03-楽器収蔵庫


タブラ / インド ファイル031 楽器の音 
Tabla / India


2003年05月10日
北インドの音楽に、なくてはならない打楽器。タブラとバヤが一組になった太鼓である。紛らわしいけれど、総称をタブラという。右手で打つ太鼓がタブラで、直径15センチほどの円筒形。左手で打つ太鼓はバヤといい、直径25センチぐらいの大きさである。胴体は中央が膨らんでいて平べったい壷のような格好をしている。日本ではバヤンと呼ばれているが、正確にはバヤである。素焼きでできたものと金属でできたものがあるが、今日では金属のものが多く用いられている。両方の太鼓の皮の中央には黒い部分があるが、これは鉄粉とご飯を練り合わせてこすりつけたもの。何度も重ね塗りがしてあり平らになっている。また、縁の部分には上から二重に皮が被せてある。このように工夫することで、黒い部分とふちの二重皮の部分、そしてその他の部分はそれぞれ音色が違ってくる。鈍い音や乾いた音、音階を感じさせる音など、三種類の全く異なった音が作られることになる。さらにさまざまな打ち方の組み合わせで、変化に富んだ音楽になる。タブラほど音色が豊かで複雑な技法をもっている太鼓は、他にはないのではなかろうか。
北インドのアグラの小さな会堂でシタールとタブラの演奏を聴いたことがある。目を凝らさなければ、しかと見えないような薄暗い会場に3、40人の聴衆がいた。黒い顔の二人の演奏者の目だけが光って見える。それだけに音が浮き上がって聴こえてくる。静かな序章から次第に高まって、シタールの伴奏である筈のタブラが早い複雑なリズムと音階で自己主張を始める。その演奏はまるでシタールとタブラが火花を散らしてきそっている音があった。
楽器分類:タブラ / 膜鳴楽器
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チター / オーストリア チロル ファイル032
Zither / Austria


2003年05月17日 (土曜日)
映画「第三の男」で知られるチターはチロル地方やスイス、ドイツ南部のバイエルン地方で使われてきた楽器。さまざまな形があるが、チロルで用いられているチターは箱型の共鳴胴に伴奏弦が25本から30本ほど張ってあり、それに平行して手前のフレットの上にメロディの金属弦が5、6本並ぶ。演奏するときは左手でフレット上の弦を押さえ、右手の親指につけた金属製の爪でメロディを奏で、他の4本の指を使って上部の伴奏弦を弾く。メロディ弦のシャープな堅い音にくらべて伴奏弦の装飾音はやわらかく優しい。その二つの音の組み合わせが、ロマンティックというか独特の音色を生みだしているようである。
チロル地方、ツェルアムツィラーの町はずれ、素朴な酒場に村人が集まってチターの伴奏で歌を歌っている場にゆきあわせた。曲は「いとしのアウグスティン」や「チーズ作りの娘」など次から次へ。ワインを飲み、歌い、演奏し、語らって楽しむ人たち。生活のなかに生きている音楽はいつもすばらしい。
楽器分類:チター / 弦鳴楽器 チター族
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ルーレ /  デンマーク ファイル033  楽器の音 ノルウェーのルーレのサイ トにリンク
Lure / Norway


2003年05月24日 (土曜日)
3000年前の青銅器のラッパ。北欧三国と北ドイツの泥炭地帯から出土した楽器で、その数は50個余になる。考古学者によれば紀元前600年から1200年頃のものと推定されている。全長約2メートルで出土したときは多くの場合2本が対になっていて、2本のラッパは鏡に映したように向き合っているのが特徴である。マウスピース(吹管)は杯型で現代のトロンボーンのものと同じだ。つまり奏者の唇がリード(つまり簧)の役目をして音をだす方式である。音は8音から10音ほどを吹きわけることができる。
白夜のコペンハーゲン近郊のフレズリクソン町でバイキング祭があるというので3日をこの地で過ごした。森と草地の野外会場である。8世紀から11世紀後半までこの北の国ではバイキングの嵐が吹き荒れた時代があった。その物語を芝居にした2時間ほどの野外劇である。冒頭、50人ほどの角のついた兜をかぶったバイキングたちが森の後方から入場してきた。その行列を先導して2人の奏者が楽器ルーレをかかえて演奏している。それはコペンハーゲンの国立博物館で古代の楽器として飾ってあったものだ。博物館では本当に鳴るのかなと見過ごしていたもの。それが演奏されている。もちろん複製ではあるが、その音色はまさに古代の音そのものに違いない。現代のルーレ演奏家としてノルウェーの Odd Lund氏がいる。
楽器分類:ルーレ / 氣鳴楽器 カップ状吹口
検索語:ルア、ルール、青銅ホルン


ラングレイク /  ノルウェー ファイル034
Langleik / Norway


2003年05月31日
記録では16世紀ころを起源として、以来今日までノルウェーの民衆に親しまれてきた民族楽器。すでに紹介したハルダンゲル・フィデルと共にこの国のもう一つの国民的楽器である。ラングレイク(Langeleik)は、スイスのチターや中国の揚琴(ヤンキン)と同じ仲間で長方形の木の箱に金属弦を張ってある。弦の数は普通7本から8本で、演奏者から手前の弦1本---2本の場合もある---がメロディーの弦になっている。他の数弦は長3度に調弦したドローン弦なっているので響きが美しい。奏者は左手で手前のフレットにそって弦を押さえ、右手で動物の角や骨でこしらえたプレクトラム(爪、ピック)で演奏する。今日ではノルウェー中で愛好されているが、特にオスロの北方のバルドゥレス地方(Valdres)では、ごく普通に伝統を守って愛用されている楽器だ。単独で弾いたりダンスの音楽として他の楽器と合奏する。
夏至に近い頃、オスロ北西部の港町・ベルゲンでラングレイクを聴かせる家に出掛けてみた。古い時代の小さな民家で、質素な居間の暖炉の前で若い娘さんの演奏だった。十人程の聴衆と一緒に聴いたラングレイクは優しい音色である。カンテレよりもっと繊細だろうか。ベルゲンは北極圏より南だけれども夜遅くまで明るい。その明るい窓辺に蝋燭が灯されている。聞けば「明るくても夜の時間なんですよ、と自分たちに言い聞かせるため」だという。その北国の心とラングレイクの音が重なった。
楽器分類:ラングレイク / 弦鳴楽器 / チター族
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カヤグム = 伽耶琴 /  韓国 ファイル035 楽器の音 
Kayageum / Korea


2003年06月07日
朝鮮半島の代表的な弦楽器の一つである伽耶琴(カヤグム)は、雅楽演奏用と散調(サンジョ)用の2種類がある。雅楽の伽耶琴は糸の末端の部分に羊の耳の形をした糸の緒止めがあるが、散調にはそれがない。基本的な構造は同じになっている。散調というのは音楽の形式の一つで、民衆の間で発達してきた。基本的には7段階ほどの調子があって、曲の初めはゆっくりで次第にテンポを早める。弦は12本で撚った絹糸を用い、日本の箏の琴柱(ことじ)にあたる雁足で調弦をする。楽器のかまえ方は楽器の頭の部分を右の膝の上において演奏するところが日本の箏と大きく異なる点。右手の親指、人差し指と中指で直接弦をはじき、左手は弦を押さえて音の高低、ビブラートなどの装飾音を作るは日本の箏と同じである。伽耶琴の歴史は6世紀ころの伽耶国で作られたといわれ、当時の土偶にも同じものが見られるという。
楽器分類 : カヤグム / 弦鳴楽器 / チター族 / 長胴型
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ケーン / ラオス ファイル036 楽器の音
Khen / Lao People's Democratic Republic


2003年06月14日
ケーンはラオスだけでなくタイ、カンボジアなどモン・クメール語族の文化に属している人々、主に苗族(ミヤオ族)の楽器。日本でいう笙やファイル004で紹介した中国のルーションの仲間になる。竹でできた管の数は素朴な6管の小型のものから14管や16管の大型のものがあり、写真は16管の楽器でかなり広い音域の演奏が可能だ。細長い竹を二列に束ね、それぞれの竹にハーモニカにあるようなリードがついていて、管の根元にある指穴を押さえると空気が通って音がでる仕掛けになっている。管の基部に木や象牙でできた空気箱、風室があってここから息を吹き込んだり吸ったりする。ケーンや笙の特色は自由リードといって吸っても吹いても音がでるようになっていることである。五音音階の音が基本になっている。
ラオスには「ラム」というで男女が掛け合いで歌を歌う伝統的な音楽がある。お祭りやちょっとしたイベントがあるとすぐ始まるという。数十年も前にタイ北部で偶然、村芝居で聞いたことがある。男女の間の微妙な愛の問題について、ユーモアをまじえてデュエットで歌う。歌の意味を一部訳してもらったけれど、歌のスピードについていける筈もない。村の聴衆は男も女もお腹の底から大笑いしながら聴いていた。その伴奏はまさに二台のケーンであった。後で調べるとラムという歌だったらしい。聞くところによると、この音楽というか芸能はもう失われてしまって聞く機会はないようだ。
楽器分類 : ケーン / 氣鳴楽器 / 自由簧楽器
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ケーナ / ペルー ファイル037 楽器の音
Quena / Peru


2003年06月21日
テンアメリカ音楽・フォルクローレの主な楽器といえば前出したパンパイプのサンポーニャ、アルマジロを胴にした弦楽器のチャランゴ、太鼓のボンボ、時には竪琴のアルパ、そして今回のケーナがある。アンデス山地に住むインディオの人たちに長い間受け継がれてきた楽器のなかで、ケーナはもっともフォルクローレの楽器を代表する楽器ではないだろうか。昔は葦で作られることが多かったが、今日では竹が主に使われているようだ。指穴は上部に6孔、下部に1孔、全部で7孔で、歌口は管の端を小指の爪の形に切ってあり、尺八を演奏するように切り口に息を吹き込むと音がでる。昔、携帯に便利なケーナやサンポーニャは山地の牧場で用いられて、アンデスの人々の生活に密着して楽しまれてきた。ペルーを訪ねたことはないが、ケーナの弱々しいけれど素朴な味わいのある音色は、高地の人と自然と空気をひしひしと感じさせるものがある。
楽器分類:ケーナ / 気鳴楽器 / フルート族 / 縦笛
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ダムニアン / チベット自治区 中国 ファイル038 楽器の音
Damnyan / Tibet, Chaina


2003年06月28日
三味線の仲間の楽器で、シルクロードの西端・ペルシャの楽器セタールを源としている、という説が有力だ。蛇や羊の皮が張ってあるダムニアンの胴と桿の中間には三角形の突起がある。長い桿はフレットがなく弦は6本で、二本ずつ同じ音に調弦するので複弦三条ということになる。調弦は日本の三味線の三下がり(さんさがり)に似ていて、ラ、レ、ソに調弦するのだが、三味線は一の糸、二の糸、三の糸とあって三の糸が一番高い音なのに対して、ダムニアンはここだけが1オクターブ低いのが異なった点だ。弦も特別に太い。演奏には小さなピック(=プレクトラム)を用いる。ヒマラヤに囲まれたチベットの平均標高は4000メートルの高原地帯。日本の約6倍の土地に住む遊牧民と農民のチベット人は、歌や踊りが好きだ。そこで用いられるのがダムニアンだ。また、昔デェカと呼ばれる旅芸人が村々で芸を披露したそうだが、そこでもダムニアンが芸の伴奏に用いられたという。
楽器分類:ダムニアン / 弦鳴楽器 / リュート族 / 撥弦
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トゥントゥン / フランス バスク ファイル039
Tuntun / Basque, France


2003年07月05日
トゥントゥンはチストゥーと呼ばれる三孔の縦笛と一緒に演奏する楽器。左腕に楽器を縦に構え、その手指で笛を演奏し、右手にもったバチでトゥントゥンの弦を叩いてリズムを作る。演奏形態は、ファイル030で紹介したフランス南部のガルベ(笛)& タンブラン(太鼓)と同類になる。箱形の胴に6本の弦を張り、箱の上部のネジで調弦をして、短いバチで叩く。この楽器は弦が張ってあるという点では確かに弦鳴楽器のチター族だけれども、演奏形態はリズムをとるために棒でたたくのだから体鳴楽器に分類してもよさそうである。どの分野でもあることだが、分類というものは必ず例外がでてくるものだ。
バスク人はピレネー山脈のフランスとスペインにまたがる地域に住んでいるが、人種的言語的に全く異なった少数民族である。トゥントゥンはこの民族の伝統をさかのぼる一つの手がかりかも知れない。写真はフランス領ビゴールの人たち。
楽器分類:トゥントゥン / 弦鳴楽器 or 体鳴楽器 
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バンドゥリア / ポルトガル ファイル040 楽器の音
Banduria / Portuguese


2003年07月12日
復弦6コース12弦のリュート族の撥弦楽器で、ギターに似て胴は平らだが小さくて栗の形をしている。ト#、ハ#、ヘ#、ロ、ホ、イと4度間隔に調弦してプレクトラム(ピック)で演奏される。弦は羊や豚の腸から作ったガット弦を用いるが、高い音の3コースを金属弦にする場合もある。ポルトガル・ギターあるいはギターラの別名がある。
ポルトガルの伝統的な歌というとファドがある。歌の女王アマリア・ロドリゲス(1999年没)で知られているファド。このファドの伴奏をするのが楽器バンドゥリアだ。ファドはイタリアのカンツォーネやフランスのシャンソンと同じくポルトガルの代表的な都会の民俗音楽といえよう。また、ファドは首都リスボンと北方のコインブラの二つの地域にあって、少し性格が違う。リスボンは人生の愛、悲しさなどマイナーな歌を悲痛に歌い上げるのに対してコインブラの歌は人の世の楽しさ、愛の喜びなどを明るく歌う、という違いがある。
かってリスボンの下町の薄暗い酒場を訪ねたとき、バンドゥリアとギターの伴奏で中年の女性の歌手が歌うのを聴いた。悲しいが美しい歌であった。しかし、友人に聞いた話だが、今日ではリスボンのファド酒場は、外国からの観光客の好みに合わせて照明も明るく、陽気な歌も歌うのだという。確かに民族音楽はその時代の社会的な背景のなかで変わっていくものだから、当然といえば当然なのだが。
楽器分類:バンドゥリア / 弦鳴楽器 / リュート族 / 撥弦楽器
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ダリ / フィジー ファイル041
Dali (Stamping cube) / Fiji Islands


2003年07月19日
英語名のスタンピングチューブといった方が一般的である。適当な長さの太い竹筒の上部の節を残して他の節は取り去る。地面や板の上に垂直に落としたり、打ちつけると、内にこもったような音がでる。南太平洋地域の楽器は旋律楽器が非常に少なく、わずかに法螺貝やウ・テテという椰子の葉を利用する素朴な口琴、そしてすでに紹介したファイル018の鼻笛・ファグファグがあるが、ほとんどが打楽器といって言いすぎではない。フィジーでももちろん同じだ。従って楽器の独奏による音楽はまれで、歌や踊りのためだけにある楽器といえよう。この楽器・ダリや割れ目太鼓・ラリの音とリズムを伴奏にして、民謡が古くから歌われてきた。
写真の演奏者の上半身は裸で腰蓑(こしみの)姿だが、これは昔からの正装。普段はごく普通の服装で暮らしている人たちだ。社会的な構造の変化から、今ではこうした音楽は観光的な色彩が強い。しかし、それだけに沢山の音楽のグループができて、よりよい音楽を提供するためにお互いに競って、廃れかけていた音楽が復活して質も向上したといわれている。
楽器分類: ダリ = スタンピングチューブ / 体鳴楽器 / 落下させる楽器
検索語:


チンバロン / ルーマニア ファイル042 楽器の音
Cimbalom / Romania


2003年07月22日
総称をダルシマーといいピアノの元祖で、ペルシャが起源の楽器。箱の上に張った金属弦を、先にフェルトを被せた棒で叩いて演奏する。チンバロンはロム(ジプシー)独特の楽器だ。この楽器の仲間にはアラビアのカーヌーン、イランのサントゥール、中国の揚琴(ヤンチン)、ヨーロッパではスイスのハックブレットなどがあるが、チンバロンは弦の張り方が非常に違っている。弦を経済的に使おうとして、張った弦のある部分に駒をはさみ、その両側に異なった音階を設定してある。その結果、順序よく音階が並んでいない。つまりドレミファソラシドの音があちこちにある。例えばドレミは並んでいるが、それに続く音は右上にあったり、左の隅にあったりする。従って楽譜を見ながらの演奏はとてもむずかしい。子どもの時から体で覚えているので自由自在に音を操ることができるようだ。理屈を勉強して、というのは彼らの性に合わない。主なメロディーは頭の中にあるのだが、心にパッと浮かんだことを直感的に即興的に音にしてしまうところがロムの音楽の素晴らしいところだ。ルーマニアの楽器として紹介しているが、ハンガリーなど東欧でひろく使われている。ただ、ルーマニアのロム(ジプシー)は迫害されることなく比較的普通に生活できたので、音楽にものびのびした処があるといわれている。
今日ではステージの音楽になっているが,昔は結婚式やお祝い事のとき、ロムの音楽が欠かせなかったといわれる。披露宴で食べたり飲んだりしているときは、ゆっくりした調子でしっとりしたロマンティックな演奏をして、お酒がまわってきて踊りが始まると賑やかで激しい曲に早変わりする。20曲も30曲も続けさまに。チンバロンはそうした音楽のための楽器の一つである。
楽器分類: チンバロン / 弦鳴楽器 / チター族
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ウード / イスラエル ファイル043 楽器の音
Ud / Israel


2003年08月02日
国名はイスラエルですが、北方のレバノン国境近くのガリリー湖(Galilee)周辺に住むアラブ系の人たちの楽器として紹介しているのでご了解ください。
アラブ、トルコ、イランで使われるアラブを代表する楽器。アラブの音楽を理論的に研究する上で非常に重要な楽器と考えられている。10世紀のアラブの百科事典に、ペルシャ---現在のイランに位置する---にバルバットというリュートの形をした楽器の記録がある。これがウードの原型楽器と考えられている。洋梨を縦に切ったような形の胴は寄木細工で作られていて、日本の琵琶の鶴首(つるくび)のように糸蔵(いとくら)にかけて鋭角に曲っているのが特徴だ。通常、弦は5コースの複弦だが4コースから6コースまで弦の数は地方によって異なっている。私が聴いたガリリー湖の人たちの持っているウードの弦は、複弦5コースにもう一本単弦がついている6弦のものだった。弦を鳥の羽の芯でマンドリンを弾くようにはじいて弾く。琵琶やヨーロッパのリュートは棹にフレットがついているが、ウードにはない。アラブの音楽の音階には微小音程があるので、それを演奏するにはフレットがない方が都合がいい。しかし、同時に音楽家の技量がすぐにわかる楽器ともいえるようだ。
楽器分類: ウード / 弦鳴楽器 / リュート族 / 撥弦楽器
検索語:


チーワイン / ビルマ ファイル044 楽器の音
Kyi waing / Burma


2003年08月09日
チーワインは20個の真鍮のゴングを演奏者中心に円形に組んである楽器。タイのコン・ウォンが原型とされている。ゴングを環状に並べた楽器はカンボジアのアンコール・ワットの壁のレリーフに見られるので、この寺院が建造された12世紀ころにはチーワインの祖先が存在していたことになる。20個のゴングを音階順に並べ、ひとつずつ紐で固定してある。奏者は棒の先に5センチほどの厚い円盤状のものが付いているバチを両手に持って、腰掛けて演奏する。太鼓とゴングの違いだけだが、音階の異なる太鼓を円形に並べたサインワインというビルマの伝統的な楽器もある。すでに紹介したパッタラーのように繊細な音楽があるのと同時に、このチーワインやサインワイン、リード楽器のネーなどの合奏のように鼓膜が破れそうな激しい音楽もある。ビルマの音楽は繊細さと激しさの両方をもっているようだ。
付記:他国の言葉の発音を自国の言葉に置き換えるのは難しいものです。ビルマ人の口からでるこの楽器の名は日本人の耳にはチー・ワインと聞こえますが、英語国の人にはキャィワインと聞こえるようです。アメリカやイギリスの文献をみると、Kyay-waingと書いてあるので・・・。
もう一つ。今ではミャンマーが国際的な正式名称ですが、あえてビルマの国名を使います。
楽器分類: チーワイン / 体鳴楽器 / 打つ
検索語:チー・ワイン


ズルナ / トルコ ファイル045 楽器の音
Zurna / Turkey


2003年08月16日 
西アジアを起点にイスラム教徒によって中央アジアやインド、中国、また北アフリカに伝搬した楽器。モロッコではリタ、中国では哨吶(スオナ)、ユーゴではスルナ、インドのシャナイなど各国でそれぞれの名がついている。日本では雅楽で用いる篳篥や「夜鳴きうどん」のチャルメラが仲間だ。ズルナは複簧(ふくこう=ダブルリード)のオーボー系の楽器で木製、管の先がアサガオのように開いていて、指孔は上に8穴、裏に1つの穴があいている。「リード」は乾燥した葦の小片を二枚合わせて笛の先にとりつけ、二枚の間に息を吹き込んだ振動が音になる。リードを使う楽器なのでかなりけたたましい音になる。動物や鳥の声などの擬音など滑稽な演奏も出来るようだ。トルコ周辺の国々では、ズルナはダブルという太鼓と対になって演奏され、結婚式やお祭りにイベントではなくてはならない楽器になっている。この音楽がなくては結婚式もできない、とまで言われているようだ。ノルウェーのバイオリンFile 017でも紹介したように、楽師とイベントはいつも一緒だ。欧州ではこの習慣はほとんど見られなくなったようだが、トルコ国の周辺では今でも生活のなかで生きているようだ。メヘテルハーネというトルコ軍楽隊の音楽は、この楽師たちの音楽が源だそうだ。
注:「夜鳴きうどん」 夜遅く、屋台を引いたうどん屋が客の注意をひくためにチャルメラを吹いていました。そのうどん屋のこと。戦前から昭和30年頃まででしょうか。
楽器分類: ズルナ / 氣鳴楽器 / 複簧(ダブルリード)楽器 / ショーム
検索語:

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