悲しい音に聴こえる。
楽器分類: コブサ / 弦鳴楽器 / リュート属 / 撥弦

2007年06月02日
ガクビワ = 楽琵琶 / 日本 ファイル243
GakuBiwa / Japan


2007年06月02日(土)  
雅楽に用いられるリュート族の撥弦楽器。奈良時代に中国から伝わったとされている。胴は正面から見たところ果物の枇杷の実の形をしているが、裏板はほぼ平になっている。幅は40センチ、長さは100センチほどで、棹(鹿頸=しかくび)の部分は胴の大きさに比較して細い。その棹に4つのフレットがあり、4本の絹糸の弦がその上を通る。撥(ばち)は約20センチほどだ。楽琵琶に用いられる木材は、楽器の部分によってそれぞれ使い分けられているのが面白い。裏板には花櫚(かりん)。表板には栗。棹の鹿頚には黒檀(こくたん)や紫檀(したん)。糸巻きの部分は黄楊(つげ)。フレットは朴(ほう)。撥は柘植(つげ)。必ずそうとは限らないが、この木材を使う例が多いようだ。演奏は琵琶を水平に抱きかかえ、撥は上から下に掻き下ろすのが、ごく一般的な演奏法である。奏者から見て上の弦が一番太く、順に細くなっている。だから上から下へ撥を下ろすと、低い音から高い音への連続音になり、明るい音になる。それにしても雅楽は実にのんびりした音楽だと思う。この音楽が生まれた時代は悠久の時間が流れていたのだろう。
楽器分類: 楽琵琶 / 弦鳴楽器 / リュート属 / 撥弦

2007年06月09日
ウデャデュプ / ロシア ファイル244
Udyadyupu / Russia


2007年06月09日(土) 
ウデャデュプ(丸太太鼓)は5メートルほどの長さの丸太を吊るしたウリチ族のリズム楽器。ウデャデュプは文字通りウリチ語で「丸太」という意味になる。丸太の一方には熊の頭が彫刻してある。ロシア連邦の東の端にある広大なハバロフスク地方にはアムール河が流れ、その流域には8っつの先住民族がすんでいる。その中の一つの種族がウリチ族である。ウリチは日本の北海道のアイヌに似た習俗をもった民族で、熊の魂を天国に送る「熊送り」を行っている。アイヌと同じ種族になるのだろうか。その儀礼に欠かせないのが、このウデャデュプという「丸太」楽器だ。二人の打ち手が並んで、それぞれ2本の撥(ばち)で独特のリズムを打って踊りをリードし、また踊りに合わせてリズムを作る。演奏はウリチ民俗芸能団、「ギワ]
楽器分類: ウデャデュプ / 体鳴楽器 / 打つ

2007年06月16日
チェレンプン  / インドネシア ファイル245
Celempung / Indonesia


2007年06月16日(土) 今週紹介の楽器  
チェレンプンはインドネシア、ジャワ島ガムラン音楽で用いられる弦楽器。特に大編成のガムラン合奏に用いられるチター属の楽器で、バリ島のガムランでは使われない。胴の幅は下部の細い部分が20センチ、上部の太くなっている部分が45センチほどで、全長は1メートルほどあり、台形をしている。写真は横位置で写してあるが、奏者は左側の胴の細い方から胴を縦にして演奏することになる。チェレンプンは台の上に乗っていて、台の足は手前が低く、後方が高くなっているので奏者に向かって前に傾いているので演奏しやすくなっている。弦は復弦13コースだが、14コースの場合もあるらしい。なお、チェレンプンという言葉の楽器はこの他に、壺型のボナンに似たものや、竹筒琴などがある。
楽器分類: 弦鳴楽器 / チター属

2007年06月23日
チクゼンビワ = 筑前琵琶 / 日本  ファイル 246
ChikuzenBiwa / Japan


2007年06月23日(土)  
筑前琵琶は明治時代に、筑前盲僧琵琶、室町時代から使われてきた薩摩琵琶、そして三味線の要素などを取り入れて作られた楽器。弦の数は薩摩琵琶と同じように、4弦と5弦のものがあり、曲によって使い分けられている。薩摩琵琶と異なる点はいくつかある。胴の表板にある三日月型の二個の半月孔(=響孔)は薩摩琵琶に較べて細い。また、柱(じ)(=フレット)の表面には竹が張ってあり、三味線と同じようなサワリの音がでるようになっている。撥(ばち)は薩摩琵琶のそれが扇型で幅が広いのと対照的に細長く20センチほどある。他の邦楽と同じように、琵琶音楽でも語り物的な地(じ)と、歌う部分の節(ふし)があり、語りのところでは切れ目に琵琶の音が入る程度だが、一方、節の部分になると琵琶が華やかに伴奏を入れていく。筑前琵琶は優美な音色をもっているので女性の愛好者が多いようだ。
楽器分類: 弦鳴楽器 / リュート属 / 撥弦楽器 

2007年06月30日
クロンプット / ベトナム  
Cronput / Viet Nam  File 247


2007年06月30日(土)  
クロンプットはベトナムの高原地帯タイグエンの少数民族が用いる竹製の不思議な楽器。この地方は竹林の多いことから竹で作ったものが多く、楽器にもトルンや竹笛があり、ここで紹介するクロンプットもそのなかの一つである。直径7、8センチの長さの異なる竹筒を順番に20本ほど2列に並べ、木の皮で固定する。演奏者の側の竹の切り口は開いていて、筒の後ろは節でふさがっている。奏者が竹筒の前で手を叩くと竹筒に音がこもって、柔らかい素朴な響きが出る。手を叩く位置を変えると音高が変わり、メロディを演奏することができる。耳をすますと天空に響くような美しい音だ。今日では、この竹の楽器を手作りして演奏活動をしているグループが日本にいくつかあるようだ。インターネットで検索すると幾つか見ることが出来る。ただ、構造や演奏の方法は改良を加えている。竹筒は縦に組み合わせて、ドラ焼きの形をしたスポンジや皮に柄をつけて、筒の口をふさぐように叩くことで、掌を叩く代わりにしている。楽器に触れないで演奏するのがタイグエンのクロンブット本来の面白さなのだが、これもたしかに効率的な方法だと思う。
楽器分類: 気鳴楽器

2007年07月07日
ピンキピル / エストニア
Pinkipill /  Estonia File 248


2007年07月07日(土)  
エストニアの民俗音楽グループが使っていた素朴なリズム楽器。「これが楽器だって?」 と思ってしまう。日常使っているものに手を加えて楽器に改造したものだ。木でこしらえた椅子の中央に横長の孔を空け、そこに長い棒を入れて下にある椅子の支えに棒を打ち付けて音を出す。立派なリズム楽器だ。キューバの打楽器・カホン(スペイン語で箱の意味)と同じようにちょっとした思い付きから生まれた楽器だろう。音楽を楽しんでいるうちにリズムに合わせて座っている椅子をたたいて興に乗る。やがて、座る部分に孔をあけ、棒を入れて下を叩いたらもっと効果的だ、と思うようになる。この楽器の生まれた経緯がなんとなくわかるところが面白い。そういえば二本のスプーンを打ち合わせるのもこれに似た楽器かと思う。このように日常生活から生まれる楽器は数多い。
楽器分類: ピンキピル / 体鳴楽器 / 打つ 

2007年07月14日
クゴ = 箜篌 / 日本 
Kugo / Japan File:249


2007年07月14日(土)  
箜篌(くご)は正倉院に壊れた破片として残っている竪琴。8世紀頃、唐の時代に箜篌を日本に伝えた中国にも原型は残っていない。まぼろしの楽器だ。正倉院にある断片から、180センチの共鳴胴と腕木、その間に23本の弦が張られていたことがわかっている。20年ほど前から、正倉院に収蔵された古代の楽器が復元されるようになった。そのなかの一つに箜篌がある。今日では時々こうした復元した古楽器による演奏会が催されるようになった。もとより演奏法の記録など残っていないから、どのような曲か、どのようなリズムか、音階はどのようなものだったのか、なにもわからない。現代人が古代に心を馳せて作曲したり、演奏することになる。箜篌を歴史的に振り返ると、中国西域のクチャや敦煌(とんこう)の壁画に空中を飛ぶ天女が箜篌を演奏しているのが見られるそうだ。また、イランの遺跡、ターゲ・ボスタンは、当時のササン朝の楽器演奏図が多く見られるという。そのなかに、チャングという箜篌によく似た楽器があるようだ。正倉院に収められた楽器は(楽器に限らないが)ササン朝という古い時代や遠いペルシャから伝えられてきたものなのだ。
楽器分類: 弦鳴楽器 / ハープ属 / 撥弦楽器

2007年07月21日
ハンアリ / 韓国
HangAri / Korea File: 250


2007年07月21日(土)  
ハンアリは朝鮮半島の南の島、済州島(チェチュ島)の海女(あま)が歌を歌うときに、叩いてリズムをとっていた壺。韓国語でハンアリは文字通り壺を意味している。水をためておく壺だろうか。上部は素焼きで下の方は透明な釉薬がのせてある。壺の細くなった口を右の手の平で塞ぐように叩くと、こもった音がでる。壺の肩を左手で叩くと乾いた金属的な音になる。海にもぐってアワビやサザエを採ったあと、海女の小屋で冷えた体を温めながら仲間と一緒に歌を歌う。自然にそばにある水がめを叩いてリズムをとっている姿が目に浮かぶ。ファイル248で紹介したピンキピルや二つのスプーンを一緒に持ってリズムをとるなど、日常生活で使う道具をごく自然な形で楽器に変えてしまうことはよくあることだ。写真は1978年国立大劇場で催された「日本の民謡祭」に招聘された済州島民謡グループ。この島でよく知られている海女の歌・ヘニョノレを歌っている。
楽器分類: 体鳴楽器 / 叩く  

2007年07月28日
トロンメル  / スイス
Trommel / Swiss File: 251


2007年7月28日(土) 
トロンメルはスイスのバーゼルのカーニバルでピッコロと共に使われる太鼓。バーゼルはドイツ語圏で、太鼓をドイツ語でトロンメルと言う。カーニバルは(この地ではファスナハト)で用いられる太鼓は、ひと抱えもある大きなものから小さなものまである。紐を付けて肩に掛けて両手のばちで演奏する締太鼓だ。以前紹介したチンドン屋さんの太鼓のロゴスと同じものである。通常、直径50センチ、長さも50センチほどの胴に少し大きめのタンバリンのような枠に皮を張り、それを胴にあてがって両側から紐で締めたものだ。カーニバルは「灰の水曜日」という宗教的な行事の日の次の月曜日の早朝から始まる。まだ暗い夜明け前、法螺貝の合図で始まった。何故山の国なのに法螺貝なのか不思議だ。午後になると大勢の仮面をつけた太鼓のグループ、ピッコロを吹くグループ、またブラスバンドなどのパレードがスタートする。夕方になって公式な大行進が終わると、興奮がさめないピッコロやトロンメルの小さなグループが町の細い路地を歩きめぐる。喧騒のなかにあった公式パレードと異なって、静かにこのトロンメルやピッコロの小グループが、ふと横丁から現れ、すぐ角を曲がって消えていく。するとまた別の小道から・・・こうした時間が私は好きだ。曲の名を調べそこなったけれど、このファスナハトの音楽は最初から終わりまで同じ曲を繰り返し演奏している。今でもメロディを口ずさむことが出来るほどだ。単体の写真は、翌日バーゼルの古楽器博物館を訪ねたときに見つけた綺麗な装飾をほどこしたトロンメル。
楽器分類: トロンメル / 膜鳴楽器 / 円筒型 / 締太鼓 

2007年08月04日
シャクビョウシ = 笏拍子 / 日本
Shakubyoushi / Japan File: 252


2007年08月04日(土)
笏拍子(しゃくびょうし)は宮内庁楽部で演奏される雅楽や、特別な儀式を伝承している神社の御神楽(みかぐら)や国風舞(くにぶりのまい)などで用いられる楽器。音具といった方がいいかもしれない。歌や音楽の拍子をとったり、合図に用いられる左右一対の、いわば芝居や神輿で使われる拍子木と似たものだ。材質はイチイという木を用いることが多い。イチイは成長が遅く年輪と年輪の間がつまっていて堅い。重くて密度の高い木材なので打ち合わせたときの音が鋭くなる。全長35センチほどの長さで細長い板状のものだ。左手に持った笏拍子の平らな面に、右手に持った笏拍子を直角に当たるように持ち、手元の部分をあわせて、先端を扇のように開いて打ち合わせる。1200年も続いてきた雅楽を現代の人間が聴くと、その悠久すぎる調子に退屈する場合がある。しかし、よく聴きこんでみると、のんびりした曲のなかに見上げるような大きな大太鼓(だだいこ)の音に体と心を揺らされたり、笏拍子のパチッという鋭い音にハッとする場合がよくある。昔の人も現代と同じように、曲のなかにさまざまなアクセントをちりばめていたのがわかる。
楽器分類: 体鳴楽器  / 打ち合わせる / 木製

2007年08月11日
ホンチー = 横笛 / 中国
Hongchie / China  File:253


2007年08月11日(土) 
ンチーは中国で古くから使われてきた横笛。竹製で指穴は6孔、他に吹いて音をだすための歌口、そして膜孔の二つの孔がある。膜孔は薄紙を巻いてふさいである。朝鮮半島にも同じようなテグムという横笛があり、やはり膜孔があって葦の内側の薄い皮を張ってある。中国のホンチーもおそらく同じだったと考えられるが、1950年以降の楽器改良の大きな潮流にそって今日では薄紙を使うようになったようだ。紙を張ることによって、韓国のテグムと同じように、ビリビリといった音が加わってはっきりした、歯切れのいい音になる。音域は2オクターブと1音で、比較的広い。1950年からの楽器改良で、調にあわせて12本のホンチーが次々にでき、その結果西洋音楽の調にあわせられるようになった。広西省で発掘された前漢初期の副葬品のなかに6孔の笛が出土している。この時代は西暦にすると紀元前2世紀である。少なくとも
2200年前から存在していた楽器ということになる。
楽器分類: ホンチー / 気鳴楽器 / 吹き穴 フルート族 / 横笛 / 竹製

2007年08月18日
スリットドラム  / ハワイ アメリカ合衆国
Slitdrum / Hawai, USA  File:254


2007年08月18日(土)  
スリットドラムは日本語では割れ目太鼓。ハワイの公用語はハワイ語と英語だがハワイ語でこのスリットドラムをなんと呼んでいるだろうか、もしかしたらフィジーの割れ目太鼓・ラリかもしれない。太鼓といっても皮を張った膜鳴楽器ではなく、中が空洞になっている木魚と兄弟分になる体鳴楽器である。適当な長さの堅い木の丸太に縦に細長い溝を彫り、中をくりぬいて、空胴にしてある。二本の棒、撥で叩いて演奏する。音の高さは大きなスリットドラムは低く、小さなものは高い音になる。木が堅ければ堅いほど、鋭くなり、遠くまで響く音になる。スリットドラムは大洋州ばかりでなく、アジアやアフリカ、南米など、世界各地で使用されている。スリットドラムは音楽のリズムを刻む楽器であると同時に、合図や信号の音具に使われることもある。すでにこの楽器地球儀でも台湾の杵太鼓(ちゃうたいこう)、インドネシアのクルクル、フィジーのラリが紹介ずみである。
楽器分類: 体鳴楽器 / 叩く / 木製 /

2007年08月25日
オオツズミ (オオカワ) = 大鼓 (大皷) / 日本
Ohtsuzumi ( or Ohkawa ) / Japan File:255


2007年08月25日(土)  
大鼓(おおつづみ)は長唄の囃子や能楽で、小鼓(こつづみ)と対になって用いられる太鼓。能楽では「おおかわ」と呼ばれることが多い。文字は「大皷」と書くこともある。胴は桜材の砂時計型で、長さ29センチ前後、開口部の直径は12センチ前後で中がくりぬいてある。胴の表面は黒い漆の下地に金銀の蒔絵が施してある。23センチ径の馬皮を張ってある鉄の枠を胴の両端にあて、朱色の麻で作られた「調べ緒」(しらべお)で締め付けたものが大鼓である。演奏は左脇で構え、右手の薬指と中指に和紙で作った指帯(ゆびおび)と掌には手皮(てかわ)をつけて、掛け声と一緒に強打する。左手で持った調べ緒の握りを強くしたり弱することで音高を調節することができる。この大鼓(おおつづみ)の表に見えない特徴は、演奏の前に皮面だけを一時間半ほど炭火で焙じなければならないことだ。よい音を得るためだ。演奏の直前に調べ緒で締め、組み立て、演奏できる状態になる。繊細な音を要求される楽器は、多くの準備と手間が必要になるものだ。
楽器分類: 膜鳴楽器 / 砂時計型 / 締太鼓 / 可動型
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